半導体技術と光学技術を融合し レンズを使わない顕微観察装置を創出 ─IDDK─

微細なものが顕微鏡同様に
イメージセンサーで見える

 顕微観察のための装置と言えば顕微鏡を誰もが思い浮かべるだろう。医療分野や生物分野での研究などが代表的な活躍の場だが、材料工学分野などをはじめ産業面でも様々に活用されている。

 これまでの顕微鏡は主として光学顕微鏡であり、レンズを用いて物を拡大して見る。しかし、レンズの表面はデリケートな研削や研磨が必要などの理由で量産が難しいため、非常に高価になってしまう。これに対し、レンズを使わないコンパクトな顕微観察装置のメーカーが、東芝からのスピンアウトベンチャー“IDDK”(東京都江東区、資本金5862万円、従業員7名)である。

 レンズを使わずに顕微観察できる技術的なしくみは後で説明するが、半導体と光学の技術を応用している。これにより、半導体チップデバイスに検体を載せるだけで、レンズを通さずに、高価な顕微鏡と同じように観察できる装置を開発したのだ。

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