【特集⑦】便利な用語だけど説明できますか?知ったか経済用語はごまんとある
「生産性」って気軽に使うけど
何をもって高い、低いというのか
突き詰めて問われると正確な説明が難しい用語がある。
例えば「生産性」と「付加価値」。
この2つをもってしても即答できる人は少ないのではないか。
◇「生産性」とは何かを考えてみよう
生産性とは、生産に必要な要素の投入によって得られる産出物の割合を指す。式は 生産性=産出÷投入 である。
生産性の高さは仕事の効率の高さと言うこともできる。生産性が高いことは、①少ない投入で同じ産出を得られる、あるいは、②同じ投入で大きい産出を得られることになる。
生産性を測るには、①物的数量での把握、②金額での把握の2つがある。生産現場で生産性や効率を測るには、物的数量での把握が有効だ。価格が変動する可能性がある原材料も生産物も、金額はその影響を受けてしまうからである。
例えば、新日本製鉄(現日本製鉄)の1999年までの有価証券報告書では、銑鉄、粗鋼などの生産実績は数量で記され、販売実績には鋼材の数量と金額が併記されていた。主要原材料である鉄鉱石や原料炭などの使用量と価格動向も記されていた。翌年の有価証券報告書から、生産販売実績の数量は表記されなくなるが、鋼材事業と共通する数量表記ができないエンジニアリングや都市開発等の事業の売上が増えてきたことも一因だろう。