政界を去る「オーストラリアを救った女性」 腐敗防止機関のあり方に関心高まる

突然辞任したベレジクリアンNSW州女性首相
自分自身にも科した疑惑議員へのルール

 2017年1月以来、約5年に渡って、ニューサウスウェールズ(NSW)州を率いてきたグラディス・ベレジクリアン州首相が、10月1日、突然辞任することを発表した。記者会見では、NSW州腐敗防止独立委員会=Independent Commission Against Corruption(以下ICAC)が、自身に対する調査を目的とした公聴会を実施することを前日に知り、一晩熟慮した上で、「非常に難しい決断」を下したと述べ、政界からも潔く身を引く意向を示した。疑惑について、全面的にきっぱり否定しつつも、「他に選択肢はなかった」と説明した。背景には、彼女自身、就任以来、不正の嫌疑をかけられた州議会議員に対し、潔白が証明されるまで、公務を離れるよう要求してきたことがある。

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