大神島スケッチ
宮古島島尻漁港からフェリーに乗り15分ほどの距離にある大神島。
宮古島生まれの宮古んちゅには畏れられていて、こんなにも近くにあるのに、生まれてこの方行ったことがないという人は多い。
今ですら、観光客を乗せたバスがツアーの一環としてフェリーで巡回して訪れることもあるらしいが、住人数が26戸ほどの大神島に、ぞろぞろと列をなしてたくさんの人が踏み入ることには島人の立場になって考えてみると疑問におもってしまう。
しかし、そこが神の島といわれる由縁につながる理由もあるのぞ。(by神さま後述2023.5.15)
暦により、御嶽で神んちゅが祈りを捧げる行事ごとがあるので、そういう時には頂上にある御嶽への道は封鎖される。
一方で、島の名物といえば「かーきだこ」。
そのタコの燻製を料理したものを観光客に提供することで、生計の支えに開店したおぷゆう食堂がある。
島へ何度か目に訪れたある日、道
に咲くブーゲンビリアの花を眺めていたおばあがいた。
「こんにちわ。」と声をかけると花がきれいね、という話の流れで一緒に写真を撮ったことがきっかけとなり、以降親しくさせていただいた。
頂上の御嶽にお参りする前に、途中にあるちよさん宅に挨拶に立ち寄るのが習慣になっていた。
「きたかー?上がっていきなさい。」
ちよさんはいつも優しく迎えてくれた。
初来島した時、わたしは生まれて初めてこの島に嫁ぎたかった、と感じた。
結婚願望0で生きてきたわたしが、なぜこの島に嫁げなかったのだろうと落胆したショックは、じぶんで驚くほどだった。
いつの年だったか、白い衣をまとい、ちよさんも海岸や箇所個所の御嶽で祈りを捧げていた。
ちよさんも神んちゅだった。
大神島はわたしにとってはちよさんの思い出。
島の中腹を眺めるたびに島全体がちよさんの心に映る。
ちよさんの魂よ、いついつまでもお元気で。
どうもありがとう。感謝
Emeru