置き去りの2匹の子猫。(2
子猫を拾った人間がまず一番に考えるのが命の救済であり、次に来るのはその命の存続についてである。
置き去りの2匹の子猫。(1)|Emeru (note.com)
猫の生態として、早い個体で生後3-4か月でサカリが訪れるらしい。つまりそんな短期間で個体数が数倍にもなるということだ。これは何としてでも差し止めたい。となれば避妊・去勢問題である。
しかしながら、何の権限があってこいつら(野生猫)の命の循環を阻止できうるのか。ていうか、なんでこいつらずっとうちにいるんだ。でなければ、自力で判断することを放棄し問答無用で保健所へ連絡という命の保証最短コースへ誘うのか、このわたしが、か。なぜこんな目に。悩みどころだ。
そんなある晩のこと、けたたましい鳴き声を上げて近所の野良猫お爺(推定年齢14歳)が隣の塀から我が家のベランダに降って来た。元は白猫だったのだが、全身薄汚れた灰色をしている。どこに餌場があるのか知らぬが身体がでかいうえ睾丸がでかい。たんたん狸の~♪を彷彿させるぶーらぶーらは現役であることを堂々と主張する。ひょっとするとこやつらの父親じゃねえか。
お爺の狙いはペンキのついた♀猫だ。三日三晩ドサーっと塀から降って来て、子猫に執拗に絡んでくる。これはもう限界だ、ぼやぼやしてられない種の保存サイクルに突入のサインだ。
ちきしょーもう時間がない。固唾をのんで動物病院に予約を入れ市役所に住民票を取りに行き(そういうルールらしい)、ランドリー網で2匹を捕獲しそれをまるごとリュックサックに詰め、いざ。ダッシュ。
午前中に預けて夕方に引き取りに向かう。
地域猫としてお会計♂♀オペ代+ノミダニ駆除=¥19000なり。
獣医曰く「♀はもうサカリに入ってたね。体重2Kgはオペできるギリギリだけど早めに連れてきてよかったよ。」
夏が到来した。いまもモフモフ(♂)とペンキ―(♀)はうちのベランダに生息している。なぜか出てかない。知能がないのか。お爺はそれ以来たまーにドサッと塀から降ってはくるものの、ターゲットが繁殖不可能となったと知ってか疎遠となりつつある。
猫族との共存、大きな山場は超えたのだろうか。深い落とし穴などあってほしくないが。
次なる懸念は台風だ。
やめてくれ。
Emeru
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