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部屋の前に“手紙付きの風船”「おてがみください」差出人に連絡してみると…290キロ旅した“空飛ぶ手紙”
部屋の前に“手紙付きの風船”「おてがみください」差出人に連絡してみると…290キロ旅した“空飛ぶ手紙”© KUTVニュース
高知市のマンションの住人が、ドアの前に落ちている風船を見つけました。よく見ると手紙がついていて、なんと熊本から飛んできたものでした。いくつもの幸運が重なって290キロの距離を飛んできた風船。どんな人たちが、どんな思いで飛ばしたのでしょうか。
5月28日の夜。高知市のマンションに一つの風船が落ちていました。風船についていたメッセージには…
「きょうはぼくたちわたしたちのうんどうかいでした。おてがみくださいね」
住所を見てみると…何と熊本県。直線距離でおよそ290キロ離れた幼稚園から飛んできたのです。
風船が落ちてきたのは、偶然にも、テレビ高知社員の実家の前でした。
(テレビ高知の社員)
「母が玄関を開けたらここにこういう感じで風船があったらしいんです。買い物に出てこようとしたらこれがあってびっくりしたみたいで、外に開けているんで入ってきたのかなという話でした。ほかにもいろいろな建物があるなかで、なんでうちなんだろうと母は驚いていて、慌ててLINEを送られてきたときにはどうしたんだろうとびっくりした。でもこういった幼稚園の子どもからのほっこりするお手紙だったので安心しました」
扉の真ん前にあったという風船は、熊本からどのようにして飛んできたのでしょうか。
園児からの手紙によると、運動会で風船を飛ばしたのは先月27日の午後。そして、高知市にたどり着いたのは28日の夜とみられます。つまり、30時間ほどかけて飛んできたことになるんです。
東杜和気象予報士によると…「風船は偏西風に乗ってやってきました。さらにこの日は上空が平年よりも暖かく風船が割れにくかったのではないか」
「その日は雨が降ってもおかしくないような天気でした。熊本から高知まで晴れ間を縫うようにしてやってきた。翌日から熊本、高知とも梅雨入りしたのでとにかくラッキーが重なったと考えています」
そんな幸運が重なって、風船が高知に届いたことを熊本の白梅(しらうめ)幼稚園に報告しました。
(認定こども園 白梅幼稚園 岡田朱紀 園長)
「電話を受けたのが主任なんですけど、バタバタっと走ってきて『驚かないでくださいね、息しててくださいよ。風船の返事がありました』という感じで」
(木岡真理奈アナウンサー)
「扉を開けたら目の前に風船があったらしいんですよ、玄関の目の前に」
(認定こども園 白梅幼稚園 岡田朱紀 園長)
「鳥肌が立ちますね」
幼稚園では、30年ほど前から風船を飛ばすイベントを行っているといいます。
(認定こども園 白梅幼稚園 岡田朱紀 園長)
「私たちも子どもたちの驚く顔が見たいので事前予告はしない。運動会の閉会式のなかで『サプライズがあります』と言うと歓声があがる。手を放すと寂しい気持ちはするけどそのあとにきれいなものを見て目が輝く」
これまでにも遠くは兵庫まで飛んだことがあるということです。せっかく届いた手紙です。園児たちに、お返事を書きました。
そして1日、先生が子どもたちに、風船が届いたことを報告してくれました。
さらには給食で高知の料理を食べたいとオファー。
「こうちけんのりょうりをつくってください!おねがいします!」
高知県に興味を持ってくれたようです。
自分たちの上に広がる空が、こんなに広い世界とつながっているということを教えてくれた、一つの風船。園ではこれからも、子どもたちに夢を持ってもらうため、風船飛ばしを続けるということです。
(認定こども園 白梅幼稚園 岡田朱紀 園長)
「漠然と『お手紙ください』と、何かを願ったときにそれがかなうかもしれない。今回それがかなったので、夢を抱くことを諦めないでとか、そういう気持ちを持ちつづけてもらいたい。自分たちが生きるって、他の人の働きとかいろんなことが重なって奇跡みたいな毎日を過ごしているんだといった…大きいですけどそういうことを感じてもらえたら」部屋の前に“手紙付きの風船”「おてがみください」差出人に連絡してみると…290キロ旅した“空飛ぶ手紙” (msn.com)