日本の版画家、コラムニストであるナンシー関氏の綴った一文。
思い出の反芻は目減りのしにくい娯楽だ。
ナンシー関名言であるが、多数の人が誤解・誤訳している一文でもある。
ナンシー関は「目減りのしない」
とは書いていない。
「目減りのしにくい」
と、書いている。
このにほんご表記には、解釈にとてつもない隔たりがある。
そこにこそ見て取れる彼女の才能だとおもうからこそ、わたしは嫌だ。
この一節が、無防備に誤まったまま伝承されてしまうことが。
「ぬるい」と「生ぬるい」の表現の差。
あー。
「日本語文章論」に酔っただけだ。ファンの人、ごめん。
Emeru