あなたのヒーローも、あなたを応援したい 〜Jリーグが挑む地域貢献〜 WINGS EVENTREPORT
こちらは、2021年12月18日に開催された #HEROCAMP の裏側で伴走しておりました学生&運営によるWINGSチームによるイベントレポートのご紹介です。こちらのレポートは、WINGSチームの岩田 莉奈がお届けしております!
《ほぼ教育最前線》 EVENT REPORT
「Jリーグ」ってなんだか遠い存在…
と、そんなふうに思っていませんか?
でも、実はそんなこと、全然ないんです。
あなたのヒーローも、あなたを必死に応援したい。応援しているんです。
今回の HEROCAMP忘年会 「ほぼ教育最前線『あなたにかわって、私が聞きます。』」では、ホストの坪谷健太郎さん(愛称:つぼけん)と大野大輔さん(愛称:大ちゃん先生)が、Jリーグ社会連携本部「シャレン!」の鈴木順さんをスペシャルゲストとしてお迎えし、共にJリーグ x(教育ではなく)共育について語ってくださいました。
「いつも応援してくれているファンのみんな・地域に、Jリーグはどのように貢献できるのだろうか?」
「地域家族の一員」としてのJリーグの未来は?
「明日も」、きっと頑張れる。
そんなことを思わせてくれる、地域愛溢れた、素敵な対談をレポート形式でお届けいたします。
【SUPER GUEST プロフィール】
● 鈴木順さん
東京都出身。専修大学経営学部卒。 大学卒業後、リサーチをメイン業務とした企業や医療メーカーのマーケティング部門に勤務後、東日本大震災を機に川崎フロンターレに転職。 地域貢献を学び、現在はJリーグの運営側へ。 Jリーグと地域を結ぶ社会連携活動「シャレン!」を推進している。
選手たちがジャージで農業支援?!
今回のスペシャルゲスト、Jリーグ社会連携本部「シャレン!」の鈴木順さん は、もともと大手企業に勤務されていたものの、東日本大震災を機に「大好きなサッカーに関わる仕事をしたい」と決心し、川崎フロンターレに転職されたそう。
が、鈴木さん自身も、「『こんなにも川崎の町のことを考える仕事』だということに当初驚いた」とおっしゃっていました。
鈴木:「川崎フロンターレは、「どこの部署が何をやる」ではなくて、みんなが町に出て、活動するクラブなので、「あ、こういうこともするんだなあ、ああいうこともするんだなあ」と、本当に日々勉強だったな、と今振り返ると思いますね。」
それも驚いて当然。なんと、鈴木さんが所属されている川崎フロンターレでは、多い時で年間1300件・また、コロナ前の2019年には、Jリーグが全国合計で2万5000件以上の地域活動に携われていたそうです。
鈴木:「特に春秋はイベントシーズンのため、町のいろいろなお祭り・イベントにお声がけいただくんです。だから、それをスタッフで手分けして、何箇所も行かせていただいてっていうことをやっていましたね。」
そして、大ちゃん先生・つぼけんさんも思わず「え!」と声をあげて驚かれたのが「Jリーグの選手がジャージを着て農業支援を行っている」ということ。年々農業の高齢化で悪化している「耕作放棄地問題」をテーマにしたプロジェクトでは、選手達が自ら苗を植え、稲刈りをし、また、この問題を積極的に発信していかれたそうです。
鈴木:「クラブが声掛けすると、サポーターの方とか、地域の方とかも来られて、本来荒れた土地がちゃんとお米を作る場所に変わったりだとか。できることは本当に小さいんですけど、「耕作放棄地」という地域の課題があることが、Jリーグを通して世の中に発信されることが大事。」
いつもフィールドで飛躍する選手たちがジャージ姿で農業に励む姿、確かに想像しにくいですよね。でも、こうしてJリーグと掛け算することによって、実現できてしまうのです。大ちゃん先生も、「Jリーグ」の影響力が持つポテンシャルについてこう語られていました。
大ちゃん先生:「Jリーグを通して解決できたり、改善できたりするものがたくさんあるなって思いました。だから、やっぱり社会教育や地域教育というテーマのときも、僕たちだけでは難しいものを、こう一緒に掛け算させてもらうことで、解決しやすく、改善しやすくなるという実感があります。」
他にも、地域の小学校に行ってサッカー教室を開いたり、「ブルーサンタ」としてプレゼントを持って小児病棟を訪問したりなど、さまざまな活動をされているJリーグスタッフ・選手達ですが、なぜこんなにも地域貢献に力を入れてらっしゃるのでしょうか?彼らが抱く願いとは?
サッカーはただの手段。
常に「どうぞJリーグを使ってください」というスタンスでいらした鈴木さん。それは、鈴木さん・スタッフ・選手達にとって、サッカーの一番の目的は「勝つ」ということではなく、「ファン・地域のみんなの笑顔・幸せを増やすこと」だからなのです。サッカーが決して全てではない。地域貢献するための手段に過ぎない、そうはっきりおっしゃっていました。
鈴木:「やっぱり地域があってはじめて自分たちが(サッカーに)参加できますし、もちろん目の前の「勝つ」っていうのは大事なことなんですけど、やっぱり「勝つ」のが目的というのは、勝ったことで、その応援してくれている地域の方々に喜んでもらうていうのが目的で。 そのために勝負に「勝つ」のは手段だと思ってるんですね。 僕らも「地域活動やること」が目的じゃなくて、それをやることで、地域の方がみんなハッピーになってくれたらいいな、と思ってやってます。」
そんな「地域の方々の幸せ」を軸にしたJリーグ、今では間違いなく、多くの方の「サードプレイス」(家庭でも職場でもない、第3のとびきり居心地の良い場所)となっているのではないでしょうか?
鈴木:「いい意味でのコミュニケーションだなって。すごくよく(コミュニケーションが)とれているクラブなのかなと思うので、なんか強くなってもそんなに距離感を感じない。身近なクラブというふうに思っていただけるかなと思いました。」
良いことばかりじゃない。家にも学校にも居場所がない。けれど週末、自分の好きなサッカーチームの応援に行って声を出したら、モヤモヤも吹っ切れることもあるかもしれない。そのスタジアムでよく会う人たちと仲良くなるかもしれない。それだけで一週間頑張れるかもしれない。そんな思いが込められたSHISHAMOさんの大ヒット曲「明日も」は、川崎フロンターレの試合の観戦体験を元に作られたそうです。
鈴木:「 応援してもらう側になってしまうんですけど、やっぱ同じ地域住民であれば応援してもらったら応援しなきゃねっていう。クラブ側も、もっともっと、地域に対して、今以上に気持ちの部分も想いの部分も、地域のためにと思うことが、自分たちにも返ってくるんだろうなと。もっともっと、そういう風に地域の方の仲間に入れてもらえるような、そんなクラブが増えていったらいいなと思いますし、連携して、地域での困りごとの解決の糸口になっていけたらいいかな、というふうに思っております。」
これって教育とどう繋がっているの?
Jリーグの皆さんがこんなにも地域貢献をしてらっしゃるなんて。
少し意外で。
急に身近な存在になったようで。
そして同時に、なんだか、自分も・自分の勤めている会社も「もっともっと、地域貢献ができるんじゃないのか」と思うように。
「もっともっと、子供達に希望を与えられるような『地域づくり』ができるんじゃないか」と考えるように。
Jリーグが地域貢献を率先してやることによって、私たちの「地域貢献」へ対するイメージがどんどん進化しつつあるのではないでしょうか?
大ちゃん先生:「Jリーグの方達が「地域に何ができるか」とか「子供達の為に何が出来るか」と考えているというその姿で響かされ、例えば八百屋さんが「自分たちが何ができるんだろう」とか、学校としても「地域に何ができるんだろう」とか、みんながこう何か地域に対して自分ごとになっていくっていう。
地域貢献を「自分ごと」にする。そして、みんなが地域を、共に育てる。
これこそが、次世代の「共育(きょういく)」です。
鈴木:「ある方に言われたのは、「昭和の時代は大家族で、平成の時代は核家族で、令和の時代は地域家族」。「教え育む」はどうしても「大人から子どもへ」みたいな感じになっちゃいますけど、「共に育む」に変えてもらうと、みんなで学び合える。
大ちゃん先生:「物凄くわかります。誰もが先生なんですよね。子供にとっては、学校の先生だけじゃない。地域に目を向けた時に、「うわなんか地域って先生一杯いるぞ」って。で、子供たちも先生になりうる。
私たち一人一人が地域づくりに取り組むことで生まれうる、大切な「学びの場」。
私たち一人一人が「先生」として子供達に伝授できること。
Jリーグと一緒に、考えていきませんか?
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あなたがいるからこそ、頑張れる。
だから、頑張るあなたも、応援したい。
そんな素敵な応援しあえる関係を築けるように、地域貢献に力を入れているJリーグの姿・また、常に「もっと、もっと」を追求する鈴木さんの姿に、深く感銘を受けました。
ヒーロー達に自分を重ねて、
さあ明日も、頑張ろう。