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Zoom Breakout Room の気まずさ、実はあれ、どうにかなる!!〜『人見知りでもセレンディピティ』著者 林勝明さんのオンライン打ち解け術〜 WINGS EVENTREPORT
こちらは、2021年12月18日に開催された #HEROCAMP の裏側で伴走しておりました学生&運営によるWINGSチームによるイベントレポートのご紹介です。こちらのレポートは、WINGSチームの岩田 莉奈がお届けしております!
《 SBR - Super Breakout Room 2021 - 》 EVENT REPORT
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Zoom 交流会で「とりあえず簡単に自己紹介を」なんて言われて、急に Breakout Room に入れられること、結構あったりしませんか?
そんな時、こんなこと思ったりしませんか?
空気を読もうとしても、話すタイミングがよく分からない。
誰かが長く話し過ぎて、自分は結局話せず終わることがある。
「しーん」として、とにかく気まずい。
集中力も全然持たず、途中からウトウト。
自己紹介がそもそも、超めんどくさい。
コロナ禍で一気に増えたZoomでのイベント・会議ですが、「交流を深めるための自己紹介用 Breakout Room が一番の苦」という方々が意外にも多い。オンラインならではの課題ですよね。
でも、本当に「ちょっとした事」を変えるだけで、まるで魔法をかけたかのように Breakout Room が楽しい場に一変するのです!
今回の HEROCAMP 忘年会では、あの大人気作品『人見知りでもセレンディピティ』著者、林勝明先生(愛称:勝さん)にスペシャルゲストとしてお越しいただきました。
今までにない、「Zoom Breakout Room の超簡単盛り上げ法」、気になりませんか?
Zoom を通して、あなたにもっともっと、最高の出会い・繋がりがありますように。
勝さんから伝授いただいた秘密、全てあなたに教えます。
【SUPER GUEST プロフィール】
● 林勝明さん
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◯学園園長
大学卒業後Googleに入社、大手企業との事業提携や新規事業に携わる。退職後は、20カ国以上に広がるオンラインの学び合いコミュニティ◯学園の創設/運営や、イベント・コミュニティのコンサルティング、サービス開発を行っている。「人見知りでもセレンディピティ」著者
待ち時間まで楽しい。
少し緊張気味に入った NEWHERO忘年会「Super Breakout Room 2021 x『人見知りでもセレンディピティ』著者・林 勝明」のイベント。
本来であれば、Zoom 会議最初の苦は、「みんなが入ってくるまで沈黙で待つこと」ですよね。
でも今回は、そんな気まずい時間が無かったのです!とことん楽しめました。
勝さん:「もう少しだけ待ってから始めようかなと思ってますので、皆さん Zoom の名前変えられる方は、よかったら、今いる場所を書いてみたりしてください。 適当にざっくりでも良いし、細かく書ける方は「分子遺伝医学教室」とかね、書いてもらえれば。」
(分子遺伝医学教室、私です…笑笑)
誰でも、簡単にできる、今いる場所を書くこと。それだけでも、どんどん会話が弾んだのです。
勝さん:「一番遠いところからいらしてる方は誰だろう?
へ〜、シェアオフィスなんてあるんですね。
分子遺伝医学教室では、どんな研究をされているんですか?」
「今いる場所」一つからインスピレーションを得た勝さんの「みんなを取り巻くさまざまな質問」のおかげで、本当にあっという間の待ち時間(いや、あれはもはや待ち時間ではない)でした。
気まずい自己紹介、もう、やりません!
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いつもなら結構長いスピーカー自身の「簡単な自己紹介」。
勝さんの場合、本当に簡単で、一瞬で終わってしまいました。
勝さん:「一応簡単な自己紹介ですね。僕はまあ今いろいろ IT 系の仕事とかコミュニティの仕事を雑多にやってるんで、一言で言うと、「アイスブレイク研究をしたい人」っていうふうに覚えていただければと思います。で、人それぞれね、世の中の見方があるんですけど、僕は「本当の意味でのアイスブレイクができたら、家庭のいざこざから社会のもめ事もまで、だいたいなんでも何とかなるんじゃないか」みたいなのを個人的な研究テーマにしていて。一応本も昔書いてますので、よかったら見てみてください。今日は僕のおすすめのアイスブレイク方式があるので、気に入っていただけたら嬉しいなあと思っています。」
ぜひ、気になる方は勝さんの『人見知りでもセレンディピティ』、チェックしてみてください。私も早速オーダーしちゃいました。
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そして、早速本題へ。今回の勝さんのテーマは、「オンラインだけで、どこまで安心して打ち解けられるか、一緒に実験してみましょう」でした。
でもそもそも、Zoom 交流会の Breakout Room で直面しがちな問題をどのように解決していけば良いのでしょうか。
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話すタイミングがむずいので、タイミングを決める。
話が長くなりがちなので、ほぼ話さない。
集中が切れがちなので、ゲーム的にする。
自己紹介めんどくさいので、もう、やりません!!
斬新で、でも考えて見れば自然な解決策ですよね。
実はこれらの解決策、「アイスブレイカー」に応用することで、より効果が発揮されるのです。
アイスブレイカーとは、「会議や講演で、参加者の緊張を解し、出席者が発言しやすい雰囲気を作り出すためのアクティビティー」のこと。例えば、簡単なクイズだったり、連想・伝言ゲームだったり。職場や学校、ワークショップや歓迎会などの冒頭に、5~10 分程度行われることが一般的です。
でもそんなアイスブレイカーでさえ、一歩間違えれば、ただの「苦の時間」になってしまいがち。
どうやったら短時間で、楽しく、皆に打ち解けてもらえるのでしょうか?
勝さんから「絶対に仲良くなれるアイスブレーカー」をいくつかご紹介いただきました。
深掘りしてはいけない、好きリレー。
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まず最初に教えていただいたのが、「好きリレー」と言うアイスブレーカー。
ルールはシンプル。
Zoom 表示名、あいうえお順で、自分の好きなものを言うだけ。
どんなに掘りたくても我慢。「それ何だろう・いいな」と思っても、リアクションのみ。
反対意見はなし。
例えば、
宇宙 → ルマンド → 静かな公園 → 鉛筆の匂い → 海外旅行 → ポメラニアン→ バイト先のスタバの奥の席→ 飲み会でお酒をこぼした時に発揮するチームワーク
という風に、本当にただただ好きなものを言うだけ。単語だけでもいいし、ポエム感があってもいいし、何の縛りもなく、自分の好きなものを共有する。
早速 Zoom Breakout Room に分かれてみんなでやってみましたが、これ、本当に楽しいんです。
みんな、5分間の Breakout Room 時間が終わると、「ちょっといい感じのスマイル」になっていました。
自分の好きなもの、共有できた!
好きなものを言っているだけなのに、なんとなく人柄が分かったのが面白かった!
好きなものを言っている時には絶対にみんな暗い顔にならないし、とっても楽しかった!
・思っていた程出てこなくて、途中、連想ゲームみたいになった!笑
・簡単にできて、全然めんどくさいことがなくて、凄く好き!
・深掘りしてはいけないルールで逆に深掘りしたくなった!
と、皆さんチャットで大絶賛していました。
自分の好きなものを無条件に誰かに共有し、また、他の人の一推しを聞くと、本当に、自然と心がスッキリしますよね。たったの5分で一気に仲良くなれる、凄い魔術。皆さんもぜひ、お試しください。
タイムリミットは5分。さあ、仲間を探そう!
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次に、共通点クイズ。
これも、ルールがとっても簡単です。
今度の順番は、都道府県の北から。
「これ、全員当てはまるんじゃないか」・もしくは「誰かこれ共感してくれる人いたら嬉しいな」と思うことをどんどん言っていく。
コメントは挟まない。掘りたくても我慢。
例えば、
冬になったらユニクロのヒートテックを着る人!
ダンスするのが好きな人!
インスタよりフェイスブックを見る人!
携帯をあまり見ないように画面を白黒にしている人!
など、手を挙げる・挙げないで「共通点」を探せるフレーズ。
これも、やっていくうちにフレーズがどんどんマニアックになってきて、とっても面白かったです。
勝さんもおっしゃっていたように、「普通だと、(時につまらない)一つの話題で5分が過ぎてしまうのが、この共通点クイズによって、いろいろな話題に触れられる」のです。一つの話題だと、ついていけない人は、なんかもうめんどくさくなったりすることも。だから、最初にいろいろな話題を出して、後でちょっと楽しい話題を広げたりできるのが、とっても良いですよね。
私の夢は、___ です!
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そして最後はやっぱり、やりたいことで締める。
ルールは、先程の「好きリレー」とほとんど一緒です。
今回の順番も都道府県の北から。
自分がやりたいことを言うだけ。
どんなに掘りたくても我慢。リアクションのみ。
反対意見はなし。
勝さん:「『同じような仲間が見つかったらいい』っていうのも、もちろんあるし、まあちょっと心理的にも楽しくなるので、さっきの簡単な「好きリレー」のやりたいことバージョンっていう感じですね。」
今回は、Breakout Room ではなく、皆一緒に挑戦してみました。
会社辞めて独立したい。
大きな家族を作りたい。
医者・研究者・宇宙飛行士になりたい。
手話通訳の資格を取ってオンラインイベントを開き、踊りまくりたい。
幸せに生きる人が増えるような活動をしていきたい。
最初はみんな「初めまして」の状態から、こんなにも打ち解けて、好きも夢も語れて。
気づけばオンラインなのに、Breakout Room がとても居心地の良い、大好きな「空間」となっていました。
勝さん:「会社とかだとやっぱり「何でも好き勝手言えるか」っていうと、ちょっとやっぱりこう、気を遣うこともあると思います。まあ友達とかね、家族はそれはそれで何でも言えるわけでもない。何でも言っていいっていう場所は結構ね、いいなあって思います。」
皆さんもぜひぜひ、勝さんのアイスブレイカーを次の Zoom に取り入れてみてはどうでしょうか?
会って話したくても、やっぱりこのご時世、オンラインになってしまうことが多い。けれど、オンラインでも、最大限楽しみたい。
私も、ずっと苦手意識を持っていた Breakout Room が、こんなにも楽しくなりうるのだと、大変感動しました。
アイスブレイクすれば、家庭・職場・社会でのいざこざ全部、何とかなるんじゃないか。
本当に、勝さんの言う通りかもしれないですよね。
執筆:【WINGSチーム】岩田 莉奈プロフィール
現在、川崎医科大学(分子遺伝医学教室)特任研究員としてギャップイヤーを満喫中。九月よりシカゴ大学の新一年生。「アメリカに住む日本人」として自分に何ができるかを日々模索中。