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「ニューコロ流 リーダー論を語ろう!」の会 レポート①
「リーダー論を語る会」2024年9月29日(日)
鎌倉で活動する学生団体ニューコロンブスの歴代メンバーで語ったリーダー論を、会話形式で文章化しました。
地域コミュニティや学生主体組織を考えるときに、読み返すと面白いかも…!
※学生団体ニューコロンブスとは?
「可能性のスタート地点」を理念に、鎌倉市を拠点としてコミュニティづくりに取り組む学生団体。高校生~大学生のメンバーが所属している。
2024年8月23日(金)「大航海時代、再び。」(以下、「大航海時代」)の上演を経て、ニューコロンブスの歴史を作ってきた四代に渡る組織のカラー、リーダーたちの個性を実感した。団体のフェーズに合わせてリーダーシップを発揮してきた幹部たちの実際を聞くために開催された。
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「リーダー論を語る会」
2024.9.29 日 14:00~16:00 inカヤック古民家
【参加者】
池田大和:3代目船長
内堀奏鈴:2代目幹部メンバー
金澤秀逸:2~3代目幹部メンバー
小林優斗:2代目幹部メンバー
長沼直志:初期メンバー、ヨリドモの中心人物
長谷井杏衣:2代目船長
平野央:2代目副船長
増田航大:初代船長
山本雄大:初代副船長
「大航海時代」の脚本であてられていた各代のキーワード
長谷井)デデン。これは私が感じていること。
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名前の下に太字で書かれているキーワードは、学生団体ニューコロンブスの4大原則。立ち上げ時より継承されており、当時の船長である増田を中心に設定された。大航海時代の劇の中では、各代にキーワードとして4大原則があてられていた。
増田世代:怒られるまでやる
長谷井世代:素直
池田世代:一期一会
菅野世代:楽しむ
長谷井)このキーワードも、「ああ、確かにな」「合ってるな」と思って、面白かったの。 キーワードの下の文章は、私からの評価です。まっすーさん(増田)がどういうリーダーかというと、“めっちゃ人から好かれる”“誰とでも仲いい”。まっすーさんがエグいなって思うのは、コミュニティが違う人たちが、まっすーさん経由で友達になっているところ。私としては、そのリーダーシップってすごいと思っています。
平野)本当に、町づくりにおいても1番大事なことです。バウンダリー性が高い。
増田)嬉しい。長谷井のところは、人の言葉を借りて「先にやって楽しんでいる」と「ウェルカムしている」。確かに。
長谷井)どっちも仲いい子に聞いているから、忖度あり。池田はまじで“パワー”。個人のエネルギーが強いし、物理的にすごい。フィジカル面で理念を体現している。菅野はバランスが取れていると思う。団体の中でも、バランサーなんだろうなっていう風に思っています。これが私から見たそれぞれのリーダー像ですが、実際に聞いてみようと思います。
初代船長・増田のリーダー論
長谷井)デデン。第1幕マツダ世代。
池田)マツダ
増田)マツダは来てない。
長谷井)はい。第1幕、増田世代。
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2020年に学生団体ニューコロンブスを設立し、地域と密接に関わりながら船長を務めた増田。本人から、リーダーとして意識していたことを語ってくれた。
増田)俺、「可能性のスタート地点」っていう理念を作ったわけじゃん。その「可能性のスタート地点」をどうしたら体現できる場所になるかなってことだけをずっと考えていた。リーダー論で言うと、俺の中では2個意識していたことがあって。1個目は、自分のやりたいことをどうしたら形にできるか。常に、どうやったら主体性を持ってやれるかとか、どういう風に組織を作ったら主体性を持てるかとか、そういうことをずっと意識していたかなって思います。もう1個は、それをやるために、話をちゃんと聞く、傾聴をする。俺の場合は、コーチングを意識していて、その人が俺に話してくれたら自分のやりたいことが分かってくるようにできたらいいなってずっと思っていた。それをできるように意識して行動はしていたし、それができるように組織図も作った。操縦室(※1)作ったりとか、プロジェクトごとにリーダーとサブリーダーと会計の役職を作って回して。それぞれが何をやるか、どんな役割を持つべきかを明確にした方が動きやすいなと思って、つくっていった感じだね。
※1 操縦室:船長や副船長が属するニューコロンブスの意思決定会議
長谷井)「自分のやりたいこと」っていうのは、メンバー皆の「自分の」っていう意味ですか。
増田)みんなの自分の。
各代 運営体制の違い
長谷井)意外とまっすーさんと似てるかも。
増田)だから、引き継いでるところはある、正直。
長谷井)長谷井が船長として考えていたことも、どうしたらみんなが自分のやりたいことをやれる環境になるのか。
池田・内堀)池田の時代は、民主主義というより、啓蒙主義くらいの政治。君主の立場はあって、強いのね。だけど、民衆の立場をないがしろにするんじゃなくて、ちゃんと教育をして、彼らにも考えてもらうんだけど、やっぱり偉いのは王様だよっていう。
長谷井)逆に言ったら、まっすーさんの時代は、民主主義にならない方が変なぐらい、近い人間関係のところが団体のメンバーだった。池田の時代の抱えてた人間の幅とは違うよね。
内堀)ちゃんと国家だったからね。村社会じゃないから。
増田)俺の時代はそう。村社会だから。まじでそうなのよ。
長沼)全員内閣みたいな。
増田)俺の時代が良かったのは、そもそも仲良いこと。仲良い人たちの集まりだったから、チームビルディングをやる必要がなかったのよね。長谷井時代は、その辺苦戦してたじゃん。誰もお互い知らないから、活動のために集まるんじゃなくて、活動と別で「ただ仲良くなるだけの会」も必要じゃないか、みたいな話を結構してたと思うよね。それが、俺らの時代は小学校、中学校ってもうそれができてたから。
長谷井)まっすーさん、その時点で、幅広い人と友達すぎませんか。
増田)腰中(鎌倉市立腰越中学校)がそもそも100人ぐらいしかいない。腰小(鎌倉市立腰越小学校)で言うと70人ぐらいかな。だから、みんな知り合いだよね。言うたら腰越は村社会なのよ。
長谷井)なるほど。まっすーさんが特別に「みんなを仲間するリーダー」だというよりは、腰越の特徴でもあるわけですね。でも、まっすーさんは0→1を作った人ですから。そういうリーダーでもある。
増田)確かにね。それで言うと、中学校ぐらいから起業したいとか、なんか自分でやりたいみたいなことはずっと言ってたかもね。
長沼)それが大事なんじゃないですか。「やりたい」って言ってるのが。
増田)それが大事だよね。言ってた。ずーっと言ってた。
「最強の右腕」の話
長谷井)なおしさん(長沼)といえば、ヨリドモ(※2)。
※2 ヨリドモ:鎌倉市市民活動センターの後援のもと活動していた、鎌倉の学生同士の横のつながりを生み出すプラットフォーム
参考:https://npo-kamakura.com/wp-content/uploads/2021/06/99.pdf
長沼)ヨリドモか。それたけっつぁん(大森剛琉※3)じゃない?たけっつぁんは、別のタイプのリーダーじゃない?
※3 大森剛琉:ニューコロンブスの初期メンバー、ヨリドモの中心人物
増田)そうだと思う。マジでたけっつぁんは、めちゃくちゃレシーブしてたよね。キャパがでかい。「これどうしようかな」ってなると、「いいよ。俺やるよ」って。なんでも、「それどうやってやるの?いいよ。やるよ。」「何それ。いいよ。やるよ。」って感じで。
一同)笑
長沼)なんでも引き受けてくれる。
増田)そうなのよ。だから成り立ってたところあるよね。
長谷井)(金澤)秀逸タイプだ!今日の主人公。
増田)秀逸が今日の主人公になる理由、分かるのよ。秀逸が主人公の理由は、「最強の右腕」。
長谷井)「団体のキーマン」であり、ムキムキの右腕。
増田)俺が思うのは、(池田)大和の時代が、1番団体として規模も拡大して、活動の幅もレベルも上がった時代で、それは間違いなく大和の行動力故のものなのよ。だから大和のリーダーシップは、ベースとしてまじエグいのよ。だけど、普通、大和のエグい行動には誰もついていけないのよ。だから、多分秀逸がいなかったら誰もついていかずに、失速してんだよ。大和だけ突っ走るみたいな感じになってる可能性もあるなっていうところを、秀逸は全部拾ったのよ。
長沼)(大森)剛琉じゃん、マジで。
増田)そう。剛琉ポジションの強化版。なぜならこっち(リーダーの池田)がやばいから。要は大和の散らかしたことを全部回収して形にして、ようやくみんながついてこれる状態にしてるっていう感じがするんだよね。
長谷井)どうして、大和の言うことなんでもできるの?
金澤)大和について行くって部分もあるんですけど、ニューコロ自体も好きだったんで、半々のモチベでやってて。大和っていうか、ヤマティーズ(※4)っていう大和が最初に集めたメンバーがいて、ある意味ニューコロが遊び場というか、ヤマティーズの集まる場所みたいな感じになっていました。それもあって、ニューコロにもついてくるって感じですかね。
※4 ヤマティーズ:池田大和が、ニューコロンブスに誘ったメンバーのメンバー内での俗称。幼馴染み同士が多い。
長谷井)意外と(池田時代も)村社会だった。
内堀)村がちゃんとしてたから、国家になれたんだ。
長谷井)そういうことだ。操縦室が村だったから、ちゃんとした国家になって。
内堀)地方に派遣されても、それが、生きてたんだね。
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