福井の観光を応援したい! その①
先日の旅行で、久々に福井を訪れました。順番は京都→金沢→福井で、3泊4日の最後の宿泊を福井市にしました。福井勤務の人がアップするSNSには、きれいな城跡のお堀が見え、風光明媚なイメージはありましたが、金沢に比べてどうも観光の解像度が低い…。というわけで、今回は福井観光の解像度を上げるべく、執筆してみたいと思います!
金沢は欧米の客がごった返す
そのまえに、金沢の話を少し。コロナ前の金沢観光のイメージはどちらかというとインバウンドよりも国内観光客でした。日本の地方部においては海外との直行便の有無がものを言いますし、小松空港は一部直行便がありましたが、あまり多くないイメージ。
それが、今回(2024年11月)は、駅前も兼六園も欧米の方々でとてもにぎわっていました。そして、兼六園から徒歩圏内の鈴木大拙館なんかは、おそらく欧米の方の比率が高そうな感じ(それだけ、海外に禅の教えを知らしめた伝道師として著名で偉大なのでしょう)。
今回、金沢で観光に携わる方とも食事をしたのですが、金沢ではイタリアからのお客様が多いそう。確かに、兼六園や21世紀美術館などアートや建築に係るコンテンツが多いのも金沢の特徴ですもんね。私も兼六園で、人生で初めて「グラッツェ!」って言われました(写真撮ってたから横切らずに待ってた時に)。
福井の観光を応援したい理由
今回、福井について書きたいと思ったのも、人がごった返す金沢に比して、福井駅前の人が少なく、福井に何とか頑張ってもらいたいと思ったためです。
例えば、観光庁の「宿泊旅行統計調査」に「延べ宿泊者数」という数値があります。これによると、2023年の国内・インバウンド含めた延べ宿泊者数について、福井県は47都道府県中42位、インバウンドに限ってみると46位でした。でも、コンテンツの豊富さからすると、きっと伸ばせる余地はあるはずです。新幹線が開通し、駅前には28階建てのマリオットも建設され、まさに観光需要はこれから伸びていってほしいと思います(それが、観光庁のいう、「訪日客の地方への誘導」にもつながると思います)。
恐竜は唯一無二の素敵なコンテンツ
マイナビニュースの調査で、福井県といえば?をランキングにしたものがありました。その結果がこちら(ちなみに、サンプルはマイナビニュース会員で、n=303)。
この中で福井らしさを一つ挙げるとすれば、私は恐竜を推したいと思います(キッパリ)!東尋坊は景勝地の一つであり、東尋坊を目的に福井まで行く人がいるかといわれるとなかなか苦しいかなと。越前ガニは間違いなく最高の食材なのだけど、加賀や山陰と比べた時の差別化要素としては心もとない…。(同様の理由で、ソースかつ丼も永平寺も一般観光客への訴求という観点から他県と差別化する要素としては少し薄い気がします)。
それに対して、恐竜は唯一無二。恐竜化石がたくさん見つかっている「日本の恐竜王国」というストーリーはもとより、恐竜をテーマにし、骨格標本が50体も飾ってある博物館の存在、そして、来年4月に開設される福井県立大学の恐竜学部と、唯一無二のコンテンツといえるのではないでしょうか。
勝山市の博物館に行く時間はなかったものの、福井駅前に何体もいる恐竜を見るだけで、「福井に来たー!」という実感が沸いたものです。
新幹線が福井まで開通したいま、首都圏・北関東・甲信越・北陸・関西まで視野に入るという立地の良さも生かせば、「夏休みの自由研究と旅行を兼ねたい家族連れ」とか、「地学分野や太古の生物に関心のある子どもを持つ家族連れ」など様々なターゲットを考えることができそうです。あとは、芦原温泉とか、いかに福井県内に宿泊を促すかだと思います。実際、福井県は夜間観光(ナイトタイムエコノミー)にも力を入れたいとしていますし。
大本山永平寺の風格
今回、18年ぶりに永平寺を訪れました。福井駅からも車で30分程度と、アクセスもそんなに大変ではありません。
実はこの永平寺、以前来た時に少し残念な思いをしたことがあります。拝観者が最初に入る吉祥閣という建物で、「納骨・供養受付」というところがあり、僧侶が座る横にレジを置いて、訪問者の精算などをしています。確かに、これだけの大きなお寺ともなると、受付で正確に記入してもらうことは必要です。だけど、厳格な修行で知られる永平寺の僧侶とレジの組み合わせがあまりに俗物的だと感じてしまいました(逆に、比較的権力寄りの臨済宗であればそこまで違和感はなかったのかも…)。
今回は「納骨・供養受付」の前を通ることを覚悟したうえで拝観しました。なるほど、杉の巨木が林立する急峻な山中に建てられたその立地、昭和の名だたる画家が参画した「絵天井の間」、修行僧は一度入ると修行を終えるまで出られない「山門」、修行の場である「僧堂」(中は見られない)、ご本尊をお祀りした「仏殿」と法要が行われる「法堂」などなど、見どころ満載です。冬はかなり雪深くなるであろう永平寺の地での修業は、我々がイメージする厳しい「禅寺」のイメージとも合致しますね(それだけに、納骨・供養受付が惜しい…)
続きはその②で
福井の観光を応援したいという気持ちで書き始めて本記事ですが、思いのほか力が入ってしまって、すでに2,000字を突破してしまいました。書きたい要素はまだまだあるので、次回に持ち越したいと思います。あと、もう一つ、越前大仏については、どうしても書きたい!福井観光、1日ちょっとしかいなかったのにまさかの3回に分けての投稿になるかもです!乞うご期待。