ボイストレーナーという職業がもつ無限の可能性
先日、4年ぶりにむかわ町のデイサービス「楽らくはうす」さんにお邪魔しました。
北海道胆振東部地震の震源地の隣町ということで、
弊社アーティストのRuneが担当するFMノースウェーブの番組で、お見舞いの慰問で訪れた時以来でした。
あの時は、地震で倒壊した家が沢山あり、地震の被害の凄さを体感しましたが、今回はかなり復旧が進んでいる様子で安心しました。
元々はこれから開始する「ゆるボイトレ」オンラインレッスンの打ち合わせでお邪魔したのですが、皆さんの熱烈なお出迎えを受け感激してしまいました。
久しぶりに再会した「楽らくはうす」の皆さん、中には90才を越える方もいらっしゃるのですが、元気ハツラツで、こちらが元気をもらえるほどでした。
毎日楽しくトレーニングしていただく為に、ゆるボイトレの「ポンポン体操」DVDをお送りしていて、画面の中の私と一緒に体操して頂いていたのですが、今回「"本物の小泉"と一緒に」ということで急遽「ポンポン体操」を一緒に皆さんと行うことになりました。
母親のためのボイトレメソッドだった「ゆるボイトレ」
ゆるボイトレは、元々は入院中だった80代の母の呼吸機能改善のために私が考案した、ボイトレメソッドでした。
手術を受ける為に入院した母ですが、入院後の検査で、通常96%ほどなければいけない血中内酸素濃度が、82%程しかなかったため手術が延期になってしまいました。
私はそれまでも老健リハビリセンターや医療施設で主に高齢者の方を対象にボイストレーニング を行い、呼吸機能改善や誤嚥性肺炎予防の効果をあげていましたので、いてもたってもいられなくなり、入院中の母の元に駆けつけ、「ゆるボイトレ」を行いました。
その結果、血中内酸素濃度は正常値に戻り無事手術を受けられることになったのです。
その事を生徒の医師の方に話すと、手術を受けたくても呼吸機能が良くなく手術を受けられない人は多くいるので、そういう方の為にも「ゆるボイトレ」をお役立てになられたら良いのでは、というお話を頂きました。
そして、その後感染症が流行してから、
ますます自由が効かない高齢者の方が増えている事を知り、数年前に「楽らくはうす」さんに、画面を見ながら気軽にトレーニングできる「ポンポン体操」のDVDを送らせて頂きました。
送らせて頂いてから数年が経つ今も「ポンポン体操」を皆さんが楽しんでやっていてくださる姿に、「ゆるボイトレ」が本当にお役に立てているんだと感動しました。
幅広く役に立てるボイストレーナーという職業
私は医者ではないので、人の命を救うことはできませんが、結果的に母親の手術が可能になるほどに血中酸素濃度を上げることに貢献できたことは、すごく嬉しかったですし、私の自信にもなりました。
ボイストレーニングは歌う人だけのものではありません。
皆さんが抱える、様々な不調に対する解決法の一端を担っている可能性すらあります。
ボイストレーナーができることは無限大である、
そう感じさせられました。
さらに、数年ぶりにお会いした「楽らくはうす」さんの皆さんの明るい笑顔に、ますます自分がボイストレーナーとしてやる事が明確になりました。
人が喜んでくれる
人が笑顔になってくれる
...そんな「仕事」ができること、そんな「仕事」に出会えたこを本当に感謝しています。
高齢者であれ、若者であれ、歌手を目指す人であれ、声優や俳優を目指す人であれ、その人のお役に立ちたいとますます強く思えるようになりました。
これからも多くの人の「笑顔」の為に頑張っていきたいと思います。
小泉 誠司