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やめたらラクに歌えた! プロのアドバイスで実感できた「やめて良かったボイトレあるある」3選 【2.目をつむって歌う】
前回の続きです。まだ1を読んでいない方、忘れてしまった方はこちら↓
目をつむって歌う
カラオケでも目をつむって歌う人を多く見かけます。
目をつむると集中力が増す、歌詞の世界観が広がる…などメリットを感じる人も少なくないと思います。
しかし、目を閉じた状態で歌うことはデメリットの方が大きいのです。
なぜなら、目を閉じた状態は、目を開けた状態よりも空気を取り込みにくい状態と言えるからです。
詳しく説明していきましょう。
声の動力源は肺にある空気です。
声帯を震わせるための空気が多ければ多いほど、力まずに通る声を出すことが可能になります。
なので、多くの空気が肺にあった方が良いのですが、元々肺には空気がないので「息を吸って」体外から取り込まなければいけません。
この時の呼吸法としては、喉の渇きを防ぐ、雑菌の体内への流入を防ぐ…などのメリットがある「鼻呼吸」をお勧めしています。
つまり「鼻呼吸がしやすい=声が出やすくなる」ということが言えるのです。
では、鼻呼吸と目をつむることが、どんな関係が?と思われると思いますが、
実は大きな関係があります。
実験してみましょう
「目をつむった状態」と「目を大きく見開いた状態」で、どちらが鼻呼吸しやすいか比較してみてください。
どうですか?
・目をつむる → 鼻呼吸しにくい
・目を開ける → 鼻呼吸しやすい
と思います。
大きく目を見開いた方が、鼻呼吸がしやすいので、肺に送られる空気の量も増え、声帯もよく震えるようになるので、声も出やすくなるのです。
・目をつむって「アー」と発声
・目を大きく見開いて「アー」と発声
と比較してみてみると違いがわかるはずです。
目をつむって歌うことのデメリットはまだあります。
目を見開いた状態では鼻腔が広がるので、息が吸いやすくなる「体内への入口」としてのメリットが生まれますが、声が出る時すなわち「体外への出口」としても大きなメリットをもたらしてくれます。
目を閉じた時のより鼻腔が広がるため、鼻腔の中でより大きな響きを作り出してくれるのです。
いわゆる「共鳴」を得られる、声楽等でよく言われる「頭のてっぺんから声が出る」という成果を生み出してくれるのです。
目は大きく開けて歌ってみましょう。
その方が「見た目」も良いはずです。
小泉 誠司