『TOKYOアースダイバー - 土地を読み、現代を読む、いま求められる時間旅行 - 』
-coming soon-
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《要旨》
◯コンピューターには「泥」が必要なのだ
◯歴史を見直す必要がある
◯日本人の「どんな文化でも受け入れられる」というポテンシャル
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「東京の裏庭を掘れば5000年前の土器がすぐ出てくるよ」
現代のコンピューターが、理性的な唯一神の文明のもとに生まれたのは偶然ではない。
コンピューターの、明確な2進数で表される世界において、彼らの文明にその適性があったためである。
そして、歴史上の「9.11」とは、他を許容し得ない画一的な一神教と、それに対をなして発展した資本主義というシステムへの、イスラム世界による強烈なカウンターであった。
ここで、現代という時代の転換点にあって、私たちはいま一度視野を広げなければならない。
それは、私たち日本人のルーツについてである。
コンピューターをかたちづくる半導体に用いられる「シリコン」。
その素材には、地球の土壌を構成する天然資源としてのケイ石が必要である。
「理性の世界」の根幹に「自然界」の物質が必要なのは偶然ではない。
西欧が理性的である一方、日本人のルーツはそのような、極めて縄文的で自然的な物質の一つの「泥」にあった。
泥はどろどろとして形態の定まらない不確かなものであり、それを練り上げ、ひとつの形になったのが、私たち日本人である。
ひどく不格好で湿った感覚的な流体であり、生き物として時に矛盾した感情の齟齬、瑕疵、卑しさを孕む。
そして、その複雑な感情のファサードが身体の外へと滲み出るかたちで意思決定として発露される。
大変生物的で、縄文的である。
だからこそ、日本人はさまざまな文化を許容し得るキャパシティを持っている。
この特性は、現代を生きる上で不可欠である。
マンガ、アニメ、ロボットといった文化は、もともと「受け入れる」素養が高い日本において発展してきたのだ。
今だからこそ、私たちは土地の記憶を読む旅を通じて、その「意味」を学ぶ必要がある。
東京時間旅行を敢行しよう。
(参照: 中沢新一『アースダイバー』)