観劇はじめはライブハウスで
あけましておめでとうございます。
この時期は全自動餅つき機の動画を見るのが大好きなスタッフのきしみです。2022年も読者のみなさまが楽しい1年を過ごせるよう、スタッフ一同盛り上げてまいります!
さて、みなさまはもう今年の観劇はじめはされたでしょうか?
私の観劇はじめはこちらになりそうです・・・!
『アルトゥロ・ウイの興隆』
2020年1月にKAAT神奈川芸術劇場で白井晃さん演出のもと、初めて上演されたこの舞台。満を持して2021年11月から今年1月にかけて神奈川・京都・東京の各地で再演することに。
実は私、既に2021年11月に再演ツアースタート地点のKAAT神奈川芸術劇場で観劇していまして・・・。2020年初演の当時とは異なる観劇スタイルであるにも関わらず、初演以上の盛り上がりで圧倒された3時間でした。
動画を観るとわかるかと思いますが、「赤」で統一されたこの世界観がかっこよくてたまりません。
チラシはKAAT神奈川芸術劇場公式サイトからご覧いただけます。
是非初演verと今回の再演verで見比べてみてください・・・!
『アルトゥロ・ウイの興隆』とは、ヒトラー率いるナチスが台頭しドイツ政権を握る過程をとあるシカゴのギャング一団になぞらえて展開する音楽劇です。
そのギャング団のボス、アルトゥロ・ウイを演じるのは草彅剛さん。ボスを取り巻く役者さんたちも粒ぞろいで舞台から一瞬たりとも目を離せません。さらにファンクバンド・オーサカ=モノレールによる生演奏は迫力満点。
そのなかでもこの作品の一番の魅力は客席ごと飲み込まれていく熱狂・・・でしょうか。
あらゆる手を使い、民衆からの絶大な支持を勝ち取って権力の頂点へと上り詰めていくギャング団。アルトゥロ・ウイと彼の取り巻きによる煽動の力は徐々に増し、いつの間にか客席も彼のパフォーマンスに拍手を送ってしまいます。
煽動による熱狂で観客である自分も民衆として取り込まれていく感覚を体験できるのがこの作品ならではと私は思っています。
演じる草彅剛さん自身にも絶対的なスター性があり、「沢山の人を魅了する」という点はこのアルトゥロ・ウイ自身と共通しているのかもしれません。
しかし、これまでの公演以上に楽しみで興奮を抑えきれないのは現在上演中の東京公演なんです。
2021年11月神奈川から始まったツアーの大千穐楽を迎える東京公演の劇場は豊洲PIT。
劇場・・・?
いいえ、ライブハウスです。
そう。他の公演とは違い、今回の東京公演の面白いところは「ライブハウス」での上演なんです!!!
勿論ライブハウスで演劇が上演されることはたまにあります。
ただここのところ赤坂BLITZやZepp Tokyo、STUDIO COASTなどが閉館していく中、こういった機会って実は貴重なのではないでしょうか?
「日常を離れ、舞台と客席(フロア)で同じ空間を共有する」といった点は劇場もライブハウスも同じ。
とは言えど、どちらにもかけがえのない良さがありますよね。
劇場では客席にゆったり座って作品と向かい合える味わい深さ。
ライブハウスでは音楽に身体を委ねてつい跳ねたり手を叩きたくなる衝動。
それぞれの空間の良さは言っても言い尽くせないですが、
劇場の醍醐味とライブハウスの醍醐味。
それが交差する地点がこの『アルトゥロ・ウイの興隆』かもしれません。
そして煽動による熱狂がテーマの一つであるこの舞台。
やはり劇場にはない、ライブハウスならではの「熱狂」が生まれるのではないでしょうか。
そんなわけで私の観劇はじめは興奮を抑えきれない観劇で新しい1年が始まりそうです。
みなさまもわくわくがつまった観劇はじめが体験できますように!
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