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【劇場めし 第25回】下北沢のたこせん

「劇場周辺の、おすすめのご飯屋さんをご紹介!」する、このコーナー。今回は下北沢を散策しながら「ここは紹介したい!」と思いつつ、保留にしてきたお店を紹介します。都内でも小劇場の多い地域として知られる下北沢。過去にはこれらの記事も。

最初に「なぜ記事化を保留にしてきたのか?」についてお話します。理由は単純で、土日のみ営業のお店だから。初めて来店したのは、どうやら土日だったようで、次に訪れた際はシャッターが閉まっており「土日のみ営業」を知らせる張り紙が。残念な気持ちを抱えつつ、次の機会を狙っていました。

それ以降、土日に下北沢で仕事があり、かつ来店する時間のあるタイミングをうかがっていましたが、下北へ行くことがあっても、平日だったり、直行直帰だったり、なかなか機会に恵まれないなか……、ようやく営業時間内に訪ねることができました!

そのお店がこちら。下北沢たこ焼き研究所。テイクアウト店ですが、店頭のベンチに座って食べることもできます。たこ焼きをはじめ各種メニューがありますが、僕のおすすめはたこ焼きをえびせんで挟んだたこせん。クレープに似た形状ですし、両手で持って、かぶりつきましょう。

えびせんには厚みがあり、しっかり味がついているので食べ応えがあります。ザクザク食感が口の中で楽しい。たこ焼きはふんわりと焼かれ、ふわふわ&しっとり食感。この、えびせんとたこ焼きの異なる食感のコントラストがとても心地よいのです。似たもの同士のハーモニーではなく、個性VS個性の二重奏。更に、えびせんは冷たく(というか常温)、たこ焼きはアツアツなので、温度のコントラストも楽しめます。一口食べた瞬間に「これは面白いぞ!」と感じました。

ソース、マヨネーズ、そしてえびせんの味が絡み合い、濃厚な主張を感じとれます。たこせんの大きさ以上に、食後の満足感が大きい。これでたこ焼き2個入りが180円(3個入りは230円)というお値打ち価格。頭の中に「大人の駄菓子」というフレーズが浮かびましたが、180円なら子どものお財布でも射程範囲内と言えるでしょう。

ミカン下北の紹介記事にも書きましたが、いま下北沢の街並みは大きく変わろうとしています。ただし、昔の下北を感じさせる名店が数多く残っていることも事実。古きと新しきが混在する現在の下北沢は、以前に増して散策が楽しい街とも言えます。今度の週末は、週末限定のたこせんをお供に、下北散策に出掛けてみませんか?(もちろん観劇前後のおやつにもピッタリ!)

文:園田喬し(演劇ライター・編集者・『BITE』編集長)

下北沢たこ焼き研究所
世田谷区北沢3-34-2


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