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丘田ミイ子の【ここでしか書けない、演劇のお話】⑪ 若手へズーム!Uチケット公演&U25カンパニーの魅力を語らせて!

私の故郷の方言(滋賀弁)には「難しい」=「むっかい」、「疲れた」=「せんどした」とか色々あるんですけど、同じ形容詞を繰り返すことによる強調も特徴の一つなんです。「あっつあっつい」はまさにその典型。ということで、毎日ほんまにあっつあっついですね!さすがにこの記事を炎天下の中読んでいる人はいないだろうとは思いつつ、とにかく暑いので早速本題に入りたいと思います!(笑)

8月上演の演劇もまた、あっつあっついライナップ!しかしながらチケット代に頭を悩ませているのもまた事実。今も決して楽ではないですが、大学生の頃やライターになりたての頃はとくにお金の捻出に苦労をしたものです。
というわけで、今月はそんなお財布事情にコミットする「U-18/U-25/U-30/学割チケット」を扱う8月上演の公演をドーンとご紹介。なるべく様々な作品・団体との出会いに繋がるよう、今月は「文字数少なめ、情報多め」をモットーにいきますので観劇ツールとしてガシガシお役立ていただけたら…!公演情報だけでなく、U-25の劇団やユニットもご紹介しますのでもちろん30歳以上の方もお楽しみ下さい〜!

8月上演のU割引チケット取り扱い公演をピックアップ!

※売り切れている可能性もありますので、詳しくは公式情報をご参照下さい。
※当日は学生証や年齢の確認できる書類の持参をお忘れなく!

・ミュージカル『ビリー・エリオット』~リトル・ダンサー~ 東京公演
7/27(土)~10/26(土)@東京建物Brillia HALL
学生:平日7500円/土日祝8000円
※対象公演あり
※事前予約のみ受付

・『彼方からのうた -SONG FROM FAR AWAY-』
8/2(金)〜8/13(火)@吉祥寺シアター
学生:4000円 

・せたがやアートファーム2024音楽劇『空中ブランコのりのキキ』
8/6(火)〜8/18(日)@世田谷パブリックシアター
U-18:無料
※各回100名限定、先着順
(世田谷パブリックシアターチケットセンターおよびオンラインチケットで要予約)

・レティクル座の〝サ劇〟『真・バトルサウナー城崎』
8/7(水)〜8/12(月)@王子小劇場
U-25:2500円
高校生以下:無料
(ちなみにサウナ劇につき、なんとアウフギーサーも無料!)

・劇団アンパサンド『歩かなくても棒に当たる』
8/7(水)〜8/11(日)@新宿シアタートップス
U-25:3500円(初日割:3300円)

・Mrs.fictions『ミセスフィクションズのファッションウィーク』
8/8(木)〜8/12(月祝)@下北沢駅前劇場
高校生以下: 500円(前売)/1000円(当日)

・『ガチゲキ!!復活前年祭』
8/8(木)〜8/18(日)@アトリエ春風舎
U-22(前売):3000円

・芸劇dance 中村蓉ダブルビル『邦子狂詩曲 クニコラプソディー』
8/9 (金) ~8/12(月祝)@東京芸術劇場 シアターウエスト
U-25:2500円 
高校生以下:1000円

・あやめ十八番『雑種 小夜の月』
8/10(土)〜8/18(日)@座・高円寺1
学生:2500円 
高校生以下:無料

・紀伊國屋ホール開場60周年記念公演KOKAMI@network vol.20『朝日のような夕日をつれて2024』
8/11(日)〜9/1(日)@紀伊國屋ホール
U-25:4800円

・劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演いのうえ歌舞伎『バサラオ』東京公演
8/12(月祝)〜9/26(木)@明治座
U-25:2500円

・ハイバイ『ワレワレのモロモロ 札幌東京編 2024』
8/8(木)~8/11(日)@ジョブキタ北八劇場
8/14(水)〜8/18(日)@ザ・スズナリ
U-20:3000円 
U-30:4000円

・風雷紡『ゴシック』
8/14(水)〜8/18(日)@小劇場 楽園
学生:2000円

・たすいち『言わない言葉の踊りかた』
8/14(水)〜8/18(日)@小劇場 B1F
U-25:3500円 
U-18:3000円

・シソンヌライブ[treize]
8/15(木)〜9/1(日)@下北沢 本多劇場
8/18(日)の中高生限定公演:1000円

・東京演劇倶楽部『 ・ 』(スポット)
8/16(金)〜8/20(火)@新宿シアタートップス
U-25:3000円

・アマヤドリ『牢獄の森』『うれしい悲鳴』
8/17(土)~8/26(月)@吉祥寺シアター
U-25:3200円(前売)/3400円(当日)
高校生以下: 1000円(前売)/1200円(当日)

・大森カンパニープロデュース『更地20』
8/20(火)~9/1(日)@ザ・スズナリ
U-25:3500円(前売)/3800円(当日)

・TeXi's『ファジー』「ours」
8/21(水)〜8/25(日)@STスポット
U-30:3300円
U-18:500円

・PRAY▶ vol.4 × 篠井英介『天守物語』
8/22(木)〜8/27(火)@東京芸術劇場 シアターウエスト
U-25:3500円

・はんなりラヂオプロデュースその13『はんなり☆夏語り~想~』
8/23(金)〜8/25(日)@赤坂RED/THEATER
学生・養成所生割 (枚数限定):3900円

・ロロ『劇と短歌「飽きてから」』
8/23(水)~9/1(日)@ユーロライブ
U-25:3500円
U-18:無料(枚数限定)

・劇団銅鑼『星を追う人 コメットハンター』
8/28(水)~9/1(日)@シアターグリーン BOX in BOX THEATER
U-30:3500円

・WHO'S TERRACE ✕ BOO WHO WOOL『終わらない歌』
8/28(水)~9/1(日)@ワテラスコモンホール
高校生以下:1500円

・劇団スポーツ #11「徒」
8/28(水)~9/1(日)@小劇場 楽園
U-30:3500円(前売)/3800円(当日)
U-18:1000円

・アップスシアター『みんなのうた!』
8/28(水)~9/1(日)@新宿村LIVE
U-18:4000円

・ジュニアファイブ『世界、』
8/28(水)~9/3(火)@ウエストエンドスタジオ
U-25:2500円
高校生以下:1000円

・イエローヘルメッツ『シンベリン』東京公演
8/28(水)~9/1(日)@すみだパークシアター倉
高校・大学・養成所割:3000円
小中学生:2500円

・ゴツプロ!Presents 青春の会 第六回公演『大洗にも星はふるなり』
8/28(水)~9/8(日) @「劇」小劇場
U-25:3500円

・西瓜糖 第11回公演『かえる』
8/28(水)~9/3(火)@ザ・ポケット
U25:3500円

・演劇ユニット イマにヒとコへ(え)第五創作『ねえ、あのさ、』
8/29(木)〜9/1(日)@王子小劇場
U-22:3500円 
U-18:1000円

・ピンク・リバティ『みわこまとめ』
8/29(木)~9/8(日)@浅草九劇
U-25:3500円

・ペテカン『タコパ!』
8/30(金)~9/1(日)@上野ストアハウス
U-25:2800円(前売)/3300円(当日)

・かるがも団地『三ノ輪の三姉妹』
8/31(土)~9/8(日)@三鷹芸術文化センター 星のホール
学生:2000円 
高校生以下:1000円

個性溢れるU-25のカンパニーにも期待!

優しい劇団

前半は8月上演のU割引や学割チケットをご紹介してきましたが、ここからはつくり手側にフォーカスして、おおよそ25歳以下の気になるカンパニーをピックアップしていきたいと思います!

・劇団さいおうば
「やさしい劇で、むずかしい話をしたい。」をコンセプトに発足した劇団で、作・演出を手がける寺腰玄さんが主宰を務める。ホームページによると現在のメンバーは4人。全国学生演劇祭2024では観劇賞を受賞。8/13〜8/15まで北池袋新生館シアターにて、名前のない演劇祭白参加作品 『変人、苦心、献身。』 を上演予定。

・劇団イン・ノート
明治大学在学中にメンバー二人により旗揚げ。第7回全国学生演劇祭 大賞・観客賞・審査員優秀賞を受賞。さらに昨年の関西演劇祭ではメンバーの芝原れいちさんが演出賞、石川なつ美さんがアクター賞を受賞。現在は東京を拠点に5人で活動中。8/16〜8/18まで駅前劇場にて『海賊の時間 2024版』を上演予定。

・ポケット企画
2018年11月から「ポケットに入れて持ち運べる演劇」をテーマに札幌を拠点に活動。三瓶竜大さんのソロユニットから2021年に団体化。昨年まで学生劇団として活動し、今年からは社会人劇団へ。北海道の歴史と自身の創作や現在地を同じ地平で見つめた『さるヒト、いるヒト、くる』でCoRich舞台芸術まつり!2024春制作賞を受賞。生活支援型文化施設コンカリーニョで開催される西区文化フェスタ2024に9/14(土)に参加。Pocket to Pocket vol.3 岸田國士まつり! 『屋上庭園』『紙風船』『ある親子の問答』を上演予定。

・優しい劇団
作・演出を手がける尾崎優人さんを中心に1999 年生まれの同級生で旗揚げ。メンバーの平均年齢は23歳。「俳優の特権的な肉体とかつて見た風景の視覚的リメイク」をテーマに名古屋を拠点にしつつ、都内でも精力的に活動中。旗揚げ公演は唐十郎の『少女仮面』。野外劇に発揮される超自家発電型のエネルギッシュな公演スタイルが話題に。8/3(土)に大恋愛 Volume3『まちあわせ島のとおい耳打ち〜月光小路で思い出ダンス〜』が高円寺K'sスタジオ本館にて上演予定。

・ザジ・ズー
多摩美術大学美術学部演劇舞踊デザイン学科出身のメンバーを中心に結成。「離合集散繰り返し、やりたいことだけで集まったり集まらなかったりしている動物たち。享楽的な、瞬間的な、演劇的な、集団」と自らを定義する通り、個性溢れるメンバーが織りなす独特の劇世界と五感を刺激する型破りな上演が魅力。今年の11月〜12月に東京・横浜の全7会場で演劇公演を予定。

・ド・パールシム
2023年に東京大学で旗揚げされた、脚本家・演出家の新井孔央さんと俳優・草加陽子さんによる演劇ユニット。「人間の逃れられない自意識と、最低で切実な性愛を緻密な会話だけで描く」というモットーに違わず、静かな攻防が行間に忍ばされた会話劇に作劇の力を感じる団体。今年は12月にOFF・OFFシアターにて『斜陽族』を上演予定。

・南極ゴジラ
関西発の演劇をポップカルチャーに押し上げるべく旗揚げされた“ゆかいな劇団”。平均年齢は26歳ですが、最年少メンバーの端栞里さんは現在22歳(CoRich舞台芸術まつり!2024春で演技賞受賞!)。キービジュアルから上演に至るまで端々に光るデザイン力、メンバー一人ひとりの誰にも似ていない個性が圧倒的。9月19日よりすみだパークシアター倉にて新作『バード・バーダー・バーデスト』を上演予定。

・う潮
ハイバイ作家部にも所属するながおあいりさんが慶應義塾大学法学部に在学中の2023年に発足した演劇ユニット。目指しているのは「思い出や日常の中に埋もれている人と人との交わりを拾い上げ、 ざわざわと感情に波を立てるような演劇作品」。9/27よりスタジオ空洞にて第二回公演『疾走』を上演予定。

・キルハトッテ
2001年生まれの劇作家・演出家の山本真生さんと2000年生まれの俳優の吉沢菜央さんによって構成される団体。佐藤佐吉賞2022にて優秀演出賞、助演俳優賞受賞。「あるかもしれない"きっと"を切って貼ってコラージュする」をキャッチコピーに活動中。9月に開催される豊岡演劇祭2024ではフリンジショーケースで『のび〜る旅館』を上演予定。

・ロマングラス
劇作・演出・プロデュースを担う髙山拓海さんが日本大学在学中に立ち上げた演劇創作団体。メンバー3人の平均年齢は25歳。「耽美的なまでの悲劇」をモットーに掲げ、物語性を実直に突き詰めた作劇と豊かな空間づくりで魅了する。佐藤佐吉賞2023にて、優秀演出賞・優秀音響賞 (髙山拓海)、優秀助演俳優賞 (斎藤大學)を受賞。8/16(金) に中板橋新生館スタジオにて、名前のない演劇祭参加作品『タナトスの捌き』『また、Kと会えたら』を上演予定。

・1999会
俳優の谷川清夏さんが主宰を務め、文字通り1999年生まれの俳優が集うカンパニー。「私は何者か?」ではなく「私たちは何者か?」と問うてみたい、という思いから、同じ時代を生きてきた表現者が個々の魅力や個性を寄せ合い「通底する何か」を感じながら一つの演劇作品と向き合う。2023年にオノマリコフェス参加企画のリーディング公演 『解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』を上演。

・劇団身体ゲンゴロウ
東京藝術大学で出会ったメンバーを中心に2019年に結成。主宰を菅井啓汰さんが、代表・プロデューサーを山﨑紗羅さんが務める。過去の出来事や現在起きていることへの真摯なリサーチを重ね、時代や場所を越えた普遍的な人の営みを浮かび上がらせる作劇が特徴。今年は5月に北千住BUoYにて、『最初の二十面相』をリベンジ上演。

・人間の条件
2019年に主宰で作・演出を手がけるZRさんが東京大学在学中に立ち上げた演劇団体。メンバーの村井萌さんが23歳、野田帰里さんが24歳。「それなしには人間が生きていくことのできないもの」をコンセプトに、切実なドラマと俳優の身体性を重んじた作劇で魅了する。9/25より中野テルプシコールにて、津久井やまゆり園事件を題材にした新作『The HumanCondition』を上演予定。

Uチケット取り扱い公演とU-25カンパニーをご紹介した今月号、いかがでしたか?気になる公演、団体は見つかりましたか?
今回、Uチケットを取り扱う公演をピックアップするにあたっては、U25世代向けへの舞台芸術情報を発信する「ユニコ・プロジェクト」に協力していただきました。
もちろん、ここで言及した以外にも、Uチケットに力を入れた公演や気鋭の若手団体が多くあることと思います。おそらく、私自身も後々「あの団体もそうだった!」と思い出したり、「こんな公演もあったんだ!」と見つけたり、気づきや発見を繰り返していく気がしています。
舞台芸術全体を見渡すと、私一人が綴る情報はいつだって本当にごく一部。だからこそ、この特集を元に「この団体も面白いよ!」、「こんな公演もありますよ!」など皆さんの声もnoteやXのコメントにどしどしお寄せいただけたらと思います。劇場に足を運ぶたびに若手の力を強く、大きく感じる今日この頃、私は今、演劇の未来がとても楽しみです!それでは、25歳以下も、25歳以上もみなさん、あっつあっつい夏もどうかHave a nice theater!!

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
丘田ミイ子/2011年よりファッション誌にてライター活動をスタート。『Zipper』、『リンネル』、『Lala begin』などのファッション誌で主にカルチャーページを担当した後、出産を経た2014年より演劇の取材を本格始動。近年は『演劇最強論-ing』内レビュー連載<先月の一本>の更新を機に劇評も執筆。主な寄稿媒体は各劇団HPをはじめ、『SPICE』、『ローチケ演劇宣言!』、演劇批評誌『紙背』など。また、小説やエッセイの寄稿も行い、直近の掲載作に私小説『茶碗一杯の嘘』(『USO vol.2』収録)、エッセイ『母と雀』(文芸思潮第16回エッセイ賞優秀賞受賞作)などがある。2023年、2024年とCoRich舞台芸術!まつり審査員を務める。

X(Twitter):https://twitter.com/miikixnecomi
note:https://note.com/miicookada_miiki/n/n22179937c627


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