【劇場めし 第27回】錦糸町の「立ち呑み 粋」
「劇場周辺の、おすすめのご飯屋さんをご紹介！」する、このコーナー。今回は特別版です。お店はJR錦糸町駅より徒歩1分の居酒屋「立ち呑み 粋」。僕の場合、すみだパークシアター倉（そう）へ行く際に錦糸町駅を利用します。魅惑的な飲食店を横目に見ながら、東京スカイツリーが見えてきたらゴール近し！ というルート。紹介したいお店が多く悩ましい地域ですが、以前の記事ではご当地バームクーヘンを紹介しました。
はじめにこの特別版の趣旨をご説明しましょう。今秋、すみだパークシアター倉へ複数回行く仕事があり、劇場めしの取材を兼ねて散策してみると、個人的に、ものすごく、本当にものすごく、お気に入りの居酒屋さんと出会いました。これはぜひ紹介しよう！ と思いつつ、一方で「…ここはお酒好きの中年男性（僕）には素晴らしい店だけど、第三者の意見も聞いてみたい」と考えました。そこで、おちらしさんWEBの運営元であるネビュラエンタープライズと相談し、頼もしい助っ人を2名もお迎えしました。連載以来、初のゲスト回です！おちらしさんスタッフの吉澤さんとしみちゃん。お二人とも快く参加してくれて、更にお酒も好きだとか（良かった）。ということで、いざ「粋」へ向かいましょう。
この店は「立ち呑み」と言いつつ座って飲めます。無事テーブルにつき、まずは飲み物を。吉澤さんは角ハイボール、しみちゃんはゆずみつサワー、僕は白のホッピーフルセットをオーダー。ホッピーフルセットとはお代わり焼酎と氷がセットになっている、飲む人と店員さんが共にwin-winになれる理想的セット。では、とりあえず乾杯！！ ……あ〜〜〜、うまい。目の前の吉澤さんとしみちゃんも美味しそうに飲むなぁ。これはもう、今日は勝ちだな、うん。
おつまみを頼みましょう。日替わりおすすめの並ぶ黒板メニューを3人で見つめます。こちらのお店、料理の味とコスパがとてもよく、どれを頼んでも、美味しい、安い、感泣！ の大合唱。僕が大食い選手ならメニュー制覇に挑むでしょう。とはいえ、僕は大食い選手ではなく、ゲストの女性2名も明らかに少食。3人で話し合い「食べたいものを1品ずつ注文して、それを繰り返しましょう」という作戦に。
もうね、テキストで説明する必要ないかもしれませんが……、とても美味しいんです。コスパ最高なのです。結果、お酒が進むのです。もし僕1人だったら調子に乗って泥酔していたでしょう。それでも3人で数杯ずつお代わりして、楽しい酒席を満喫しました。「今日食べた料理のマイベストを決めましょう」と振ると、吉澤さんは鶏ささみのなめろう、しみちゃんは豚モツ煮込みをチョイス。ちなみに僕は、揚げたてで提供されたマイタケ天でしょうか。嗚呼、原稿を書きながら思い出す度に行きたくなる。それが粋です。
店員さんに会計をお願いして、3人で「いくら位だと思います？」「6000円程度なら安いですね」と話していると……、なんと5400円でした。割り勘で1人1800円。素晴らしいコスパです。ここでゲストのお2人から今日の感想をお聞きしました。
吉澤「会社が亀戸なので錦糸町にはよく行くのですが、普段何気なく通りかかっていたお店がこんなに素敵なところだったなんて！最初に頼んだ鳥ささみのなめろうは、お酒のおつまみとして優秀すぎて無限に食べられそうでした。驚くほど安いのに、一品一品しっかり美味しく満足感があって、これはリピート確定です。駅前すぐなので観劇終わりにサクッと立ち寄れるのも嬉しい！」
しみちゃん「立ち飲み屋さんがこんなにも美味しくて、楽しい場所とは知りませんでした！もう既にまた行きたいです！私はお酒をものすごく飲むわけではないのですが、おつまみが大好きなので（笑）メニューが幅広くてどれもお安いので気ままに注文できるのも良いですよね。大好きなもつ煮が美味しくて……！ボリュームのあるお鍋でも500円代なんて、そんなお店は他にないんじゃないでしょうか！？今度はお魚も食べたいですね。」
美味しくてコスパの良い「立ち呑み 粋」ですが、僕のおすすめしたいポイントがもうひとつあります。それは、入店のしやすさ、店内の居心地の良さ。多くの人がお酒を楽しむ人気店なので、賑やかなのは当然として、その上で、入口を開けやすい雰囲気があり、店内でも快適に過ごせます。1人席、カウンター、テーブルなど、シーンに合わせた飲み方もでき、使い勝手がとても良いのです。店員さんの対応も気持ち良く、心から「通いたい！！」と思わせてくれる居酒屋と出会えました。錦糸町でお芝居を観た帰り道、ぜひ足を伸ばしてみて下さい。
文：園田喬し（演劇ライター・編集者・『BITE』編集長）
立ち呑み 粋
墨田区錦糸4-1-8
TEL:050-5570-0606
いいなと思ったら応援しよう！
