【劇場めし 第40回】王子の洋食店「ゴリノス」
「劇場周辺の、おすすめのご飯屋さんをご紹介!」する、このコーナー。今回は王子駅周辺です。これまで二度記事を書いている王子ですが、偶然二軒ともうどん屋さんを紹介しているため、この日はうどん以外、麺類以外を想定していました。筆者がよく行く劇場は、王子小劇場、北とぴあ、等々。
それらの劇場へ行くには、王子駅の北側方面へ歩くこととなり、やや行動範囲が固定化されてきます。今回選んだのは、王子駅の南側方面、飛鳥山公園近くの洋食店「ゴリノス」です。
店頭に到着し、何より目を引くのが手書きのおすすめメニュー各種。シーフードグラタンに自家製ビーフカレー、ハンバーグステーキにタンシチュー。どれも気になりすぎる! 値段もお値打ち価格で、これは入店前から迷うやつ…。告白すると、ネットでメニューを調べた時はカツカレーを注文しようと考えていました。が…、迷う。どうしよう…!?
そうするうちに、ふと「本日のサービスランチ」に目がいきます。そうだ、日替わりという手があるじゃないか! 何なに…、ランチは、豚ロース生姜焼と茄子焼。これは珍しい組み合わせ、すごく惹かれる…。よし、決めた!
席に着きランチを注文。しばらくしてやってきたのがこちら。
ご飯、お味噌汁、そして、サラダやナポリタンが乗るワンプレートが楽しい。早速いただきます!
豚ロース生姜焼は柔らかく、肉に厚みがあるので食べ応えがあります。生姜の香りが食欲をそそり、でも味付けは濃すぎない。豚の生姜焼は、よく「がっつりご飯のお供」として重宝するけれど、それよりも上品な印象。茄子焼もふっくら優しい。食べる前は珍しいと思いましたが、これ、どちらも生姜が活きる組み合わせなのかも!?
お味噌汁は、人参、大根、わかめ、豆腐、ごぼう等々と具沢山。キャベツの千切りやナポリタンも付け合わせとして嬉しい。こういう昭和のナポリタンを久しぶりに食べました。懐かしさもあり、味覚と舌が小躍りするランチタイム。
肉と野菜をバランスよく食べられて税込720円は魅力的。純喫茶を思い起こさせるレトロな店内も落ち着きます。そう言えば、若い頃に王子小劇場で観劇した際、よく立ち寄ったお店も純喫茶風の内装でした。あの店は10年以上前に閉店しており、王子でこの雰囲気に浸るのは久しぶりだなぁ。
カフェのランチでも、チェーン店の定食でもない、街の洋食店のサービスランチ、しっかり堪能しました。気になるメニューがありすぎるので、またリピートさせてください。劇場から少し離れて、王子の奥深さを知った1日でした。桜の名所として名高い飛鳥山公園も素敵ですし、ぜひ王子駅の南側方面にも足を伸ばしてみて下さい。
文:園田喬し(演劇ライター・編集者・『BITE』編集長)
ゴリノス
東京都北区滝野川2-2-1
TEL:03-3949-3859