2021年のNo.1チラシが決定!!おちらしさんアワード2021~美術版~
こんにちは。おちらしさんスタッフのしみちゃんです!今回は舞台版に引き続き、「おちらしさんアワード2021」美術版の結果を発表いたします!!
発表の前に、おちらしさんからのお知らせです。本日2月4日(金)〜2月10日(木)の1週間にて、「#おちらしさんで発見」ウィークを行っています! 期間中にハッシュタグをつけてSNSに投稿してくださった方へのプレゼントキャンペーンの他、おちらしさんWEB記事に美術関連の記事が毎日アップされるなどアート一色な1週間です。ぜひこちらの詳細をご覧ください!
さて、本題に戻りましょう。まずは「おちらしさんアワード」とは……。おちらしさんで届いた、もしくは劇場・美術館などで配られていたチラシの中からお気に入りの1枚を募集し、 年間大賞を決める企画です。2021年版は、12月1日~1月17日までWEB投票にて募集をしておりました。
投票してくださった皆さま、本当にありがとうございました! 舞台版の結果は、一足先にこちらの記事でご紹介しています。美術版と見比べてもお楽しみいただけるはずです!
それでは、大変お待たせいたしました! おちらしさんアワード初の美術版。記念すべきランクインしたチラシの数々。観客の皆さま、展示主催の皆さまからいただいた熱いコメントをどうぞお楽しみください……!
第1位
「ドレスデン国立古典絵画館所蔵
フェルメールと17世紀オランダ絵画展」
第1位に選ばれましたのは、「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」です!
こちらのチラシは、実際に展示を前にしているような臨場感が味わえる点が特徴。フェルメールの作品「窓辺で手紙を読む女」が大きく載っていますが、「“本当”の姿は隠されていた。」とあるチラシの上部をめくるとなんと、元の絵には存在しなかったキューピッドが現れます!!
塗りつぶすことで消されていた部分を修復し、これまで知られていたのとは別の姿で公開される……。展示の目玉である作品の見どころがチラシの「折り」で表現された素晴らしい1枚です!
「1日も早く現物が見たくなる」「修復前と後の仕掛けがすばらしかった!」といったコメントをたくさんの方からいただきました。「折り」という紙の特性が発揮されたチラシからは、展示の魅力が立体となって迫り出てくるよう。まもなく開催される日が待ち望まれるばかりですね!!
展覧会主催者の方 よりコメント
第2位
「上野リチ:
ウィーンからきたデザイン・ファンタジー」
第2位に選ばれましたのは、「上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー」です。
こちらのチラシは触った瞬間、あることに気が付きます。そう、とんでもなく柔らかい!! ふんわりと手に馴染む質感に、作品の持つ風合いや豊かさが伝わってくるようです。
そして様々に配置された作品にも目が奪われるばかり。チラシの4つの面すべてに作品が並ぶこと、なんと10点! 「色彩が大変綺麗で、作品のレイアウトが素晴らしい」「しばらく目が離せませんでした」というお声にもあるように、惹き付けられた人を決して離さないときめきが感じられます。
ちなみに上野リチさんご本人のお写真そばに見える2作品は、日生劇場旧レストラン「アクトレス」の壁画デザインだそうです。舞台がお好きな方もぜひご注目を!
池田祐子 さん よりコメント
(京都国立近代美術館学芸課長・本展ご担当者)
第3位
生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」
第3位に選ばれましたのは、生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」です。
こちらのチラシも、まず気になるのは紙質。表は少し引っ掛かりがあり、裏はツルツルと指が滑る……そう、和紙のようになんとも風情を感じる特別な質感です。「薄く柔らかい手触りが好きです」「ワクワクするような印象を受けました」というコメントもいただいています。
紙質の特徴だけにとどまらないのが、デザインのインパクトでしょう! 葛飾北斎の作品『北斎漫画』や『踊独稽古』から引用された絵がこれでもかと並びます。背景の踊りの振り付けを見ていると、なんだかこちらまで愉快な気持ちになってくるようです。
名前の通り、展示もチラシも「北斎づくし」!! お腹いっぱいに楽しめるであろう様子がデザインからも伝わってきます。
祖父江慎 さん よりコメント(アートディレクター)
第4位
「没後50年 鏑木清方展」
第4位に選ばれましたのは、「没後50年 鏑木清方展」です。
一目で「美しい……」と感嘆したくなるこちら。「何と艶ぽいチラシ!」とのお声もいただきましたが、私も初めて見たときからとても好きな1枚です。
まず大きく映るのは、鏑木清方の代表作「築地明石町」。長きにわたり所在不明だった作品だそうですから、チラシの段階でじっくりと味わえてしまうその贅沢さにもくらっとしてしまいます。
唇を彩る紅の淡さ、額の生え際のまろやかさ、そしてうなじの白さ。日本的な美人画の真骨頂を、何気ない日常の一コマで表せるなんて。まさにキャッチコピーの「なんでもない一瞬が、なによりも美しい。」が効いた、王道で真っ向勝負なデザインにあっぱれです!
シルシ さんよりコメント(デザイン会社)
第5位
「クリスチャン・マークレー
トランスレーティング[翻訳する]」
続いて第5位には、2つのチラシがランクインしました! 1つ目に選ばれましたのは、「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」です。
こちらも「鏑木清方展」に続き、チラシの正面をドドンと飾る作品に目が奪われる1枚。しかも、タイトルが描かれている部分を開くと、なんとコラージュ作品のみが真っ白なカンバスに浮かんでいるように見えるんです!! これは「すごいインパクト!!」というコメントが集まったのも納得できます。
チラシである分、近くに顔を寄せて目を凝らすことができますから、コラージュされたひとつひとつのパーツもなぞって確かめたり、貼り付けられた順番を数えたり。そんなこともできてしまう楽しさまで味わえちゃうんです。
ちなみに面白いチラシは、裏面への期待も裏切りません。上下にひっくり返すと、日本語での詳細と英語での詳細それぞれが入れ替わるように読むことができます。抜け目のない素晴らしさです!
米山菜津子 さん よりコメント(デザイナー)
第5位
特別展「国宝 聖林寺十一面観音
- 三輪山信仰のみほとけ」
第5位に選ばれた2つ目のご紹介は、特別展「国宝 聖林寺十一面観音 - 三輪山信仰のみほとけ」です。
静かで厳かな雰囲気が漂い、手にしただけでも背筋が伸びてしまうようなオーラを持つこちらのチラシ。
コメントでも「黒いバックに佇む凛とした御姿のヴィジュアル!」「厳しさや力強さを感じる御像をそのままを写し取ったよう」といったお声をいただきました!
展示の目玉「聖林寺十一面観音」がすっくと鎮座する美しい姿は、私たちの心を浄化するよう。そして、この澄んだ空気をぴしゃりと保ち、一つも濁さないデザインにも目を見張ります。
調和のとれたバランスで、展示作品そのものに触れているような味わいが心に残る1枚です。
展覧会ご担当者の方 よりコメント
第7位
「ボストン美術館展 芸術×力」
第7位に選ばれましたのは、「ボストン美術館展 芸術×力」です。
こちらのチラシは、まず投票の際に寄せられたコメントからご紹介しましょう。
そう、お帰りなさい!! そしてお待ちしていました!! 2020年に新型コロナウイルス感染症の影響で中止となった展示がついに今年開催されるとのことで、寄せられたお声から感じる熱さもひとしお。なんだかチラシに触れただけで既にウルッときてしまいますね。
気合いが入っているのは、私たち鑑賞者側だけではありません。表面の「平治物語絵巻」から伝わってくる力強さ! 仕掛けになっている窓からは「孔雀」が覗くユーモア! 開催までの期待が一気に高まるような、「芸術×力」の展示タイトルにふさわしいチラシです。
展覧会を担当される学芸員の方 よりコメント
第8位
「ゴッホ展──響きあう魂
ヘレーネとフィンセント」
第8位も同率で2つのチラシをご紹介します。1つ目にランクインしましたのは、「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」です。
全面に配されたゴッホの絵から、作品の中の世界に入り込んでしまいそうなチラシデザイン。寒色が基調なのにもかかわらず、チラシ全体からなぜかホッとするような温かさや懐かしさを感じるのは、山吹色で印象的にデザインされたタイトルのおかげでしょうか?
コメントでも「タイトル文字色と文字背景の配色のバランスが良い」というお声をいただいています。深い青と山吹色、補色によって包まれるような雰囲気が作られているんですね!
チラシデザインを通じて間近に作品を観られるからこそ、ゴッホの一筆一筆に込められた繊細な優しさもより魅力的に伝わってくるようです。
展覧会を担当された学芸員の方 よりコメント
第8位
「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―」
第8位の2つ目、そして最後のご紹介となるのは、「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―」です。
上杉謙信と武田信玄の一騎打ちの様子が、豪快に迫り出してくるようなこちらのチラシ。3位の「北斎づくし」に続き、2度目の葛飾北斎作品が登場しましたが、それぞれの醸し出す雰囲気の違いが面白いところです。先ほどの「北斎づくし」で印象に残る軽やかさに比べると、こちらはずっしりとした力強さを感じますね!
「北斎で日本史」のタイトルデザインも、直線的な題字からどこか教科書のような雰囲気が伝わってきます。個人的には高校時代に楽しかった日本史の授業が浮かぶようです。
それもそのはず、こちらの企画は北斎の作品から日本の歴史を学ぼうというもの! 「『あの人をどう描いたか』『なにかしら学べる日本の歴史』というキャッチコピーに惹かれた」というお声もいただきました。学ぶこと、知ることの楽しさが、この1枚からも広がっていきそうですね!!
溝端貢 さん よりコメント
(株式会社 ikaruga. アートディレクター・デザイナー)
以上8位まで、チラシ9点をご紹介しました! 初となる美術版の結果発表は、いかがでしたでしょうか? 舞台版と美術版の両方が開催できたことで、それぞれの面白さを比べるとても素敵な機会に恵まれたと感じています。
鮮やかな視点のコメントと共にお気に入りチラシへ投票してくださった皆さま、掲載・コメント紹介にあたりご協力くださった展示主催団体の皆様、本当にありがとうございました! 開催中・これから開催予定の展示も多数ご紹介しましたので、ぜひ実際に足を運んでみてください! そして、「#おちらしさんで発見」ウィークのキャンペーンも開催中です。気になるチラシに出会った際には、ハッシュタグつきでのSNSへの投稿もお待ちしています。
ここまでにご紹介しましたチラシ以外にも、投票の際にはたくさんの展示チラシのお名前を挙げていただきました。お写真やコメントつきでご紹介することは叶いませんが、投票のあったすべてのチラシのお名前をご紹介します! 1枚1枚、デザインを思い出しながらご覧ください!
「おちらしさんアワード2021」美術版
全チラシご紹介
以上をもちまして、「おちらしさんアワード2021」美術版の結果発表といたします。最後までお読みいただきありがとうございました! おちらしさんアワードは舞台版も開催しております。美術のチラシとは、また違った魅力をお楽しみください!!
チラシ宅配サービス「おちらしさん」では、舞台公演のチラシや美術展のチラシを無料でご自宅にお届けいたします。現在の総会員数は、約1万名。ぜひチラシの面白さ、そして劇場や展示に足を運ぶ楽しさを体感してください!