【劇場めし 第30回】三鷹「うしとら食堂」の和定食【閉店】
「劇場周辺の、おすすめのご飯屋さんをご紹介!」する、このコーナー。今回は前回記事に続いて三鷹駅周辺をチョイス。と言うのも、前回のテキストで三鷹のうしとら食堂に少し触れ、「紹介は機を改めて!」と締めたので、間隔を空けず書いてみようと。三鷹市芸術文化センター、SCOOLなどの劇場情報は下記をご参照下さい。
うしとら食堂は、以前このコラムで紹介したデイリーズカフェが営業内容を変更しリニューアルオープンした食事処。立地も旧店舗と同じなのでアクセスも分かり易く、JR三鷹駅南口より中央通りを真っ直ぐ進み徒歩10分程度。
店頭に置かれた看板によると、昼はセルフサービス形式による定食がメイン、夜はテーブルオーダー形式で食事やお酒が楽しめるとか。カフェ営業もあるそうです。
店内に入ります。内装はデイリーズカフェと異なるものの、あの落ち着いた雰囲気は健在。ソファ席は少なくなりましたが、来店人数によって使い分けができそうな空間です。各テーブルの間隔も広く、圧迫感が少ないのも好印象。
この日は昼公演の観劇後に訪れた為、残念ながらランチは終了。好きな小鉢を組み合わせるセルフサービススタイルなので、その日の舌や体調に合わせた自由度の高い定食が楽しめそう。夜の定食はメインとお米を選び、そこに小鉢などが付きます。
メインを選びましょう。本日は油淋鶏 or サバの塩焼き。ううむ、悩む…。油淋鶏は前々回の記事で紹介したこともあり、今日はサバを選択。お米は玄米にしました。年齢を考慮して普通盛りで良かったのに、またしても「大盛無料」の四文字に敗北。いつかこの四文字の誘惑に抗える日は来るのでしょうか…?
定食がやってきました。わー! この写真だと分かりにくいかもしれませんが、お茶碗の中身はがっつり大盛です。看板に偽りなし。大盛正義。嬉しい。感謝。
小鉢は2種。かぼちゃのマッシュサラダ、大根とツナの炒めもの。サバの塩焼きには大根おろしが添えられ、味付け海苔の存在が心強い。更にごま塩まで完備。これだけ飯の友が揃えば大盛とて恐るるに足らず。早速いただきます!
小鉢はどちらも優しいお味。かぼちゃのクリーミーな甘味、大根&ツナのさっぱり後味。玄米との相性もバッチリです。お椀は白菜の中華スープ。フワフワ食感のひき肉が食欲をそそります。この椀の中に癒しの世界が構築されている。汁物って本当にいいなぁ。
サバもしっかり美味しい。これまた玄米と相性良し。今日は和食の気分だったので、この定食はジャストフィット。色々な味を少しずつ楽しみながら食べ進む大盛玄米の、なんと満足感のあることか。
しっかり完食して、会計時に店員さんと少し立ち話。以前と異なるお店だけれど、やはりデイリーズカフェの面影も感じます。素敵空間はそのままに、文字通り「カフェ」から「食堂」へ生まれ変わったと言えるでしょう。家庭的な味でありながら、どこかよそ行きの美味しいごはん。次はランチで小鉢を選びたい。……目移りして絶対迷っちゃうだろうけど。
文:園田喬し(演劇ライター・編集者・『BITE』編集長)
うしとら食堂
東京都三鷹市下連雀4-15-33 2F
TEL:0422-40-6766