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夏休みの宿題は冬休みにやったもん~給付金を受け取らなかった者たち~

ガソリンも食材も電気も高すぎる!
かといって給料上がらねえ!!

というわけで給料のことはもうあきらめて、
転職先探しとブログをすすめている。

ここで私の(哀しい)お金の話をしよう。

  • 30歳・貯金10万円

  • 借金250万(奨学金)、資産なし

  • 手取り21万 ボーナスなし

以上である。
ちなみに去年まで車やゲーミングPCのローンなどがあった。
去年二つのローンが終わって、
やっと月1万程度の貯金ができるようになった。

くだらない会社員生活に飽きたので、
「2年後には借金返済して田舎に移住して好きなことする」
と決めたのが1年前。
そのための第一歩はこうやって記事を書くこっちゃ。

車とゲーミングPCのローンが重なっていた1年前までは、
月に5万引き落とされていた(奨学金+車+PC)。
あの頃は電気・ガス・水道代も払えず、よく止まっていた。

雪がちらつく真冬に電気が使えず凍えていたことや、
うどんとコーンフレークばかり食べて、
1カ月で5kg痩せたこともあった。
そんな2年前、特別定額給付金で1人10万配られた。
みなさまは一体何に使っただろうか。

私は、もしもらえていたら借金返済ではなく
たぶんピアノ音源とか買ってたんだと思う。

でも私は、給付金の10万円、もらえませんでした。

私の10万円は、日本政府の闇の中に消え去った。

ちなみに総務省のデータによると、
10万の給付金の給付率は99.7%。


出典 : 総務省 「特別定額給付金の給付金額の推移」


つまり給付金を受け取らなかったのは
日本国民の0.3%ということだ。

一体どんな人が受け取っていないのだろうか?
仮説として考えたのは大きく3つである。

①経済的に裕福で10万なんて気にしてない人
②ホームレスなどで居住が安定しておらず、連絡すら受けられない人
③申請ができなかった(海外短期滞在で手続き不可、
 サポートする人がいない単身高齢者、申請期限切れなど)

これらを細かく調べていこう。

調査を進めると、
給料が1500万以上の給与所得者の割合が
0.7%
ということがわかった。
ちなみに給与所得者の全体数は5200万人である。
(出典:国税庁 令和2年分 民間給与実態統計調査
以上を踏まえて整理すると、以下のようになる。

給付金を受けとらなかったのは何者か season1



※計算式
国民の0.3%は 1億2500万×0.003=37万人
年収1500万以上の給与所得者は 5200万×0.007=36万人

ここから導き出される答えは、
給付金を受け取らなかった人は、
大体は年収1500万以上あって裕福な人じゃね?

ってことです。

さらには厚労省の調査によると、
給付金が配布された令和2年時点でのホームレス数は3992名。
約4000名といえよう。
(出典:厚労省 ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)結果について

ここまでくると、いよいよドキドキしてきた。
何にドキドキしてるかって?
とりあえず、計算を続けよう。
給付金10万円を受け取らなかった層の中に、
ホームレス数4000人を足す。

給付金を受け取らなかったのは何者か season2


年収1500万以上の人間が全員給付金を
受け取らなかったと仮定すると、
6000人、奇特な人間が出てくる。
その人間とは、
①給付金10万円を受け取らず、
②給与所得が1500万以上でもなく、
③ホームレスでもない人間である。


最後に、この6000人のうち、
仮説段階にて事例として挙げていた
申請が難しい海外短期滞在者、高齢者などが
半分程度だと仮定しよう。

そうすると、残りが3000人である。
この日本国内に3000人、何の理由もなく給付金の10万円を
受け取らなかった人間が抽出された。

日本の中に4万人に1人、そんな人間がいる。

これは偏見にすぎない。
ここまで散々総務省だの厚労省だの国税庁だの
公式データを基に分析したのに、
最後は偏見だ。

たぶん、この3000人は、
提出期限を守れない、先延ばし症候群の方たちではないだろうか。

4万人に1人のあなた、友達になろう。
でもビジネスパートナーは控えさせていただく。


少しだけ私の話をしよう―


「明日やろう明日やろう」

小学校時代からの口癖を吐きながら、
令和2年8月下旬、ついにゴミ屋敷から
給付金申請書を探し出し、記入しようとする。

すると、締め切りを過ぎてしまっている。
私の心に黒い風が吹いた。
そして給付金申請書が届いてからの数カ月間の
走馬灯をみた。途中パソコンが壊れたが修理代がなく、珍しく小説をたくさん読んだ日々。あのとき、どうして私は申請書を書かなかったのか。申請さえしていれば違う未来があったのに。

まずは市役所に電話してみる。
「どうしようもないです」

次に、総務省に電話。
「どうしようもないです」
「ああ、そうですか、わかりました。
ありがとうございました。」


夏が終わった。
見えないものを見ようとして、
過ぎ去ったものを手に入れようとしていた。

暑いから、電気代は払おう。
水風呂でいけるから、ガス代を滞納しよう。
止まるのもやむを得ない。

同僚「めりこま君、給付金申請した?」
わたし「もらいましたよ!ギリギリで申請しましたw
借金返済で消えちゃいましたけどね」

くだらない話題を作りたくなくて、
家族や同僚には言えなかった。
どうしてこんな嘘をつかなきゃならないんだろう。
いったい私が何をしたというのか。
いや、何もしていない。
何もしてないから10万円もらえなかったんだ。

ただいつまでも10万のことを思ってもしょうがない。
今更どうしたって何も変わらないんだから、
いつも通り好きな歌を口ずさんで生きていけば
きっと良いことがあるに違いない。

「明日があるさ、明日がある」

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めり込まざる者
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