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公立小学校ではなく、私立小学校に通う子が増えている意味

小学校でお受験をされる方が増えていると聞きますが、どれくらい増えているのか、実際にデータで見てみたいと思います。

文部科学省が、1955年から継続的に国立、私立、公立の学校や児童数を把握しているので、そのデータを参考にしました。


学校数


1995年から2021年まで、国立小学生の数は微減しているものの、ほぼ横ばいです。

一方、大きく変化しているのが、私立小学校と公立小学校です。

文部科学省データを元に集計
※国立・私立を1軸(左の軸)、公立を2軸(右の軸)でグラフ化

私立小学校は2000年度から2015年度にかけて増加しており、その後も微増しています。


逆に、公立小学校は、計測した66年間で減少傾向にあります。

つまり、私立小学校が新しく増えているのに対して、公立小学校は廃校や統合などで減っているのです。


児童数


一番気になるのが、児童数です。

多くのご家庭は、お子様をどの小学校に通わせているのでしょうか。

文部科学省データを元に集計
※国立・私立を1軸(左の軸)、公立を2軸(右の軸)でグラフ化

増加しているのが、私立小学校です。

継続して伸び続けており、多くのご家庭が、私立小学校に通わせるようになっていることがわかります。

特に、少子化が進み、子どもの数が減っている中で、私立に通う児童数が増加しているということは、それだけ私立小学校に通わせたいと考えるご家族が増えていると言えるでしょう。

逆に、大きく児童数が減っているのが公立小学校です。

私立小学校に行くお子様が増えた分、公立小学校が減っているという構図と見て取れます。

国立小学校は、緩やかに減少していますね。


学年別 児童数


学年別の児童数も見てみます。

国立、私立、公立小学校、どちらも1-6年生まで、同じような人数比率ではありますが、よく見ると、公立小学校は、低学年の比率が減っており、逆に私立は低学年の比率が高まっています。

文部科学省データを元に集計
※2021年の児童数でデータ化

新しく入ってくる児童は、私立を選択する傾向が高まっているため、低学年の人数が増えていると言えるでしょう。

徐々に減っていく公立、徐々に増えていく私立は、高齢化が進む日本、若年化が進むインドのような構図に近いですね。


児童 男女比


児童の男女比も見てみます。

男子、女子、どちらが私立に通っているのでしょうか。

文部科学省データを元に集計
※2021年の児童数でデータ化

国立小学校は、男女ほぼ同程度ですが、公立小学校と私立小学校が異なりますね。

私立小学校は、男子よりも女子の方が多いことがわかります。

一方で、公立小学校は男子の方が多い。

これは、私立小学校には女子校が多いことも起因しているでしょう。

たしかに、私たちの周りのご家族を見ても、女子を私立小学校から入れておいて、男子は公立小学校に通わせ、その後男子のみ私立中学校のお受験をされる方が多いようにも感じます。


教員数


最後に、教員数を見てみます。

児童では、1995年から2021年にかけて大きな変化がありましたが、先生の数はどのように変化しているでしょうか。

文部科学省データを元に集計
※国立・私立を1軸(左の軸)、公立を2軸(右の軸)でグラフ化

私立小学校、公立小学校の教員数は、児童数のグラフに近いですね。

増え続ける私立小学校の数、更に児童数にあわせて、小学校の教員数も増え続けています。

逆に減少傾向にある公立小学校、国立小学校では、教員数の数も同じく減少傾向にあります。

長い目でみると、子どもの数が減る中で、子どもにお金をかけて、私立小学校に通われるご家庭が更に増えていくでしょう。

分散してお金をかけるよりも、少ない子どもにお金を集中させ、良い学校、良い教育を目指すと。


特に、今は関東エリアのお受験熱が過熱していますが、今後それ以外のエリアでも一層過熱していくかもしれませんね。

もちろん、公立小学校を否定しているわけではありません。

エリアによっては、私立の学校よりも教育レベルが高く、イベントの多い公立小学校も多いことは理解しています。

ただ、私立小学校で一定数の学費をかけてでも、質の高い授業、質の高い教員を期待して、通いたいと考える方が増えていると言えるのではないでしょうか。

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