人生初の「ひとりディズニー」体験記
コロナ禍の影響もあり、昨今話題にあがる「ひとり○○」。
皆さんはどこまでいけますか?
ひとりランチ。ひとりカフェ。ひとりカラオケ。
ひとり焼肉。ひとり居酒屋。ひとりショッピング。
ひとり映画。ひとり旅。ライブひとり参戦(単番)。
「一人でランチは行けるけど、一人でラーメン屋は無理かも。」
「一人で映画へ行くのはたまにアリかな。集中できるし。」
数ある「ひとり○○」の中でも、「これはいけるけどこれは無理かも…」といったそれぞれの基準があるのではないでしょうか。
私はもともと一人でどこかへ出かけたり、ご飯を食べに行ったりすることが好きでした。もちろん、家族や友人などと一緒に行くのも楽しいですが、自分のペースで、ひたすら自分と向き合っていられる時間がなんとも居心地の良いものです。
しかしながら、そんな「ひとり○○」好きの私にも、「これはさすがにちょっとハードル高いかも…」と思っていたものがありました。
それが、「ひとりディズニー」です。
私はディズニーの映画やキャラクターは好きですが、ただ見たことがあるというだけで知識は全くありません。しかし一度、自分のペースで誰にも左右されず、行きたいところに行く―そんな贅沢なひと時を、ディズニーリゾートで過ごしてみたい。こうした漠然とした思いは以前からありました。
ただ、やっぱりパークやキャラクター、ストーリーに関する知識もありませんし、一人で行っても十分楽しめるのか?というのが不安でした。
自分がDオタなら、そんなこと言ってられない!行く!という決断に至れると思うのですが、、
また、やっぱりどうしても「周りにどう思われているか」が心配になっちゃいました。Dオタでもない一般人が、素敵なパークの中をうろうろしてて「こいつなんや?」と思われるんじゃないかと…
しかしながら、つい先日就職活動が終わった私は心が荒み切っていたのもあり、どこか夢のような空間で現実逃避したいという欲でいっぱいになっていました。
「もう、周りの人は自分のディズニーライフを楽しむのに夢中だろうし、私のことなんか見ていない!ディズニーのキャストさんなら一人の私も受け入れて、楽しませてくれるに違いない!!」
このポジティブ精神?とキャストさんへの圧倒的信頼のもと、私はパークに行く前日(当日)の夜中2時に、東京ディズニーシーのチケットを購入したのでした。
舞浜駅到着、夢のような時間のはじまり
わくわくと緊張に押しつぶされそうになりながら、京葉線に乗って舞浜駅に到着しました。
平日にも関わらず、駅にはキャラクターたちのトートバッグやカチューシャを身に着けた人々でにぎやかに。ちょうど新しいグッズの発売日だったからか、パーク周辺のお店にも人だかりができていました。
だんだん緊張もほぐれ、周りの空気感の高まりから私のテンションも地味に上がっていたころ、リゾートラインに乗ってシーまで行くことにしました。
しかしそこで、車内を見渡すと(キャストさんっぽい方以外は)みんな連れがいました。家族や友人、恋人と楽しそうに話しながらパークへ向かう人々を見て、「私浮いてない?」と少しだけ不安になりました。
しかし、そんな不安はゲートに到着するや否や消え去りました。
キャストさんが「行ってらっしゃい!」と言いながら笑顔で送り出してくださり、アクアスフィアが見えたころには、「わあ…」という感嘆がひとりでにあふれ出ていました。
40周年の飾りで彩られた街を抜けると、巨大なプロメテウス火山。
「私はここまで就活頑張って、一人で夢の国まで来られたんだ」
なぜか誇らしい気持ちでいっぱいになり、涙が出そうになりました(末期)。
そこからは、カチューシャこそまだハードルが高かったのですが、
一人でいろいろ満喫しました。
ジャンボリミッキーを横目に話題のチュロスを食べたり、
それぞれ40分ほど並んでダッフィーとシェリーメイのグリーティングに参加したり、
シングルライダーのおかげで、秒でインディージョーンズに乗れたりと非常に充実した時間を過ごすことができました。
アトラクションの中でも、ソアリンとシンドバッドは乗ったのが2回目でしたが、初めて乗ったかのような感動に包まれ涙腺が緩みました。
作品についてやパークの背景に関する知識がない一般人でも、ここまで楽しめて感動できるディズニーはやっぱり本当にすごいです。
昨年大学の同期ともシーに行くことができ、その時もとっても楽しかったですが、一人で行くと感動に浸れる時間も長く、また違った楽しみ方ができて良いものだなと感じました。
こうして充実した時間を過ごせたわけですが、その中でもずっと心に残っている出来事(ショー)が2つあったので、最後にその2つについてお話ししたいと思います。
「日常」への希望を見出せた「ビッグバンドビート」
前日(当日)にパークへ行くことを決めた私は、予定など立てているはずもなく、行き当たりばったりな感じで回っていました。
そのためディズニーに行き慣れている人には信じられないぐらい遠回りをしながら移動していたことと思います。笑
そのせいもあって、当日どのようなショーが行われているのか、それを見るためにどのような準備が必要なのかは全く知りませんでした。
そのなかでも、なんとな~く人気のショーとかアトラクションはアプリからエントリーが必要なのかなという思いもあり、行けるかわからないけれども「ビッグバンドビート」にエントリーしてみました。
もともとドルオタで、バンドもやってるグループが好きだったこともあり音楽メインのショーは絶対楽しいだろうなという思いがありました。
無事夕方の回にみられることが決まり、公演時間に合わせてパークを回ることにしました。
さて、いよいよ入場時間となり、少し緊張しながら会場に入りました。
ドルオタをやっていた私ですが、最近チケットがなかなか取れず(6月9日に某グループの2nd魂のチケットが取れず落ち込んでいました笑)、ショーなどのエンターテインメントに実際の場所で触れるというのが久しぶりだったのです。
ショーが始まった瞬間、ミッキーをはじめとするキャラクターがとってもかわいらしい衣装を身に着けてバチボコに踊り出し、歌い、演奏し、圧倒されました。ダンサーさん達の統率のとれた動きに感動しました。
終盤の「シング・シング・シング」では会場が一体となり手拍子をし、ミッキーが豪快にドラムをたたく。終演後は会場全体から拍手と感動のため息。
何とも感動的な時間で、ここでもなぜか涙が止まりませんでした。
総じてショーを見て感じたのは、「エンターテインメントってこういうことなんだな。少しずつコロナ前の世界が戻ってきているのかな。嬉しい!」ということでした。
ちょうどコロナ禍に突入する2020年に大学へ入学し、ライブに行けてもまだ声出し禁止という世界で生きてきた私にとって、何とも言えない感動・安心感に包まれた数十分でした。
ダンス、歌、演奏。エンターテインメントの基本が詰め込まれた「ビッグバンドビート」。これが見れただけでも、本当に価値のあるひとりディズニーだったと思います。
複数人と一緒にみても絶対に楽しいけれど、ショーをひとりで見て、自分の感情に没頭できた。こんなに贅沢な時間って他にあるのだろうか?という気持ちになりました。
あるキャストさんとの出会い
前述の「ビッグバンドビート」を見るころにはすっかり日が沈み、
なんやかんや言いながらたくさん歩いて、待ち時間もたち続けていた私は少し疲労がたまっていました。
友人と来ていたならもう少しアトラクションに乗ってから帰ろうかなと思っていたでしょうが、せっかく一人なんだし駅がこまないうちに帰ろうと決めていました。
帰り際に、ドリームガーランドのステッカーをいただこうと、あるキャストさんに話しかけました。
夜のショーまでまだ数時間ありましたが、皆さん場所取りをしていたようで、その管理をしていた方だったようです。
ステッカーにメッセージをいただきながらそのキャストさんとお話をしていると、こんな会話になりました(ニュアンスです)。
帰ろうと思っていましたが、キャストさんの一押しもあり、せっかくならとショーを見て帰ることにしました。
今思えば、あの時引き留めてくださった(?)キャストさんに心から感謝申し上げたいです。
社会人になっても夢を追い続けると決めた「ビリーヴ!」
そしてついに、夜のショー「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」が始まりました。
思えば、ここまで大々的な水上ショーを見たのは10年ぶりぐらいでした。以前見た時も遠目からざっくり見ただけだったので、ここまで集中してみたのは初めてかもしれません。
さまざまなキャラクターがきれいな映像・フロートとともに登場し、胸が高鳴りました。映画のストーリーとリンクしている箇所もたくさんあり見ごたえがあったのと同時に、華やかな演出が相まって非常に感動的でした。
その中でも最も胸がうたれたのは、「夢があきらめられてしまうシーン」。特にモアナとマウイの掛け合いのところで号泣しました。
というのも、私自身つい先日就職活動を終えたばかりではありますが、
就活中に何度も周りと比べたり、自分の凡人さを痛感したりして、
自分のやりたいことが分からなくなり病みまくっていました。
本当は自分がやりたいことはこれのはず、なのに周りの優秀な同期と比べては、自分の夢や目標はちっぽけだし、自分の生きている価値なんてないんじゃないか。就職先が決まった後も、そう思ってしまっていました。
しかし、数々の願い星たちがあきらめず夢をかなえて行って、
自分なりの生き方・幸せと向き合っていく姿がショーの中で見られ、
「自分も夢をかなえに行って良いんだ」と思えるようになりました。
" every wish deserves a dream "
ショー中の音楽にあるこの歌詞に、特にグッときました。
誰もが持っている、どの願いであっても、夢に値する。
信じ続けて良い。信じ続ければ叶う。
私が持っている目標や夢は、たとえちっぽけであっても、
私が20年ちょい生きてきた中で少しずつ形成されてきたものであり、
誇りをもって叶えに行って良いのだと思いました。
ショーが終わり、テーマ曲が流れるパークで、一人大泣きしながら街を眺め、散歩しました。
一人だからこそ、ショーや自分の人生に集中し、感動に浸れる。
一人だと寂しいとか、孤独とか、そういった言葉が浮かぶかもしれませんが、あの時の私に「孤独」という感覚は全くありませんでした。
顔は泣いていただろうけれど、希望と少しの野望に満ち溢れた、晴れ晴れとした感情で帰路についていたことと思います。
「ビリーヴ!」で締めたこの「ひとりディズニー」。
私にとって、20年間ちょいを振り返り、社会人になってからの新たな希望を抱くための大切な一日でした。
また今度、何かを頑張った時とか、元気をもらいたいときに訪れたいと思います。
あの日、素敵な思い出をくれた東京ディズニーシー、キャラクター達、キャストさん、ありがとうございました!