日記「オタク、全身脱毛」
ムダ毛、ムダだな……。そう思った。
私はムダ毛が嫌いなタイプのオタクである。
男性のすね毛や胸毛の描写はなるべく避けたいなんなら髭もちょっとキツい。女キャラのムダ毛描写は苦しいし、AVとかエロ同人誌とかでいわゆる「パイパン」じゃない女体をぶつけられると、その時点で一回ジャッジが入る。
もちろんそういう毛のことを愛している人もいると思うのでムダ毛描写が廃れればいいのにとは一切思わないが、ただ住む場所が違うなとは思う。
そういうオタクなので、自分自身に存在しているムダ毛に関しても厳しい目線を向けていた。人間って服着るようになってからもう2000年以上経ってるんじゃないの?無毛への進化の兆しがなくない?いや髪とかまつ毛とか鼻毛とか、あとはまあ陰毛とかは分かるよ。脇毛?脇毛ってなに?脇に毛が生えていることによって私の肩と腕は何から守られているの?緊急時は伸びて刃物を止めてくれたりするの?腕も脚もそうだよ、熊くらい生えてるなら分かるけど冬の空き地程度の体毛でなに守るの?もっと気合い入れて人体のこと守りにこないの?
科学が進歩して脱毛技術が発達した現在、もはや私と体毛に分かり合える道なし、ということで医療脱毛をした。今回はそういうノートです。
さて、今の書き出しだとまるで今まで一回も脱毛してこなかったみたいに思えるが、実際のところ私は4年くらい前に5回くらい医療脱毛の施術を受けている。
都度払いの病院だったため最初に一括で払っちゃったし行かないとな、みたいな心理的なアレが無かったので4年も遠ざかっていたのだが、一応5回くらい受けている。
そうして5回医療脱毛を受けていた身から言わせてもらうが、5回ペカペカ照らされたくらいじゃ、無毛には、ならん。そりゃそうだ、人類にはもう万年単位で体毛生えてるんだから、レーザーランプ5回点滅ごときでは「やや薄い……?」くらいの効果しか得られない。吉田美和も首を傾げるレベル。
一般的に、完全に処理がいらないツルツルの状態になるには10回程度の施術を見込んでおく必要があるらしい。なので私はこの度追加で5回のペカペカを照射されることにした。5+5によって0を目指す。
ここで脱毛の施術を受けたことがない人のためにざっくり説明するが、脱毛のレーザーというのは黒色に反応する。ざっくり言うと、剃毛後の肌に残る毛根の色に反応するわけである。だから施術を受ける前日の夜に、全身のムダ毛を全て剃っておく必要がある。
全身のムダ毛を、全て剃っておく必要がある。
全身。
このノートの一番最初を思い出してほしいが、私は女体の陰毛のことがはっきり言って嫌いである。いらなくない?なんか不衛生に見えるし、狙いも定めづらいのでは?なんの狙いかは伏せますけど……。
そうして私は今回の医療脱毛のコースで「全身+顔+VIO」を選択していた。VIOってどこか分かりますか?分からなかったら調べてくださいね。
まあつまり、そういうことだった。自力で頑張るしかない。こんなもの同居人に頼むわけないし。ちなみに施術を受ける際に剃り残しがあると、剃毛料金として1,100円がかかってしまう。しかもこの額は1パーツであり、VIOは厳密には「Vゾーン+Iゾーン+Oゾーン」の3パーツから構成されているので、ここで気合入れないと3,300円を支払ってあらぬところを剃ってもらう、特殊な風俗店みたいになる。自力で頑張るしかない……。
流石にオタクがめちゃくちゃ頑張って惨めなポーズになりながら七転八倒していたターンの詳細な話は避けるが、全てが終わった後の感想は「見通しがいいな……」だったということだけはここに記しておく。あとカミソリに関しては使用後に予備の刃に付け替えましたからね。これを読んでいるであろう同居人、安心してくださいよ。
医療脱毛当日。いそいそと病院を訪れると、笑顔の看護師さんに速やかに部屋まで通されて脱衣を迫られる。もちろんガウンというかポンチョというか、そういうものは渡してもらえるのだが、それがガーゼでできた丈の短い茶色いうっすい布だったので、保育園の学芸会の衣装の方がまだ心強いよ、という心境になる。まあその上からタオルかけられるので、みすぼらしい変態が拷問を受けるシーンみたいな絵面はギリギリ回避できていたと思う。
肝心の施術については、元々毛が薄いところに関しては全く痛くはない。ただ、脱毛の機械がなんというか……皮膚を吸引しながらレーザーを当てる、みたいなタイプの機器だったので、全身にめちゃくちゃ強めのキスをされてるみたいだった。クソデカいタコが恋人だったら撫でられるたびにこうなるのかもしれない。もしくはクソデカいドクターフィッシュ。
上記の機械は腕や脚、背中に対する施術用の機械で、顔や指、件のVIOに関しては機械が変わった。へ〜別の機械なんですね〜とのんびり寝っ転がっていたオタク、皮膚に冷たいジェルを塗りたくられて困惑。「オオー!?」と声を出してしまい看護師さんに謝られるが、看護師さんは別になにも悪くない。温度変化に弱い私が悪い。こっちの機械にはジェルが必要らしい。
当然VIOにもジェルが遠慮なく塗られる。4年前も塗られていたはずなのにさっぱり記憶がない。トラウマだったのかもしれない。そして間髪入れずにレーザー照射されるが、これが……痛えのである……。どれくらい痛いかというと、4000匹くらいの電気ミツバチが私の股間の上で戦っている余波をモロに喰らう、みたいな痛みである。熱いし痛い。電気ミツバチ、強すぎ。4年前も痛かったのかな?こちらもさっぱり記憶がないので、やっぱりトラウマとして頭の底にしまい込んでいる気がする。ただ「痛いです……」というと負けた気がするので、拳を握りしめて耐えていた。退魔忍はこれより大変なんだから……と自己暗示して耐えていた。みんなもVIO施術を受ける時は退魔忍に思いを馳せたほうがいい。
そんなこんなで2時間くらいかけて全身に照射し終わった。次の施術はざっくり2ヶ月後、それまでに多少なりとも変化があれば幸いである。全ての施術が終わった後にはまた結果のノートを記せるといいですね、不安にならなくても写真は載せないからね、怯えないでね。
というわけでオタクの体毛撲滅ノートを終わります。ここまで読んでいただきありがとうございました、よろしければチャンネル登録、高評価、Twitterのフォローをよろしくお願いします。(脱毛系YouTuber)