ラスベガス入門(歴史編04)
1989年オープンの「ミラージュホテル」は敷地内に、無料で観ることのできる火山ショーのアトラクションを備え、ホテル内では大がかりなイリュージョンやショーも観れ、レストラン、ショップがありました。そして何とこのカジノホテルは驚くほどの大ヒットをします。
8億円の建設費をかけて南国のパラダイスをテーマにミラージュホテルを作った男が今回の主役です。
その男の名前は、スティーブ・ウィンと言います。スティーブ・ウィンという名前は聞いた事がある人も多いと思います。ラスベガスを変えた男の一人です。
彼は、元々ダウンタウンのカジノホテル、ゴールデンナゲットの株10%手に入れた事から若きオーナーとなり頭角を現してきました。
1989年の南国テーマのミラージュを皮切りに、1993年にはトレジャーアイランドを大ヒットさせます。
トレジャーは、テーマはスティーブンソンの『宝島』でした。敷地前に海賊船のショーを配置し、ホテル内にはラスベガス最初のシルクドソレイユの『Mystere』というショーを誘致して大ヒット。
そして次に彼はベラージオというカジノホテルをヒットさせます。
ベラージオは、テーマがイタリアのコモ湖の別荘。ゴージャス感のあるヨーロピアンテイストのカジノホテルを完成させます。
そして皆さんご存じの敷地前の噴水ショーとシルクドソレイユの『O』ショーというアトラクションとエンターテイメントの仕掛けにより、これまた大ヒット。
彼は完全にラスベガスの街自体を大掛かりなテーマパーク化させ、街のエンターテインメント性を高めました。
彼の影響で、ラスベガスのストリップエリア全体に巨大テーマホテルが続々と誕生します。パリをテーマにしたパリス、エジプトがテーマのルクソール、ニューヨークニューヨーク等のテーマホテルが次々と出来ていきます。
スティーブ・ウィンは、3つのテーマパーク型ホテルであるミラージュ、トレジャーアイランド、ベラージオ(ミラージュグループ)の成功で世界に名を知られるようになります。
ただ、グループ内の筆頭であったベラージオに予算がかかり過ぎて赤字経営となります。そんな中、MGMグループがこのミラージュグループを全て買収するという事件がおきます。
これでスティーブウィンも終わったかと思われましたが、彼はベラージオで果たせなかった夢を追いかけ、ベラージオを越えるゴージャスなカジノホテルを完成させます。2006年にウィンそして2010年にはアンコールという高級志向のカジノホテル2軒を完成させます。
因みにウィンホテルのロゴは、スティーブウィンの自筆のサインです。
凄い発想力とプレゼンテーション能力の高さで、お金集めも含めアメリカの有名起業家の1人です。
今のラスベガスの姿を作り上げた大きな存在です。ただ2018年にセクハラ疑惑の追及を受けてウィン・リゾーツの会長兼CEOを辞任しました。