自分のタイプを知ること(スピリチュアル編集術 #2)
編集者にとって「長」になるかどうかは、軽く目眩を覚える問題だ。それが担がれて満場一致で指名されることはまずない。たいていは人間関係のしかばねを泳ぎ切り、伸びきったゴムのようになってから辿り着く。
もうそれやめないか、と思う。もちろん組織の中で勝ち取れる人はすごいと思う。魑魅魍魎に引きづられることなく、時間をかけずに辿り着けるならそれが一番いい。ただそのレースを最初から降りて誰でも長になれる時代がいまだ。個人が長になり、集まって作ったり、一人で作ったり、必要に応じて組織になり、個人になれる。
一番大事なのは自分のタイプを知っているかどうか。作りたいものが重要なんじゃない。作れるかどうかを知ることが迷わない秘訣だ。自分は競合チームのレギュラーになりたいのか、ベンチで支えるタイプなのか。それとも弱小チームのエースで奮闘するのか。弱小チームの補欠ならば練習するしかない。
自分を知ることは楽しい作業だ。それは本作りが壮大なギャグだからだ。否応なしにポジションに当てはめられるよりも、自ら飛び込んでいく。そこで燃焼して役割を演じる。その様子を観察しているうちに、作りたいもの、作ることができるものが、人生の余剰スペースに降りてくる。それをゆっくりと待てばいい。芸術は逃げない。
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完全にインディペンデントとして存在し、オルタナティブな出版の形を模索し続けます。