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【賞レース賛辞#4】キングオブコント好きなネタベスト3

今回は、先日放送されたカーネクストプレゼンツキングオブコントにて、私に刺さったネタトップ3発表したいと思います。TBSが本気出す、お笑いの日の最終演目として設定されているキングオブコント。お笑いの日の大半を見ることができなかったのですが、この大会だけは、リアタイ出来ずとも最速で見ないとと思い、Tverで急いで見ることにしました。コントの祭典となっているこの大会ですが、私が好きであったネタを独断と偏見で挙げていきます。ネタバレにはご注意ください。

第3位:ロングコートダディ「花屋」
ロングコートダディさん、とても惜しかったですね。この一本目のネタに関して言えば、この大会を通して一番といってもよいくらいの完成度であったと思います。私の分析が入りますが、堂前と兎、それぞれの良さが出ていたと思います。具体的には、堂前の”面白い仕組みを作る力”と、兎の”厚かましいキャラクター”が相互作用した、とても優秀なネタであると感動しました。ロングコートダディを見る側としては、センスと呼称されている、堂前の面白い仕掛けを作り出す能力にいかに兎のシンプルな面白さが乗っかっているかで、評価のされ方が変わってくるのかと思いました。一本目の花屋は完全にそれが完成された形でコントになっていて、事前のインタビューでもあったように、一つ一つ意味があって面白かったです。オチの”全然マイナスです”も最高でした。堂前が何かと兎に対して、”肉”をつけたがるのも、M1からの名残があって笑ってしまいました。

第2位:ラブレターズ「釣り人とジュビロ磐田サポーター」
スーパーマラドーナのチャンネルにて、今大会で優勝すると予想をした人が一番少なかったラブレターズが、見事なまでの優勝を掴んだネタになります。積年の思いを感じられて、感極まってしまいました。このネタ自体をどう評価してよいのかわからない部分はあるのですが、めちゃくちゃ面白かったため、2位にランクインさせざるを得なかった、そんなネタになります。シソンヌのじろうさんは、釣り要素がいるのか?の旨の発言をされていましたが、自分はむしろ山内さんと同意見で、画ずらとして、坊主ジュビロ磐田サポーターが応援しながらバリカンで髪を剃っている後ろで、巨大魚と格闘している釣り人の組み合わせが面白すぎて、最高だと思いました。一本目は比較的技術的な部分で笑いを作っていった部分があるのに対し、この二本目は、自分たちの根底にある”面白い”をぶつけられた感じがして、その勢いが会場にも伝播したために優勝できたのでは、と実感しましたね。とはいえ要所要所のツッコみや発言も余すことなく面白かったので、勢い勝ちみたいに言ってしまいましたが、それだけでない笑えるポイントも抑えていて、楽しめるコントであると思いました。

番外編:ニッポンの社長「新入部員」
これも、ラブレターズと一緒で、本当に自分たちの底にある面白いをそのまま形にしました、みたいなネタでめちゃくちゃ笑いました。おそらくウケ量だけで言ったら、トップ3には入るネタだと思います。私としても一番笑った自信があります。難しいことを考える必要もなく、面白い。打球が飛びすぎて星になるみたいな小さなあるあるも、刺さりまくり。しまいには、ケツさんに野球を語らせるシーンで、意味もなく馬に乗らせるというもう勢い任せのネタ構成。自分たちが面白いと思っているんだから、何が悪いんだという潔さが、腹を抱えて笑わせてくれるネタになっているとは思います。
結構Xとかでも、一番笑ったみたいな声を多く聞くので、ハイレベルな賞レース向きでなかったことを全員で受け入れて、単独なり、ニッポンの社長の出る劇場なりで、ファン活動していきましょう。

第1位:ラブレターズ「光」
私としてはあまり同じネタ番組で、同じコンビからのネタをランキング入りさせたくないという気持ちもあったのですが、正直にこれは書くしかないのかなと、思いました。ラブレターズの一本目が、今大会一番のネタでした。これは完全に主観です。けど贔屓ではありません。なぜかというと、自分は昨年のキングオブコントを見て、このコンビに面白いという烙印を押すことができていなかったからです。むしろいくらフラットな目で見てるつもりであったとしても、若干厳しい目線でネタを見ていた節はあると思います。この人たちは果たしてどういう風に笑わせてくれるのかと、ある種様子を見るようにネタの入りを見てしまったのが、前提に在りました。しかし本当に杞憂でした。このネタは私の感覚ですがストーリーを少しずつ分かることができることで、登場人物の感情にやっと追いつける、という側面が非常に秀逸であると感じました。山内さんもそのことを審査の時におっしゃっていたと思いますが、冒頭、どんぐりが出てきて、外に出ている証拠だ!となったときにいきなり泣き出したことに対しては自分の感情はそこまで追いつかず、泣くキャラなのかな、みたいな風にとどまってしまいました。しかし、どんぐりの発見を通じて、自分の息子が純粋ないい子である推測をすることができたり、お父さんに関しても息子に向き合うきっかけができたり、なにかと息子への愛情はありながらもうまいこと形にできずにいた、そんな状況が分かっていく仕組みでした。なので、息子の動画で声を聴くことができて、それに対して泣く親の気持ちに、そこで真剣に理解できたからこそ、今まで閲覧者として、そこまで入り込めなかった分、笑うことに繋がったと思いました。褒める部分が多すぎて困りますが、続いてどんぐりという小道具の使い方も最高で、どんぐりに込めた意味が多すぎて天才であると思いました。まず、外出しないと手に入れられないという、外のものという象徴として使っていながらも、それにしてはぎりぎり根拠が弱い部分において、息子のよい部分を都合よく見てしまうような親としての愛情が先行していることを演出するツールにもなりえたのです。さらに、大量のドングリを抱えて、渡して、落とさせて、ばらまくという、一つ一つがラブレターズの二人の感情とうまいことリンクしている感じがして、作品性を強くを感じさせられました。また、どんぐりで笛を吹くという要素に関しても、しょうもなさとありえそうと、凄いのかもしれないの絶妙な掛け合わせになっていて、本当にどの段階でどんぐりを登場させようと考えたのか、あまりにも天才すぎて訳が分かりませんでした。最後に設定の細部がさえわたっていて、奥さん側のものを投げて抵抗する感じとか、機械に弱すぎるところとか、家のことはなんもやってくれない、みたいな小言を漏らす感じとか、うまくいっていない家庭のお父さんの言動とか、絶妙な夫婦の主従関係とかあらゆる面で、再現度が高く、あり得ない状況ではなかったのも、好きであった要素でした。書きすぎましたが、これほどまでに気持ちを操作されている感じがあったコントはなかったので、本当に驚きましたし、爆笑しました。

以上が、キングオブコントで気に入ったネタランキングでした。本当にそれにしても近年の賞レースはレベルが高くて審査員泣かせであると思いました。見ている側としては最高なので、今後もお笑いの土壌を肥やし続けてほしいと感じましたね。次回もこうご期待を。


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