【賞レース賛辞#6】M-1準々決勝好きなネタベスト3
今回は、今絶賛行われているM1グランプリの準々決勝配信の中で、私に刺さったネタトップ3発表したいと思います。いつぞやからこの配信システムが始まって、より芸人さんにとっては酷な状況となっていますが、逆に言うとこのテレビ離れの時代でも”お笑い”の熱を冷まさないという意地を感じ、好感を持ってTverを開いて全動画見させていただきました。X上でも様々な方法で各々が好きであった作品についてランキングつけているかとも思いますので、私のランキングにも少々お付き合いください。ネタバレにはご注意ください。
第3位:イチオク「ストーカー」
お恥ずかしながら、初めて知りました。めっちゃ面白かったですネタ。自分がハマったポイントとしては、「裏切らない裏切り」と「要所要所のしょうもなさ」でしたね。
「裏切らない裏切り」に関しては、このネタでは”そんなに有名ではないのにツッコみのたけやさんがどこ行っても認識されている”というまず裏切りというか、大喜利が前提にあると思います。裏切りが前提となっている中で、どんなシチュエーションでも認識されているというのは、なぜにずっと面白かったです。しかもなんか反応が面白いですね。「うわ、イチオクたけやや」という変なショックを抱いているのが、完全に実力で売れている人がやらかした時の反応っぽくて面白かったです。なんかこう、やりそうだった、とでもなく、なんとなく全員がほんのり悔しそうなのが癖になりました。似ているので行くと、永野さんの「クワバタオハラがおったらそこは大阪や」に似たお笑いだと思います。それを派生して、そんなわけないのに、どんなシチュエーションでも知られているというのは、私にハマりましたね。掴みの”吉本の宝”がこんな感じで、天丼を際立たせる伏線みたいになっているのは、興味深い漫才だなとも思いました。
「要所要所のしょうもなさ」に関しては、警察です、の時のポーズだったり、傍聴席の状況を聞いたときの裁判官の反応だったり、チャラけてい感じが楽しかったですし、お客さんも、結構そこで笑ってしまった人多い気がしますね。こういう人間味があるのもよいですね。ニューヨークのキングオブコントでのネタで、嶋佐さんが披露宴でのマイク前に滑稽な戻り方をしたことに対して、三村さんが「ああいうしょうもないの結構好き」と言っていた気持ちがすごくわかります。緩急を見せられている感じがして楽しいですよね。そんな感じですごい好きでした。
第2位:ケビンス「テレビゲーム」
勢いに負けました完全に笑。すごい笑わせていただきました。山口コンボイさんのコミカルな動きをものすごく合理的に見せることに成功していて、いい進化をしているコンビだなと思いました。ゲームの要素もすごいばかばかしくて好きで、悪口を止めるように連打させる意味もよくわからないし、ちゃんと動物たちが”怒り”で返答するのはシンプルに面白い。豚側に駆逐って言わせるのも、鳥の卵割っていって強引に親であることを擦りつけるのも、Aボタン連打していたらとんでもないストーリーになっていたというのも全部大喜利として強い。次から次へとパンチが飛んでくるから、よけきれずにあたってしまいまくりの漫才であったと思います。
確かに任天堂の代わりの英語表記ブランドはキッコーマンが選ばれるなというのも納得出来てしまいました。それに変な気遣いをしているという設定もばかばかしくて面白かったです。
番外編:ラパルフェ「ラブソング?」
大バズリ漫才でしたね笑。ネタについて言えることがあるとしたら、尾身さん声似て無さ過ぎでしょ笑。とはいえサムネの仕上がり方だいぶ良かったし動きと雰囲気だけで勝負してたのがたまらなくおもしろかったです。多分ネタのチョイスも絶妙で、コアお笑いファンからしても、少し忘れかけてたネタなのかもしれないし、2019年のM1決勝でやったというのもあって、全然お笑いを普段見ない人でも少し覚えている内容であったという可能性もあり、バズるに至ったのかなと推測しました。最後もう好き勝手やっている感じも見てて好感持てたし、ある意味で一番自分たちが面白いと思っている内容を実現できていたのかなと思ってみてました。これでワイルドカードいってたら準決勝なにしてたのでしょうか。それはそれでみたい世界線であったとも思いました。
第1位:さすらいラビ―「ブラウザ」
個人的には結構ダントツでした、さすらいラビ―。あっぱれの一言。まず台本が面白すぎる。よくぞその着眼点を持っていたと、絶賛したいですね。ブラウザ×恋愛の設定で、よくぞブラウザから大きく外れずに4分ネタやり切ったなと感心しました。それこそ”おもしれーブラウザ”のようなやや強引=恋愛あるあるをブラウザやパソコン系用語に置き換えるだけ(背中洗ってあげる→画面拭いてあげる、今日は何の日だと思う?みたいな、女の子がしがちな質問→googleがロゴで今日が何の日かにおわせてくる等)に終始してしまいがちだと思うのですが、そういうのが全くなく、素晴らしかったです。Internet Explorer に似ているという発言は、まずInternet Explorer懐かし!の笑いもあったと思いますし、そのやんわりとegdeに感じていたことを言語化してくれた気持ちよさ、共感の笑いも抑えていて、そのうえで、恋愛でいうところの、幼馴染に似てて動揺する、みたいな、たしぎに対するゾロみたいな感情の発露も抑えていて、見事です。またfire foxにまで行けたのが最高に面白かったです。まずちょっとだけ知っているブラウザについて言及された気持ちよさがありました。自分中のfire foxの認識と、さすらいラビ―の二人が抱いているfire foxへの認識がちょうど同じくらいであったから、そのくだりは腹抱えて笑いました。確かにfire foxを既定のブラウザは冗談が過ぎる笑。
また、キャラクターみたいなところで言うと、変な正義感を持っていそうな中田さんのルックスにすごい合っていたように感じました。考えすぎてしまいそうな見た目をしているので、発言も本に飲まれていませんでした。ツッコみの宇野さんのキャラの反映の仕方は難しかったと思いますが、総合的ツッコみとして、家から出ろ!は的を射ていると思いました。
これで準々決勝落ちとは周囲のレベルの高さがうかがえます。でも私個人としては間違いなく最高レベルに面白い漫才だったと思います。
以上が、M1準々決勝で気に入ったネタランキングでした。
しかしめちゃめちゃしんどかったです今回は。他にも甲乙つけたがいコンビたくあんいました、華山、ぐろう、涼風、からし蓮根、三遊間、TCクラクション辺りはもう僅差です。皆さん本当に素晴らしいです。決勝への機運も高まりますが、意外といろんな賞レースが今後も続きますよね、年内で。その時にまた褒めていきたいと思います。ではまた次回。