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日本での初期研修、どこでするのがいいのか

時々臨床留学を考えている学生の方から相談を頂くことがあるのだけど、日本での研修はどういったところがよいのかということ。海軍病院だと正式な日本の初期研修にはならないので、保険医の資格が取れないという点はもちろん皆さん知っていて、最初のスタートをどこにするかを悩んでいるのだと思う。

研修先によって、研修内容だけではなくて、どこに住むかが変わるわけだから家族や友人や、あるいは給与のことなども検討に入れるべきだと思う。まあ、あまり拘らない人も結構いるけど。

僕は地元の出身大学県内の市中病院で研修をしました。確かに、少し緩めの病院で英語の勉強やUSMLEの勉強をする時間を取れるようにするという考えもあって、そうしている方も多いと思うのですが、僕が選ぶときに考えたのは地元+神経内科の指導がしっかりしていることの2つでした。英語はバイリンガルでもないし、勉強必要なのは知ってたけど、何より臨床能力を上げたかったし、現場に出たかった。地元を選んだのは、僕と妻の実家もあり、将来海外に行くことも考えると、できるだけ親にも会えるようにしたかったということと、大学の医局にも入りたかったのでその関係もありました。(なぜ医局に入りたかったのかはまたどこかでまとめたいと思います。)

研修病院を決めるときにまずしたことは、自分が学部4年生の時にお世話になった神経系の基礎研究室の先生たちに相談することでした。そこで、いくつか市中病院にいる神経内科の指導医の名前を教えてもらいました。その中で一人、この先生の下で学びたいという人に会うことができました。僕のいる地域は伝統的に神経内科の医局が臨床も研究も強いのですが、そういった中で活躍されているほぼ全員の先生がその先生の門下生でもありました。他の科のことはわからないのですが、神経内科は誰に指導を受けるかで自分のスタイルが決まってくるため、どの先生が師匠になるかはとても重要だと思います。自分の性格と合う人、しっかり話を聞いて説明してくれる人、指導を自分の大切な役割だと認識している人などがいいのだと思います。

その後、ありがたいことに、その先生の病院にマッチして働くことになりました。最初の2年間は救急外来やローテーションで非常に忙しかったですが、日々臨床能力が上がっていることを強く感じましたし、他病院との内科系の合同勉強会でも自分たちの知識や経験は結構いい線に行っていると思うことも多々あり、そういった意味でよい選択でした。同期も学生時代に優秀だった人たちが集まったので刺激にもなりました。色々経験し、自分のできることできないことへの線引きがうまくできるようになったと思います。


その後の後期研修でもたくさんの神経内科の患者さんを任せてもらえましたし、部長回診といって病棟で自分の患者さんについてプレゼンをしたり、診察を評価してもらったりなど勉強になることが多かったです。それこそ、反射の取り方や画像の読み方まで基本の基本から指導頂きました。その他にも症例検討のミーティングや学会発表も頻繁にあり、色々と教えて頂くことができました。

この経験は100%その後のアメリカでの研修でのアドバンテージになりました。僕が、ベストレジデント賞をアメリカでもらえたのは、確実にこの経験のおかげだと思います。マッチングのインタビューでも臨床の経験について大いに語ることができましたし、よくある「一番心に残っているケースは?」などの質問は非常に答えやすかったです。

ということで、人生塞翁が馬なので、絶対的な正解はないのですが、あえて忙しい病院で頑張って臨床留学を目指すというのもありかなあとも思っています。(体力的にはしんどいかもですが。。)結局は”いい医者”になるのが目標ではあると思うので。

なんだか病院紹介みたいな記事になってしまいました。。。


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