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COVID-19で出現する脳神経障害とは?
はじめに
COVID-19感染が再び猛威をふるっているように思います。外は暑いですが、マスク対策と手洗いはしっかりするようにしています。
最近、COVID-19感染後に複視が出現し来院された患者さんの診察をしました。数週の経過で回復しましたが、COVID-19関連脳神経障害について調べました。
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方法は、PubmedとGoogle scholar で2021年1月までで検索し、36の文献で56人のCOVID関連脳神経障害を抽出し、まとめていました。
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結果としては、脳神経障害Ⅰ3人、Ⅱ7人、Ⅲ15人、Ⅳ1人、Ⅴ6人、Ⅵ17人、Ⅶ29人、Ⅷ2人、ⅨとⅩ5人、Ⅺなし、Ⅻ4人でした。
COVID-19感染では、脳神経障害は脳神経すべてで起こり、発症する患者のCOVID-19感染は一般に軽症が多く、脳神経では、Ⅲ、Ⅵ、Ⅶの障害が最も多いことが示されていました。
脳神経障害のみで四肢末梢神経障害を伴わない場合は、ステロイドの反応が良好で、四肢末梢神経障害を合併する脳神経障害を伴う場合はIVIgが有効であることもいわれておりました。
別の論文では、COVID-19症状出現後脳神経症状発症までの期間 は平均4日(3-27日)と報告されていました(Intern Med 61:1761-1765, 2022)。
ギランバレーと同様の機序なのか、ウイルスの直接浸潤の影響もあるのか病態については不明なところが多いようです。
参考になれば幸いです。
感染に注意して、休息と水分をとりながら頑張っていきましょう。
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