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瞳孔が緊張する?Adie症候群
はじめに
20歳台の方でまぶしさを感じて外来に来られました。瞳孔不同があり、脳MRIでは異常はなく、症状は次第に改善しました。眼科での検査と経過からAdie 症候群と診断しました。
Adie症候群についてneurologyにもteaching neuroimages がありましたので、まとめました。瞳孔不同の鑑別として重要で、まれな症候でしっているかどうかで決まる重要な徴候と思いました。
論文
Teaching Video NeuroImages: Acute Adie syndrome
Benjamin R. Wakerley, Mei Hong Tan, Martin R. Turner
September 11, 2012; 79 (11)
症例
健康な30歳女性。主訴は片側性の光過敏とまぶしさで、眼痛のない右瞳孔の散大所見を認めた。右眼では対光反射は減弱し、不規則に分節性に収縮を認めた(下の図)。深部腱反射は保たれ、ピロカルピン点眼(0.1%)で収縮した。
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William John Adie(1886-1935)は、若い女性に主に起こり、毛様体神経節炎後に続発する可能性を指摘しました。またRussell (J Neurol Neurosurg Psychiatry 1956;19:289–296)は、対光反射だけでなく、近見反応も乏しい症例を報告しており、これもAdie症候群と考えられると、本文に記載がありました。
読んでみて
症例はAdie症候群の特徴をしっかりとらえていると思いました。腱反射の低下を伴う例があるようですが、毛様体神経節の障害では説明がつかず、その病態としては明らかではないようです。もちろん動脈瘤など頭蓋内検索のため脳MRIは必須と思います。
いろいろ調べてみると理解していないことも多く、勉強不足を痛感する日々ですが、少しずつでも前進していく気持ちを忘れずに勉強していきたいなと思いました。
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