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フィコンパはミオクローヌスに奏功する可能性がある

症候性にミオクローヌスを呈している患者さんで、フィコンパ (ペランパネル: perampanel, PER)が有効であった経験をしました。もちろんフィコンパの適応は一般には、部分発作などのてんかん発作が適応ですので、十分留意するする必要があります。
どの程度ミオクローヌスに期待ができるのか、Epileptic Disorders 誌に報告がありました。


260人の患者を対象とした、27件のstudy のシステマティックレビューで、
内訳は7-71歳(平均28歳)で、113人が女性でした。PER開始前に1-7剤(平均4剤)の抗てんかん薬が入っていました。PER 投与量は0.5-12mg(平均4mg)でした。

ミオクロニー発作と症候性ミオクローヌスについて検討されていました。
まず、ミオクロニー発作については、147人についての報告があり、118人は特発性全般てんかんの患者でした。6-12か月のfollow-up期間で、50%レスポンダー 74.3%(101/136人)、75%レスポンダー 60.3%(82/136人)、100%発作なしは57.4%(78/136人)でかなり効果が期待できるようでした。
ただし、事後解析をした一つstudyでは、特発性全般てんかん患者に対してのミオクロニー発作の治療としてのフィコンパの有効性について二重盲検期間でプラセボと比較して有意差は認めておらず、プラセボ効果などの検討はいると思います。
症候性ミオクローヌスについては、119人についての報告で、105人はPMEでした。4つの研究(88人)では、症候性ミオクローヌスの減少を認めました。残りの31人の報告では、症候性ミオクローヌスは3人の患者で消退し、21人の患者で減少し、7人は変わりありませんでした。
また、今回の報告では、PER開始時の内服についても検討されており、56.8%がレベチラセタムを開始しており、バルプロ酸は75.1%で開始されていました。レベチラセタム、バルプロ酸で効果がなかった患者さんでも期待できる可能性が示唆されます。

以上、フィコンパはミオクローヌスに奏功する可能性があります。ただし、眠気などが強く、今回の報告でもそういった副作用が報告されており、投与量も含めて慎重な検討がいると思いました。



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