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雨の夜

雨の夜はどんな風に過ごしてますか?
雨音を聞いていると落ち着くといいますか、少し周りが静かになった気がして好きです。
ざざー、ぽた、ぴちゃん。
このまま、うとうと眠ってしまいたいものです。


日曜の夜ということもあって、早めに家へ帰る人も多くいるのではないでしょうか。
明日の朝を考えて憂鬱になっていたり、眠れずいろいろ考えたり。
どんなに歳を重ねても、正直面倒くさいです。
大人になり、日常に慣れているだけで。
雨の音はそんな頭の中の忙しさを、一旦消してくれる気がして、心地良いのです。

私はといいますと、土日も関係なく仕事でして、キャラクターの帽子を被った、楽しげなカップルや集団、ストリートミュージシャンをしたり群がる人達を横目に、皆休みを満喫してるんだなぁと思いながら家路を辿りました。

駅を出て帰る頃には雨がぱらぱらと落ちてきており、早く帰ってパンプスを脱いで楽になりたいと早足で歩いている途中で、猫がゆっくり歩きで目の前を横切るもので。
このテンポで近付けば、きっと逃げるかなと思っていたんですが、もの凄くゆっくり。

思わず立ち止まると、向こうもなぜか立ち止まる。
お互い顔を見合わせ、数秒。
どうしたらいいの。
すれ違った瞬間、お先にどうぞどうぞしてる感覚。
見知らぬ猫と、何だこれ。


数秒後には早足で逃げて行ってしまったんですが、何となく印象的な出来事でした。
最近、家族と話をしていたんです。
その時に他の家庭とはちょっと違うのかもしれないという話になりまして。
大体、人生の中でそんなに沢山土地を転々として生きていかないだろうという話をしてました。
大学か仕事か何かのきっかけで地元から都会に住まいを変えたとか、または多くても三つほどの土地でこれからずっと生きていく土地を決めて生きていく。
私は人生前半戦で五つ目である。
関東から始まり、各地方を転々として今は関西にいます。
家族は昔から、どこに行ってもどんな人生送っていてもいい。元気で連絡だけ取れるようにしとけと。
いろいろあってもこのような考えの人達だからこそ、自由で居れますし、本当にありがたい気持ちはあります。

ですが、この感覚で世間と関わろうとするとズレが生じることに気付きました。
家族って近くに居て支え合っていつも一緒、そういうもの。特に離れたいとかではないんですけど、一緒に暮らしたり結婚したり家族になったり。
もちろん、何より一番に大切に想います。
物質的なことで、一生ここの家に居るだとか永住するという感覚が、残念ながら無いのです。
毎回、また何年後かには変わっていくんだろうなぁと思いながら新しい土地に足を踏み入れてます。
人付き合いも一期一会、だから自然といつの間にか濃くシビアになるのかもしれません。
一生懸命に関わりながら、思い出作りのような。
先は見ず、たった今を生きるだけのような。
寂しい気持ちになります。
それすらも今だけというのも何となく気付いています。どうしたものか。


さて、雨音も止んできたから寝なくては。
明日も朝の通勤ラッシュに巻き込まれに行くのは、本当に憂鬱です。
毎日土日であればいいのに。
そうすれば、世の中も楽しそうだし、人混みに巻き込まれず仕事に向かえるのに。
そういうところですね。




一日お疲れ様でした。





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