ロリィタに縁のなかった私がロリィタ体験をしてきた話
はじめに
先日、ロリィタ体験をしてきた。
私をリアルに知ってくれている方たちに話すと、必ずと言っていいほど驚かれる。それだけ私と『ロリィタ』が結びつかないものだからだと思う。(私から連想されるのは『ナチュラル』が多いかな?)
そのぐらいロリィタに縁のなかった私(30代後半)が、何故体験したのか。そして、何を得たのか。そのことを記録しておきたいと思う。
きっかけ
ある日、いつものようにTwitterを眺めていると、心をぎゅっと鷲掴みにされた投稿があった。
うっっわっっっ!!!!!素敵~~~!!!!!!!!!!
こちらの投稿は、フォローしているイメージコンサルタントのヒカミヒジリさんのもの。元々魅力的な方ではあるけれど、別人となったその姿に引き込まれた。
どうやらロリィタ体験をされてきたそう。へ~~〜、、、すごい……!
その後、ヒジリさんのスペースを聞いてみた。ずっと憧れていたロリィタ体験をしてきたと、楽しそうに報告されている。それを聞いているうちに、自分もやってみたい!と衝動的な欲求が湧き出ていた。
そして、スペースを聞き終えると、私はすぐさま体験スタジオへと予約メールを送っていた。(たまに出る行動の早さ)
ロリィタ好きの方々には少々悪い気もするが、ロリィタに強い憧れがあったわけではない。
いや、青木美沙子さん(以前、セブンルールというテレビ番組を見て、そのかわいさと強さに感動)は好き。あと、ちょっとずれるけれど、母親がヅカオタ。子どもの頃は英才教育を受けていたため、フリフリのドレスに憧れる気持ちはなくはなかった。
でも、ロリィタファッションを着てみたい!と思ったことはなかった。何故なら、自分とは縁の遠いところにあると思っていたからだ。ロリィタはかわいいけれど、あくまでも見るもの。自分が着るものではない。自分に合うものはナチュラル感のあるもの。気づかないうちに、自分で線を引いていた。
そんな私が体験してみようと決めたのは、ロリィタ体験が楽しそうだったから。それに尽きる。
7月にビレッジサマーパーティーのために東京へ行くし、ついでに行っちゃえ~~~~!という、完全なるノリでもある。
ただ、今から振り返ってみると、私は『ギャップ』を求めていたのかもしれない。
SNSやテレビ番組などで、メイクやファッションによって、その人の素質がより引き出されたビフォーアフターを見るのが好きだ。男性アイドルでいうと、『かっこいいのに面白い』など、相反する要素が両立している人にハマりやすい。そういう人を見ると、ぐっと引き込まれる。本当はどういう人なんだろう?と興味が沸き、もっと知りたくなる。
『ナチュラル』が看板みたいになっている(言い過ぎ)私がロリィタしたらどうなるんだろう?という興味もどこかにあったのかも。自分から見ても、知り合いから見ても、その意外性に驚き、面白がってくれるんじゃないかと。
当日まで
今回、体験したのはヒジリさんがおすすめされていた南青山にあるエスペラントさん。京都にも系列店があるそう。似たサービスをしているお店もあるが、体験するにあたっては特に調べなかった。
安いとは言えない価格ではあるが、衣装、メイクやウィッグなどを含んだ料金で、スタッフのみなさまの対応も素晴らしかったので、それなりの金額を払う価値はあると言い切れる。(私はほとんどしませんでしたが、撮影にあたり、事前に詳細なことまで相談に乗ってもらえるようです。ロリィタ以外にも妖怪や花魁など、様々な姿に変身できるプランがあります。複数人でもできるものもあります。)
エスペラントさんから予約確定メールが届き、ドレスを選ぶことになった。(事前に見ることもできたが、あまり調べもせず申し込んだので気づかなかった ロリィタ〜Lolita〜 ご衣装のご紹介 | エスペラント KOKORO南青山スタジオ (studio-esperanto.com))
甘ロリ、ゴスロリ、不思議の国のアリスのようなドレスまで。いくつかあったけれど、私は一着のドレスに目を奪われた。
それは赤いドレス。
赤は推しのメンカラ。これしかない。
そのドレスを見た瞬間、私は妄想の世界へ入っていった。
ざっくりではあるが、とりあえず設定も決まったので、体験日を楽しみに待つことにした。
当日 ~準備~
そして当日。
ビレッジサマーパーティーにお邪魔した後、私は南青山へと向かった。
持ち込む小道具としてOKをいただいていたので、駅の近くのお花屋さんへ寄り、赤い薔薇を一輪購入。
店員さんに「プレゼント用ですか?」と聞かれた。もちろん違うので、そのまま受け取ればいい。しかし、妄想上の私にとって、とても大切な薔薇だったので、お金を支払い、綺麗にラッピングしていただいた。
スタジオに着くと、メイクさんが手際よく化粧を施してくれた。ナチュラルメイクと変身メイクを選べたけれど、私は思いっきり別人になってみたかったので、後者を選んだ。「どんな感じになりたいですか?どんな色がいいですか?」とメイクさんが聞いてくれたので、「かわいい感じで、赤を基調にお願いします。」と頼んだ。鏡を見ると、どんどん違う顔になっていく自分がいた。
この日のために、初めてカラコンも購入していた。30代後半になって、カラコンに初挑戦するとは思わなかった。いや、そもそもロリィタ体験するとは……。
常に掛けている眼鏡を外し、カラコンを入れる。ヘーゼルナッツ色の明るい瞳。元々の目は小さいが、つけまつげやアイシャドウのおかげでどんどん大きくなる。目元はすでにお人形さんのようである。
いつもショートヘアなので、ロングヘアのウィッグを被ると、完全に誰なのかわからない。ヘアカラーは、現実では挑戦できないような、明るめの色にしてもらった。
さて、ヘアメイクが終わると、いよいよドレス。
あの赤いドレスが目の前に現れる。はちゃめちゃにかわいい。こんな服、着たことがない……!ロリィタに強くは憧れてはいなかったはずだが、目の前にすると、やはりテンションは上がる。ロリィタまではいかなくても、フリルやレースがちょこっと付いている服は好きだった。しかし、今手にしているのは、それをさらに濃縮した、かわいさ1000%の服。ドキドキしながら、袖に腕を通す。
そうして、全身を鏡で見る。
……か、かわいい。
鏡越しに姿を変えた自分と対面すると、そのかわいさに驚いた。思わずニヤニヤしてしまう。
こんな姿になれるんだ……!
メイクさんが「素敵です!」「かわいい~!」と、何度も盛り上げてくれる。気分が高まる私。
ドキドキしながら、いざスタジオへ。
当日 ~撮影~
スタジオでは、カメラマンさんが待機してくれていた。
「どんな感じで撮りたいですか?」と聞かれ、「お人形さんのように、どこを見ているのかわからない感じでお願いします。薔薇を持ってきたので、それも使いたいです。」と答えた。恥ずかしいので、細かな設定まではお伝えしなかった。
具体的なポーズまでは決めていなかったけれど、さすがはプロ。
「足を広げて内股にしてみてください。」
「目線落として。」
「口元開けてみて。」
・・・
こんなふうに、どんどん指示をくれる。体が固くなったのか、複雑なポーズの時にはプルプルしてしまうこともあったけれど。次回挑戦する時には、更衣室でストレッチをしておこう。
撮影中は「美しい……。(ため息交じり)」「かわいい!」と何度も声をかけてくれる。
うへ~~~~!モデルさんみたい!
とっても気持ちいい気分になってしまった。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。
ドレスを脱ぎ、ヘアメイクを落とす。普段の私に戻っていく。
寂しさもあるが、充実感でいっぱいだった。
おわりに
今回、ロリィタ体験をしてみて得られた効果がいくつかある。
まず、自己肯定感が上がったこと。自分ではあるけれど、自分でないような姿になれた。その上、メイクさんやカメラマンさんが盛り上げてくれ、煌びやかで夢のような世界を体験できた。
できあがった写真を見れば、お人形さんみたいな自分が写っている。いつもは自分の写真なんて見ないのに、見返しては「かわいいな~!美しいな~!」と思ってしまう。かといって、ノーメイクの自分が嫌になる気持ちはない。
次に、可能性が広がったこと。がっつりメイクや加工こそしているけれど、自分は自分だし、やってみようと思えばこんな路線もいけるのだという発見があった。
私が求めていたギャップ。それは、自分の可能性を広げることでもある。(ロリィタ体験は、自問自答ファッションの言葉で言えば『びっくり試着~課金ver.~』だろうか。)
自分で自分の可能性をつぶす必要はない。どんなファッションにだって、その気になれば着ることはできる。自分のものにすることができる。それを着た姿は、私に力をくれる。今回で言えば、自己肯定感を上げてくれた。私に『かわいい』『美しい』をくれた。ロリィタってすごい。ファッションってすごい。
ロリィタ体験をしてみて、心の底からよかったと思っている。
あぁ、またやりたいなぁ……!
最後に。素敵に変身させていただいたエスペラントさん、きっかけをくださったヒジリさん、ありがとうございました。
おまけ
ロリィタ体験でこんな感じになれました。※加工済
余談ですが、ロリィタ体験をきっかけに、宝塚観劇計画が進んでいます。とても楽しみです。