新米マーケターの「UXDってナンだ!?」#8
こんにちは!
ファンデーションを切らしてしまい、ベージュ系ラメ入りアイシャドウを代用したところ、顔全体がほど良くテカっている大野です。
イタリアを旅行したときのことです。
美術館入場時に手荷物検査と金属探知検査があり、ゲート横には体格のいい、髭を生やした強面の警備員さんが立っていました。
チェックに引っかかるようなものは何も持っていないはずなのですが、もし何かあっても現地の言葉で説明できない(汗)と、ドキドキしてゲートを通った瞬間、
「ビーッ!ビーッ!」と叫び声がしました。
なんと警備員さんが私に向かって叫んできたのです。まさか警備員さんがそんなことするとは思わなかったので、びっくりすると同時に、ユーモアがあるなぁと笑ってしまいました。
美術館はもちろん素敵でしたが、忘れられない旅の思い出になりました。
ネットイヤーグループでは・・
UX人材育成の取り組み
創業から21年、ユーザーエクスペリエンスデザイン(UXD)をもとにクライアントのビジネスを支援しています。従来、UXデザインは専門家(UXデザイナー)が担当していましたが、2020年からはとくにUX人材育成に力を入れています。
未経験者はもちろん、経験が浅い人がUXの基礎を学べる講座、UXデザインに携わってきた人は、教える立場へステップアップできる講座など、レベルに応じて学ぶ機会があります。
第8回は「ウォークスルー評価」
今回は、前回作成したワイヤーフレーム(WF)をもとに、講師がユーザーになりきって、レビューしていきます。
このチームとしてのワークは今回で終了です。
今回のアジェンダは6つ
0、オリエンテーション
1、チェックイン
2、講義のおさらい
3、テーマについて
4、ウォークスルー評価・発表・講評
5、まとめ
1.チェックイン
あるお菓子屋さんのガラスの容器に入ったプリンを、上手にお皿に出して食べる手順を考え、発表します。
・湯煎で少し温める→お皿を上にのせる→ひっくり返す
・竹串でふちを一周させる→お皿を上にのせる→ひっくり返す
・お皿の上にプリンを逆さにのせ、手で押さえて思い切り振り落とす
「お皿に出したあと、キャラメルがプリンの上に全部出ていることを確認する」というところまで書いたメンバーがいて、「細かい!」と笑ってしまいました。
ただ、ユーザーに向けて食べ方の説明書を書くとしたら、どういう状態で食べてほしいのかを伝えるために、こういう描写を描くことも大切だなと思いました。
ユーザーの行動の流れを想定して、実際に自分でやってみて、どのような行動・思考・反応をしたのか?(ウォークスルー評価はここから課題を見出す)を体験するワークでした。
2.講義のおさらい
・ユーザービリティの定義
ターゲットユーザーが目的を達成するために、どのような状況のなかで利用するのか。
その状況下において有効性があるか、効率がいいか満足度が高いかの度合い。
・人間中心デザインの4工程
-利用状況理解(ユーザーをちゃんと知る)
-要求事項の明確化(体験を整理して、どのような要求を持っているのかを見出す)
-デザインの作成(施策・アイデアを実際に形にする)
-評価(ユーザーやビジネス要求に応えられているか)
・評価する方法
いくつかあるが主なものは以下のふたつ。
-ユーザビリティテスト
ユーザーに触ってもらい、それを観察し、考えていることや反応を聞き出す。
-ウォークスルー評価
ユーザーになり代わり、こういう反応をするのではないか?という仮説的な体験をシュミレーションする。
・評価の自由度
プロトタイピング範囲によって、評価の自由度が決まる。
-プロトタイピング範囲が狭い
>決まった範囲の行動をしてもらう。
>特定の条件とそれに合わせた行動のステップを明示したシナリオを準備。
-プロトタイピング範囲が広い
>目的に対して自由に行動してもらう。
>緩やかな条件と大まかな行動ステップを明示したシナリオを準備する。
・評価シナリオ
評価の自由度に合わせて、評価シナリオの粒度も決まる。
・アイデアの質の評価
ユーザビリティが満たされることと、UXの要求が満たされてアイデアがユーザーに受容されることはべつ。
・簡易ウォークスルー評価
自分でかいたものを、自分の目線ではなくユーザーになりきってレビューすることで違う問題が見えてくる。
・ユーザビリティテストの被験者人数
5人目を超えると新たな発見はほぼ得られなくなる。
15ユーザーのテストを1回やるよりも、5ユーザーでテストし、改善した後に5ユーザーでテストする、を繰り返した方がよい。
3.テーマについて
このチームのユーザータイプは、「週末のレジャーとして年に1回くらいS水族館に行くユーザー」で、リピーターを増やすことがテーマです。
4.ウォークスルー評価・発表・講評
以下のワークステップで進めていきます。
a. 画面を見始めるユーザーの状況、思考を書く
b. WFを書いた画面でのユーザーの達成目標、ユーザーに期待する行動・思考を書く
c. 講師が内容を踏まえてユーザーになりきって、ウォークスルー評価をし、発言や行動を観察しながら、それに対する気づきを書き出す
d. 気づきを元に改善ポイントを書き出す
e. 改善ポイントを踏まえてFWを手直しする
講師がa、bを踏まえて、ユーザー目線でWFを評価していきます。
他のメンバーが描いたWFも参考になりますし、講師の評価を聞いているだけで勉強になります。
メンバーのひとりは、ファーストビューに水槽のなかの動画と右上にハンバーガーメニューを配置していましたが、ハンバーガーメニューにすることで動画を大きく、迫力のある見せ方ができ、上手に興味を引くことができていると感じました。
講師のコメントでは、ボタンの文言や配置、画像の大きさに指摘があり、「意味のないことなんてないんだ!」ということを思い知りました。
また、自分が意図していることとは別の捉え方をされてしまうという難しさも感じました。
講師の評価をもとに各自WFを修正し、改善ポイントを発表して終了です。
5.まとめ
このチームでワークを行うのは今日が最後でした。
今回の講義とあわせてこれまでの演習でとくに心に残っていることを書き出してみます。
・WFは短い時間でラフに試してみることが大事
・ユーザー定義とユーザーゴールを明確にする
・課題と施策を混同しない
・質より量で柔軟にアイデアを出す
・サイトありきではなく、ユーザーの目的に沿ってサイトを設計する
・実際に体験できることであれば、自分で体験してみる
講師からは、「演習で学んだことはスタートにすぎない。ゴールは、実践の中でユーザー視点で考えて行動し、成果につなげること」というありがたいお言葉をいただきました。
コロナ禍でテレワークが定着し、顔を合わせる機会も減っていたので、演習を通して他部門のメンバーと知り合うことができたのも、とてもうれしかったです。
約3ヶ月間、週1回のペースで受講してきましたが、UXD学んだことはUXDの入り口だけで、引き続き学びと実践を繰り返していくことが大切だと思いました。
一日一学。Ci vediamo di nuovo da qualche parte!(それではまたどこで!)