「地域」?「おこし」?「協力隊」? 活動するためのパートナーシップを学ぶ(ネットワークKENPOKU全体会議レポート)
全体会議とは?
7月22日(金)、茨城県常陸太田市にて、「ネットワークKENPOKU全体会議」を行いました。「ネットワークKENPOKU全体会議」は、外部のゲストを招いた講義や、地域おこし協力隊の方々による取り組み発表などを行い、情報共有とネットワークづくりを行う企画です。
7月22日は、地域おこし協力隊隊員や、県庁や市町役場の職員の方など、約40人が集合。さまざまな地域づくりの事例に携わる水戸市政策研究会の須藤文彦さんをゲストに迎え、「活動を行っていくためのパートナーシップ」について学びました。
農業、キャリア教育、コミュニティ支援…、多様な協力隊の活動
前半は、当日参加している協力隊隊員の皆さんからの活動発表。常陸太田市(橋本隊員が発表)、北茨城市の箕浦隊員、常陸大宮市(本田隊員が発表)、大子町(石川隊員が発表)、「KENPOKU PROJECT E」の赤羽隊員、小佐野隊員の6組から、いま取り組んでいることやこれから取り組みたいこと、隊員活動の先の将来像について共有されました。
協力隊の皆さんが活動し、取り組むジャンルは様々です。漆や楮など工芸品の素材生産に携わる方、子供たち向けのキャリア教育プログラムを設計している方、演劇によるまちづくりにチャレンジする方…。しかし、ジャンルは違えど、「(隊員を)卒業後どうするか、どう卒業を設計していくか」は共通の悩み。お互いの活動を参考にできる時間となりました。
「地域おこしのためのパートナーシップ」を学ぶ
後半は水戸市政策研究会代表の須藤文彦さんによるレクチャー。水戸市の職員である須藤さんは、仕事で水戸市を盛り上げるイベントの実施や文化施設の新設に伴うまちづくりなどを行うのと並行し、水戸市政策研究会としてサッカー観戦に来るアウェイチームサポーターへの観光案内をボランティアで続けるなど、多様な規模や形態で地域と連携した事業に携わられています。
須藤さんが今回の全体会議に向けて用意してくれた特別講義のタイトルは「地域おこしのためのパートナーシップ」です。
地域/おこし/協力隊
講義はまず、須藤さんからの問いかけから始まりました。「地域おこし協力隊」といったとき、そもそも「地域」とはどこなのか?「おこす」とは、「協力」とは何を意味するのか?
そういった抽象的なことばを、自分の中で具体的なイメージにしながら活動を行っていくことが大事なのではないかと呼びかけます。
「ヒト」が中心にいる
続いて、地域おこし協力隊の「活動」を構成する要素の紹介です。「ヒト(=協力隊)」が「モノ」を使ったり「コト」を起こしたりして活動していく。そしてその基盤には「シクミ」や「オカネ」が必要だといいます。全ての構成要素の中心になるのは「ヒト」。そのため、活動に関わる「ヒト」をどうやって見つけるかがキーになる、と語ります。
活動に関わる「ヒト」の見つけ方について、須藤さんからいくつかのヒントが提示されました。
須藤さんは、「パートナーシップ」とは同じ「舟(=ship)」に乗ることだ、と言います。どこへ向かうための、誰とのパートナーシップが必要なのか?という視点に度々立ち返ることが、活動には必要なのかもしれません。
モノとコト、シクミとオカネ
「ヒト」以外の要素についても、須藤さんからヒントが。例えば活動の「モノ」や「コト」を考えるとき、エリア感の視野を広げることの可能性を指摘します。例えば、地域に継承されている昔の行政区分でエリアを眺めると、市町村単位で観たときには見えてこなかった近隣の自治体と、自分たちのまちとの関係性なども見えてくることもあります。
また、地域の各種協議会など、どんな事業をやるか考えていたり悩んでいる組織や団体等と連携して、実験の場として活用することも有効ではないか、というアイディアも出ました。
エリア感や、相手の立場やメリットを意識するなどして視野を拡げること、同じ舟に乗る者同士というお互いを頼る関係性をつくること。まちで活動していくにあたって、新たな視点をいただけるレクチャーでした。
積極的な交流会も!
講義の後は、参加者同士での交流タイム。何か協力できることを探り合ったり、イベントにお誘いしたり、ジャンルを超えての交流がありました。協力隊には、全体会議以外でもさまざまな研修やプログラムがあるので、既に顔見知りの方々もいます。全体会議が、再会の場や、新たな一面を知る場、そして新しい方とつながる場となりました。
今後もnoteでは、「ネットワークKENPOKU」の取り組みや隊員の活動を紹介していきます!どうぞお楽しみに。
(執筆:岡野恵未子)