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第36話 介護離職の実態④

第33話で働きながら介護をしている人の数を2012年のデータを見て240万人と書きましたが、2016年のデータが見つかりました。※総務省『社会生活基本調査』
その数ですが、

396.8万人!

1.5倍以上になってますね…今は2018年ですからさらに増えているということが予想されます。

働きながら介護をするということは大変と一言で言ってしまえば簡単です。
大変な内容を深掘りしてみると、
・経済的な大変
・精神的な大変
・肉体的な大変
・社会的な大変

と、多様な大変があると思います。この状態で仕事というのはパフォーマンスの低下は必然と言えるかもしれません。仕事に集中…できないですよね?

単純に比較はできないという前提を踏まえたうえで、フィンランドの話をしてみると1970年に既に「子の親に対する扶助義務」を廃止しています。

ではフィンランドでは誰が在宅介護を担うかというとコミューン(地方自治体)が担い、日本のように親の介護を理由に離職する人は珍しいのです。どんなに老いても自分の家に住みたいし、自分のことは自分でしたい。子供の世話になんかなりたくないという国民性なのです。
私は日本も潜在的にはこの考えがあると思っています。今は社会的な常識として子供の世話は親がするものというものがあり、それに無抵抗に従ってしまっているという状態なのではないかと思っています。誰も口には出しませんけど…

『親を放っておくのか』とか、『冷たい』とか言われそうですけれども、肉親だからこそ大変なこともあると思います。適切な距離で冷静に会う事ができるからこそ良好な親子関係を構築できるという面もあると思います。

社会構造が変わって、働き方も変わっているのに親の介護の担い手もしくみも変わらないのはやっぱり無理があると思います。
介護休業法などの法律整備や企業努力も大切ですが、そもそも子どもが介護の担い手である必要があるのかという事にしっかりと向き合う時なのかなと思います。

日本にはまだ無いそういった文化を構築していきたいです。

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