区役所職員にインタビュー! ―子ども・若者部 若者支援担当課 前編―
皆さんは「役所」と聞いて、何を思い浮かべますか…?
ちなみに私は、「何か手続きをするところ」というイメージがありました(笑)。
でも「役所」って、実はものすごく幅広くいろんなことをしているんです…!
今回、ねつせた!では、そんな世田谷区役所の職員にインタビューする企画を始めました🍀
これから、区役所のいろんな部署で働く職員へのインタビュー記事を不定期で発信していきます!
今回は「子ども・若者部 若者支援担当課」!
ねつせた!メンバー「りお」と「みづき」が、若者支援担当課の「S.T」さんにお話を伺いました。
前編である今回は、主に「若者支援担当課」という部署についてのお話です。
「若者」が抱える課題って?
りお まず、「若者支援担当課」という部署をあまり聞いたことがないのですが…、そもそも、若者支援担当課ができたきっかけは何だったんですか?
Sさん 若者支援担当課は、平成25年度に発足して、今年で8年目となります。
その前年に「世田谷区基本計画」ができたのですが、策定していくなかで「青少年や若者への施策が、行政全体から見て非常に少ない」ことや、「不登校、引きこもり、若者の自殺など、いわゆる『生きづらさ』を抱えた若者が非常に多い」ことがわかってきたんですよ。
若者たちは、年齢が上がれば上がるほど、暮らし方や抱えている課題が、広く深くなっていくんですね。私たちは、行政として働きかけていくことで、そういった問題をできるだけ早くに着手していかなければならない、ということになったんです。そのためには、まずは「若者の組織体制の強化」をしよう、ということになり、平成25年4月に、当時の「子ども部」に「若者支援担当課」ができて、その翌年、平成26年4月から「子ども・若者部」に変更して、現在に至るまで若者支援施策全般をやっています。
みづき 確かに最近「生きづらさ」という言葉をよく耳にしますが、若者が抱える課題って、そんなにも幅広いんですね…! Sさんは、実際どういった場面でそのようなことを感じていらっしゃいますか?
Sさん 世田谷区には、3つの「青少年交流センター」があり、私はそこを担当しているのですが、
実は、そこには「家に帰りたがらない」若者もいまして、最近、その原因として「家庭の事情」などのさまざまな事情があることがわかってきました。そういった「帰りたがらない」若者たちは、仲間意識が強く、その分夜遅くまで一緒にいる方が心地よいため、帰りたがらないのかな、と感じましたね。
りお 確かに「帰りたがらない」というのは1つの問題ではありますが、それだけその人たちにとって「青少年交流センター」は、自分の心が安らぐ「居場所」になっているんですね…!
若者にとっての「居場所」
りお ところで、以前、世田谷区のホームページを拝見したのですが、若者支援担当課ではこういった「居場所づくり」が盛んであることを知りました。なぜそのような「居場所づくり」に注力していらっしゃるんですか?
Sさん 若者にとって、「居場所」というのは、すごく大事なスペース・空間だと思うんです。
しかし、若者の中には、元気な人もいれば、周囲に合わせて元気に振る舞っていて一見元気そうに見えるけれども、実は生きづらさを抱えている人もいます。また、今学校に行けていなくて、自分の能力を発揮できないという人もいます。
若者支援担当課では、「元気な若者」と「生きづらさを抱えた若者」という分類をせず、全ての若者に共通するような取り組みを行っています。「居場所づくり」は、その中の1つです。例えば、世田谷区内の各青少年交流センターには「ユースワーカー」がいて、様々な若者に寄り添っています。そういった「居場所」があることで、例えばさっき言ったような「元気そうに見えても、実は生きづらさを抱えている子」は、元気を取り戻すきっかけとなったり、「もともと元気な子」は、さらに生き生きと活躍できる場となっているように感じます。
りお 「生きづらさを抱えた若者」だけを特別に支援するというわけではなく、元気な若者の活躍の場ともなっているんですね。実際、若者たちは、どのような目的で「居場所」に来ることが多いと感じていらっしゃいますか?
Sさん 例えば、「青少年交流センター」には、1人で訪れて、「学習室」で勉強したり、漫画を読んだり、ゲームをして過ごしている人もいる一方で、友達同士で訪れて、卓球などのスポーツや、カードゲームやボードゲーム、テレビゲームなどのゲームをして楽しんでいる人もいまして、それぞれが思い思いの時間を過ごしていますね。
また、「勉強しに来る」などの目的があって来館する人もいれば、「今日は暇だなあ、じゃあ交流センターいこうか」と、時間が空いているから来館する人もいるので、来館理由もそれぞれですね。
世田谷区内の3つの青少年交流センター「池之上」「野毛」「希望丘」は、施設によってもそれぞれ特色がありますので、若者の皆さんには、3か所のうちどこでも、ぜひ訪れてみていただければと思います。
りお 「居場所」には、友達といらっしゃる方もいれば、1人でいらっしゃる方も多いとは驚きました。個人的には、若者、とくに中高生は「仲間意識」や「協調意識」が高いことが多いと思っていて、「居場所」にも友達といらっしゃることが多いのかなと思っていたので…。
Sさん そうですね…。実際、部活終わりなどの中高生たちが、夕方以降に来てくつろいでいたり、小学生たちがみんなでゲームをしている姿をよくみかけるので、友達と一緒に過ごす人が多い印象もあるのですが、あえて学校の友達とは少し距離を置いて、1人で過ごしたり、別の友達と過ごしているというケースも意外と多く、人それぞれ違うし、様々だなぁと思いますね。
みづき 「居場所」は、いろんな若者にとって、重要な役割を果たしているんですね…!
コロナ禍においての、「居場所」での新しい試み
みづき 今回、新型コロナウイルスの影響で、そのような「居場所」にも影響があると思うんですが、実際に何か若者へのフォローをされているんですか?
Sさん そうですね。若者支援担当課が所管している3つの「青少年交流センター」は、新型コロナウイルスの影響で、4月から6月8日まで休館していました。この施設は、中高生以上の若者が対象なんですが、休館中は施設に来られなくて「居場所」がなくなるという心配がありましたので、施設の職員の方々に公園の見回りなどをお願いしていました。実際、公園に多くの若者たちが「たまっている」こともあり、そういったところに声をかけて、若者たちの話を聞くなどしていたんですね。あとは「ユースワーカーと気軽に話そう」ということで、電話相談する時間帯を設けることや、「Zoom」も活用して、普段施設を利用している人などに参加してもらって、雑談やゲームなどをすることで、少しでも若者の「居場所」を確保するための取り組みをしてきました。
りお こういった有事の際にも、若者が何を求めているかを考え、企画・実行されていらっしゃるんですね!
今回はSさんをはじめ、若者支援担当課の方々の仕事への「想い」を感じることができました。
貴重なお話、どうもありがとうございました。
以上、区役所職員にインタビュー! ―子ども・若者部 若者支援担当課 前編― でした!
後編では、区役所職員として働く、Sさん自身についてフォーカスしていきます。次回もお楽しみに!
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