現役大学生が経営する“〇〇ができるCafe&Bar”@経堂を取材しました!
昨年11月、世田谷区内に現役大学生が運営するカフェがオープン。場所は小田急線の経堂駅。現役大学生が企画・運営する「〇〇ができるCafe&Bar」とはどのようなものなのか、またどのような人たちが立ち上げたのか、同じ大学生であるねつせた!メンバーがお話を伺ってきました。(取材日:2022年2月26日)
にわ こちらのカフェを経営されているのは全員大学生とのことですが、出会いのきっかけ、メンバー構成について教えてください。
谷田さん 運営メンバーは現在6名です。1年生1人、3年生が2人、4年生が3人。みな違う大学なんです。出会いのきっかけは、あるプログラムの参加でした。GCP(グローバル チャレンジ プログラム)という、企業で行う研修のようなビジネススキルを学べる団体があって。私はそのプログラムの1期生なのですが、1期から4期の学生が集まって一緒に運営をしています。
にわ いろんな大学の人がいると学べることも多いですよね。素敵ですね!
「カフェを経営しよう」というアイデアは、どのように生まれたのですか?
谷田さん GCPの団体を立ち上げた方が、「カフェ&バープロジェクトをやりませんか?」と声をかけて下さったのがきっかけです。その方は、社会人の傍ら学生支援をしたいという想いで今も活動をサポートして下さっているんです。最初はメンバー全員が「カフェを立ち上げたい」というより、「学生のうちに研修で学んだことを実践で活かしたい」という感じでした。
にわ 実践の場って大事ですよね。やってみないとわからないですし。カフェをオープンする上で工夫したこと、大切にしたことはありますか?
谷田さん そうですね…、コンセプトはみんなで3ヶ月かけて真剣に考えました。私たちだからこそできることをコンセプトにしたいと思って。
プログラム全体の雰囲気や文化としてある、「自分たちで様々なことに挑戦する、みんなの挑戦を応援する、プログラム全体でのつながりを大切にする」が私たちの特徴だと思ったので、それをコンセプトにしよう!ということになりました。
にわ なるほど! 軸になるコンセプトを丁寧に考えられたのですね。他にどんな工夫がありますか?
谷田さん 状況に合わせて新しいことに挑戦しています。最初はこの場所でイベントが開けるようにしたくて。ただ、コロナ禍ということもありなかなかイベントを数多く打つことが難しく、売上が厳しくなって…。そんな中、地元のお客さんの声からテイクアウト需要に注目しました。ポップコーンの販売はそこから生まれたんです。
にわ 経営となると、継続できる体力がないと、やりたいこともできなくなりますもんね。
土地柄・場所柄に注目したのも素晴らしいですね。
にわ こちらは経堂の商店街のバーの閉店時間を利用されていますよね。
谷田さん そうなんです。物件を決める場合、居抜きか間借りになりますが、居抜きは1000万円くらい費用がかかるため、費用を抑えた間借りという選択になりました。お店を間借りできるマッチングサービスを使って物件候補を5つ見てまわりました。新中野、九段下、吉祥寺、押上を見て、ここ経堂にしました。
にわ なぜ経堂という場所に出店を決められたのでしょうか?
谷田さん 決め手はオーナーさんが寛容で非常に柔軟に対応してくださったことと、イベントを開けそうなおしゃれで広い空間があったこと、あとは直感です。経堂には農大通りもあり、大学生をターゲットにできるのではないかという期待もありました。
にわ 個人的にはエリアのイメージ的に吉祥寺とかがいいかな、と思ってしまうかもしれませんね(笑)。
でも世田谷区を選んでいただけて嬉しいです。
谷田さん 他の物件は問題点がクリアできなくて…、ここがよかったんです。貸していただいている元々のお店のコンセプトと私たちのやりたいことがマッチするかも重要でした。ここのオーナーさんは、やりたいことがある人を支援したいという想いをもって間貸しされている方なので、特に私たちのコンセプトと近いと感じました。
にわ それにしても大学生でお店を経営するということに、「怖さ」とかはありませんでしたか?
谷田さん GCPの講師の方2人がサポートして下さいました。クラウドファンディングでの資金集めや立ち上げ時には大変お世話になりました。オープンしてからは自分たちでがんばっています。メニューの開発や調理も全て自分たちでやるのですが、飲食関係の経験もなくて(笑)。簡単なものからメニューをあげ、自分たちでできそうなものに絞っていきました。多い時は週3回、夜に会議をしていましたね。
にわ 学業との両立は大変でしたよね…。「〇〇のできるカフェ&Bar」という店名ですが、これから想定されている「〇〇」はありますか?
谷田さん この店名は、来る人によって変化があるのがいいのではないか、ということで「○○」になりました。これまでは英会話カフェ、大学生起業家でインフルエンサーの友人のオフ会、音楽ライブ、写真展を開催しました。3/2(水)にネイルケアのイベントを予定しています。最近仕事をしていなくて、ネイルケアの練習をしたいという方がいらして。
にわ いろんなイベントがあるのですね。このカフェをやっていてよかったと思うことは何ですか?
谷田さん 良かったと思うのは、地元の方たちに応援してもらえていることでしょうか。みんな優しくていい街だなあと思います。また、お店を運営して「コミュニケーション力の大切さ」を知りました。社会に出れば絶対必要になるスキルを身につける機会になっています。
有馬さん 私も地元の人たちの存在がやりがいになっています。八百屋さん、ケーキ屋さんと仲良くさせていただいて。協力しながら商店街を盛り上げている感じがあります。みなさん温かいしいい人ばかり。
遠藤さん 店頭で販売しているときに、「3月でなくなっちゃうのは寂しい」と言ってもらったり、友人に「すごいね」って言ってもらったりすると、やってよかったな、もっと頑張りたいなと思います。
にわ 一方で、難しいと思うことはありますか?
谷田さん 認知・集客は難しいですね。今も店の外での呼び込みをしています(笑)。
有馬さん 難しさは全部です(笑)。最初は売上げが厳しくて。今はいかにして人を呼び込むか、カフェに来ていただくかが課題です。
遠藤さん お客さんを呼ぶのはこんなにも大変なんだなって思いました。地下にあるので入りづらいですし。自分でもカフェに立ち寄る時は、有名なチェーン店に入ってしまうので。
にわ そうなんですね。況して、コロナ禍での運営は苦労が多かったと思います。でも、この経験は社会に出られても必ず活きていきますよね。素晴らしい活動だと思いました!
取材後記
今回このカフェを取材してゼロから何かを始めることの大変さ、しかしその大変さを理解した上でかける情熱を感じました。私も彼女たちの同世代として大きな影響を受けました。
3月で終わってしまうのが名残惜しくて仕方ないほど魅力的な場所。残り約6日ですが、ぜひ足を運んでみて下さい!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?