雨飾山 - 雨飾色の乙女 / 0601
今日の良
・ジュンと2人で山に行くのは実は久しぶり。みんなで山に行くのはもちろん楽しいけど、ジュンと2人で行くよさもたくさんある。まず、気を使わずに遠出できるところ。同行者の体力を気にしなくていいところ。車の中で大熱唱カラオケできるところ。行ったことない百名山を登れるところ。どこに行くか、直前までに決めればOKなところ。長めの行程の山にチャレンジできるところ。おしゃべりが盛り上がるところ。今後の何かが決まって物事が動き出すのって、だいたいジュンと2人で登っている時な気がする。今日は雨飾山までの道を前日に調べたら、東京から4時間半で「遠っ!」ってなった。4時に集合して、結局今日は9時間運転していたことになるのだね。退屈な時間が全くないっていうのがすごい。
・6月1日って、今日から梅雨!って私は思ってしまう。梅雨の幕開けに登る山が「雨飾山」って、なんかいいじゃんと思う。
・朝集合した時、ジュンはすっぴんだったんだけど、髪の毛切って短くなってる+すっぴんが高校時代のジュンをめちゃくちゃ想起させるビジュになっており、「なんか…エモいね」と言ったら、「まさかすっぴんで出てきてエモいって言われると思わなかった」と笑っていた。
・東京は曇り、関越を登っていくとどんどん晴れてきて「ヤッタァー!」となっていたら、長野のどこかのトンネルを抜けたところでバリガスってて同時に「え…?」となった。新潟は晴れてた。珍しい。
・4時間半もあるもんだから、身の回りの全てを話す勢いで近況報告ができる。ジュンは最近(ずっと?)仕事で辛い思いもしているのだけど、それに対してうだうだ話し、結果的にジュンが元気になっていてよかった。私は、今の会社に入って、サラリーマンの相場感がわかり、かつ、やっぱりとてもいい会社に所属しているのだと思うから、今の自分の境遇から「こう思う」が言えるのが、とても嬉しい。先生だった時のままだったら「やっぱり社会人って大変なんだね…」としか思えなかった。小さなことかもだけど、私が自信を持った大人になるためにはとても大事なことなんだ。
・新潟が晴れているの珍しいから、本当に嬉しい!駐車場に着いたところからもう暑くて、仕込んできていたノースリーブで登り始めた。ワキが出るとすごく涼しいのだけど、日焼け止めをたっくさんぬらなきゃいけなくなるところが難点である。
・登山道に入ると、もう新緑がものすごく綺麗で!一つ一つの植物が元気で葉が若い。それぞれが生まれたてでつるんとぷりぷりしていて、すごく可愛い。どの葉も、触ると弾き返してくるくらいのみずみずしさ。花がたくさん咲いているのだけど、その花たちも咲いたばかりなのか彩度が高く、元気な感じがする。これが、山行の間ずっとそうなのだから本当にたまらんと思う。この時期の山って、いつも以上に山全体が生きている感じがする。ものすごい生命力を感じる。虫もからり出てきているけど、正直あんまり気にならなかった。ジュンが、「目移りしちゃって前に進まない!目があと2個ほしい!」と言っていた。水芭蕉のものすごく大きくて立派な葉っぱが、歩くときに足に当たって蹴ってしまったんだけど、でっかい布団蹴っ飛ばしたみたいだった。
・はじめ、尾瀬みたいな平な道でテンション上がっていたが、ほんと突然急登が現れ、それがめちゃくちゃ長い。かと思えば平ら。緩急ありすぎ。ずっと気持ちよく晴れているし、緑が綺麗だから飽きないけど、曇りだったらなかなかきついと思った。私らが歩き出した時間が遅かったのか、登る時はほぼ誰にも会わなくて、気楽だったのもよかった。
・休憩の時に、友達にもらったキウイ味のドライフルーツを食べてみたら、酸っぱくてプチプチしていてとてもおいしかった!!!キウイこれヒットかも!あんま売ってないけど…
・雪が所々残っていて、雪渓の上を歩かなきゃいけないところがあったんだけど、これがなかなか怖かった。赤く印が付けられているんだけど、雪がシャバシャバで腐っているからすごく滑るし、怖い。歩いている最中にもどんどん溶けて行っているような感じ。しっかりころんで、ズボンにペンキべったり塗ったみたいに泥だらけになった。冬の間に積もりすぎた雪を、夏に向けてどんどん溶かしていっている最中なんだと思う。毎日毎日少しずつ溶けていっているのだなと思った。
・ずっと、去年の6月にいった谷川岳みたいな雰囲気だった。登山道の感じもそうだけど、緑とこの時期独特の空の青さがそう感じさせるんじゃないかと思った。谷川岳みたいなのに、谷川岳よりきついの詐欺だ…と思いながら登っていた。
・ジュンが髪を切ったのとても良い。健康的で、かっこよく見えて、「らしさ」が出ていた。私もそうだけど、今髪長い時の写真見るとやっぱり違和感。今後は自分らしさに磨きをかけるのみ。
・山肌に白く雪が残っているのがとても目立っていて、白いところが谷なんだな目印になっている感じ。窪みに白いゴミが溜まっているように見えて、全部綿棒で綺麗にしたいと思った。
・雪渓も、溶け出して印がつけられていたはずの道がなくなっていた。冬の間雪に押しつぶされた木が地面に這う形で倒れていて、とても滑るからその上を通るしかない道もある。ごめんよ〜と思いながら元気な木を踏み潰して歩いてた。ほんと現在進行形で雪が溶けているから、私らが横を歩いている最中に雪の重みから解放されて、のしって起き上がる木もいて、すごくびっくりした。自分の踏んだ場所と繋がっている木がそこかしこにあるもんだから、自分がふんだことをトリガーに遠くで枝が動くのがいちいちびっくりする。雪はやっぱり眩しかった。
・急登登るのすごく疲れるけど、嫌な感じじゃない。筋トレとか有酸素運動みたいに、辛いもうやめたいっていう気持ちにならないのが不思議。登り始めた時、右側の靴の紐を強く結びすぎて足の裏が痛くなり、登り切れるか心配だったけど、結び直したら足がすっかり治り、どこまでも登れそうな気持ちになった。でもやっぱり暑いし、じわじわと疲れが溜まっていたようで、下山の時には足が震えてたし転びやすくなってた。暑さもあるのかな。でもこれでまた少し強くなった気分だ。
・最近水筒に氷を詰めて、その中になっちゃんオレンジを入れて持ってくるのにハマっている。美味しいのだけど、水筒に氷詰めつめだからすぐに無くなっちゃうのが惜しいところ。なっちゃんオレンジ美味しすぎてハマって、家で飲んでみたら美味しくなかった。山ってすげー
・今思い返すと虫めっちゃいた。けどそんなに嫌じゃないのは、やっぱりそんなに多くなかったのか、私が慣れたのか、私がでかくなって小さい頃より虫の大きさが気にならなくなったのか、なんでなんだろう。
・急登の途中、下から雪の冷気がきて天然のクーラーの風がとてもとても気持ちが良かった。ちゃんと日焼け止め3回くらい塗り直したよ。ジュンは、肩のところちゃんと濡れていなかったようで、肩の端っこだけこんがり赤くなっており、こげぱんみたいで美味しそうになってた。
・急登を登り切って、笹平に出ると、風がとても通ってすごく気持ちが良かった。笹平でゴールならいいのに、その上でももう一回登らなきゃいけない感じが意地悪だったけど、山頂まで登り切ったら、少し上から笹平が見下ろせて、登った甲斐があったなと思った。
・登り返しがあったり、周りの山の雰囲気が苗場山みたいだな、と思っていたら、ジュンも同じことを言ってたんだけど、私はこの時明確に、ここまで2人でやってきたことの幸せを感じた。同じ景色を見て、思い出す情景が全く一緒なんだ。家族でも親友でも恋人でも、どんなに仲良くたって、それぞれの世界がある。同じものを見ていたって、その時に考えることって、みんなそれぞれ違うと思うんだよ。でも、山では、山でだけは、私とジュンは同じ景色を見た時に全く同じ感情、同じ気持ちになるんだ、って思った。これが、ここまで2年間、ひたすら共に登山し、ひたすらそれを記録に残してきた財産だと思った。その時ジュンに「2人っていいね」と言いたかったけど、恥ずかしくてその場では言えなかった。
この間私の職場の、尊敬している同僚に「今の自分がどう考えるか、って、今までの自分の経験から作られているものだから」って言われて、私はそれにすごく共感している。それならば、そうなのだとしたら、今の山での私たちは、紛れもなくJPから作られていて、だから同じ景色を、ジュンと同じように見ることができるんだ、と思った。
心の中は見えないけど、感情を色や形で表した時に、ジュンと私でほとんど一致しているんだろう、と思えた。
・山頂から見下ろす笹平の道が、女の人の横顔に見えるという話を教えてくれた。「何に見える?」と聞いてくれた時に、何にも見えなさすぎて「ナメクジのはった後」って言ったの、もう少しよく考えれば良かった。(動画回してたから焦った。)
ナメクジといえば、登っている途中ジュンg階段でオレンジ色のナメクジを発見した。きれい!というから、「きれいなナメクジってなに?」って思いながら見にいったら本当にきれいだった。あれだったら飼ってもいい。
・山頂までの道で、カラフルな服のおばあちゃん2人組が、背中を合わせて座ってご飯を食べていたのが、とても絵になっていて、可愛かった。私たちもあんなふうになりたいね、と話した。でも、ジュンが「でもでっかいおばあちゃんって見たことなくない?」というもんだから、自分の将来が心配になった。確かにでっかいおばあちゃんって存在するのか?私の場合5cm縮んだとて169cmなんだが
・山頂でカップラーメン食べた!カップラーメン持ってきて正解だった!最近、トムヤムクンヌードルの酸っぱさがたまらなく美味しいと思っている。2人分のお湯だったら、一度に沸かせるんだっていうのも、同じタイミングでご飯が食べれてなんだか嬉しかった。
・ラーメンを食べ終わってのんびりしていたら、ジュンの口数が急に少なくなり、しばらくしたらケーキに生クリームとロウソクでデコレーションしたケーキを出してくれた!私の誕生日を、お祝いしてくれた。山の上で誕生日祝い、初めてだし、準備してくれたジュンがとても可愛くて、とても嬉しかった。プルーベリーのケーキと生クリームがマッチして、山で食べるには甘すぎる。とてもとても美味しかった。
大人になって、恋人以外で、こうやって私の誕生日のためにスペシャルな用意をしてくれる人がいるって、どんだけ幸せなんだよ。ジュンはサプライズが苦手なので、わからなかった?ととても気にしていた。「気づかなかったけど、カップラーメン食べ終わった後にガスバーナーつけてんのは何してんだろとは思ってた」って言っといた。一応、「はぁ〜お湯余ったからあっため直そかな〜(?)」という小芝居をしていたらしい(聞こえなかった)。ケーキを取り出し、生クリームしぼり、ロウソク準備し、動画回しながら渡すところまで1人でやってんの健気すぎる。その後、2人で余った生クリームを「んまいんまい」と絞り尽くしながらケーキを食べた。こういうのが、私は嬉しい。
・前回、直人くんが私のカメラの使い方を教えてくれたので、だいぶ思い通りの写真が撮れるようになってきて、とても楽しい!今日は天気もよく、とてもいい写真が撮れた。ありがとう直人くん。
・下山の最後まで、ずっと楽しかったな。下はだいぶ早く感じた。いつか、今やっていることに注目してくれる人が現れて、もっともっと楽しくなるといいな。
私は、山は山、仕事は仕事と、自分の世界をこれからも全くまじ合わせないということを心に決めたので、よりどちらもやる気になることができている。どちらでも自分が納得できるレベルでやりきり、どちらの世界にも媚びることなく生きたいんだ。ジュンとの関係とJPの活動に、カテゴリーや名前をつけたくないと思う。私の人生にとってこれがなんなのかは、人生を終えるときに、私が決める。
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