見出し画像

硫黄岳 - 優しさに包まれたなら / 0503

今日の良

・人生初めてのテン泊!!!GWの最大イベント、この春の最大イベントとしてめちゃくちゃ楽しみに今日を待っていた。前日から我が家にお泊まりしてジュンと持ち物整理した。私が大きなザックを持っていないので、日帰り登山用のULザックにマットをパンッパンにジュンが詰め込んでくれたんだけど、「なんか違うな…」と思いながら見ていたらジュンも「なんか違う」と取り出していたので、やっぱり違うんだと思った。

・13時に山小屋着、10時に上り開始できればいいからと、朝7時に家を出発したんだけど、GW初日の混み具合はすごくて、3時間のところが結局6時間ぶっ通しで運転したこと。でも5月の良い気候のおかげでエアコン使っておらず、ガソリンも全然減らなかったのでよかった。みんなどこへ行くんだろ〜と思っていたら山梨付近が激混みでさらにそのあとはスイスイだったので、キャンプなんだなって分かったし、アウトドアが流行るのは健康な感じがしてなんかいいなと思った。

・高速から八ヶ岳がくっきり見えて、それがすごくかっこよかった。八ヶ岳の山容をこんなにはっきりくっきり見たのが初めてな感じがして、その迫力に圧倒された。「八ヶ岳」ってナイスネーミングだなって思った。今まで八ヶ岳の形なんて登ったことある蓼科くらいしか意識したことなかったんだけど、だいぶ山の名前覚えてきたからこれが何?っていうのが紐づいたし、当たり前だけど見る角度によって山の位置変わってくるのが面白いなと思った。なんでかわかんないけど、この高速から見ている八ヶ岳が、1番「八ヶ岳」なんじゃないか、と思った。

・6時間も運転していたし、昨日準備で寝るのが遅くなってしまっていたので、真っ昼間なのに2人とも深夜テンションみたいになって笑いのツボが変になっていたこと。私の記憶が正しければ「ジュンは私の恩人…おんち…うんちみたい」っていうので2人で爆笑していたので相当やばいと思う。私は八ヶ岳とか見て感極まっていたので、「ハァ〜〜〜〜〜〜……連れてきてくれてありがとう」とため息の後にお礼を言ったら、ジュンは「渋滞がきつくてため息ついたのかと思った」と言っていたので、ジュンが思う以上に私は呑気だった。

・結局八ヶ岳山荘の駐車場に13時に到着し、きっかり3時間の遅れになってしまった。ジュンは「硫黄岳は比較的地味目な山だから大丈夫だと思うんだけど…」と言いながらも駐車場が混んでて停められないのでは?と心配していたが、そんなことはなくスカスカで、余裕を持って停められたので良かった。駐車場代を払うために山荘に寄ったら、受付のお姉さんが可愛く「双子ですか?」と声をかけてくれて嬉しくて、「行ってらっしゃい〜」と言われてヘラヘラしながら2人で「はい〜」と言った。

・駐車場降りた瞬間からちょっと暑くて、半袖でスタートしたこと。今回は動きやすさ重視の格好がいいなと察していたので、お互い普段日帰り登山ではしないピタッとした格好だったんだけど、丈感とかデザインとか2人ともそっくりで(てゆうか私はジュンに譲ってもらったパンツを履いているからだけど)完全に双子コーデみたいになってしまい、双子コーデ嫌なわけじゃないんだけどお互いいい歳なので「あいつら双子コーデじゃん」と思われてしまうということがつい念頭に来てしまい、どうしても恥ずかしくなってしまった。でも可愛かった(おい)

・今回の登山のテーマははっきり決まっていて、「①ユウ初めてのテン泊を快適に過ごす」と「②ユウ初めてのがっちり登山靴に慣れる」の2つだったのでわかりやすくてよかった。①の方はジュンがなんとかしてくれるだろうと思っていたんだけど(他力本願)、②の方は本当に心配で、私はこの新しい靴をおもりだと思っているので、こんなもん足につけながら何メートルも歩けるのかドキドキしていた。

・ジュンが私にテン泊用のマットをくれて、それをなんとかザックにくくりつけて登ることになっていたんだけど、黄色いマットが頭の上で孔雀みたいに貼られているので、紅白の小林幸子みたいになっていて見慣れるまで相当面白かった。

・普段ザックの中身のしまいかた適当だけど、今回は荷物がたくさんあるためにきちんと整理されて入っていて、いつもより持ちやすかったこと。重いんだけど、背負いやすいので楽だった。

・うちらの後に登山開始した3人組が目的地一緒な感じがしたからジュンが「よかったー」と言っていた。(例によって私はことの重大さがわかっていないので「ほ〜」と思った)

・ここ最近の登山(乾徳山、大菩薩嶺)でオーバーペースのためにしんどくなってしまったという経験と、今回の靴に苦手意識がありすぎるということからビビりまくってジュンが急いでるのわかっていたけど「絶対ゆっくりになっちゃうごめんね」と念押ししておき、めちゃくちゃ無理のないペースで登山開始したんだけど、これがとてもよかった。全然息上がらなくてずっとおしゃべりをする余裕もあるし、景色を楽しむ余裕もあるし、休憩を取る必要がないから水分補給とゴープもぐもぐタイムに立ち止まるくらいでOKだったからロスタイムもそんなになかった。結果的にジュンが「3時間半くらいかな」と見立てていた今日のコースを3時間切るペースで無理なくゴールできたのが、私の中で何か掴めた感じがしてすごくすごく嬉しかった。

・前半戦、車が通れるようなじゃり道をずっと歩くだけのコースで、登っているのか疑問だったけど、後からYAMAPで確認したらしっかり1次関数になっていて、登っている感覚ないからお得だなと思った。登山口のところから先に赤岳山荘とか色々駐車場があって、こっちにも停められたのかな?と思った

・途中から登山道らしい森に入り、橋で川をあっちこっちに行ったり来たりするルートでとても楽しかった。川の音が心地よかったし、ジュンこの間秋川渓谷に川見に行ったのにおばさんに阻まれて見られなかったから、こんなに近くで見られてよかったね、と思った。「硫黄岳」というだけあって、秋川渓谷の川と違って少し濁りがあるというか、白濁というほどではないけど少し色がついていて、綺麗だった。川幅自体は細いんだけど、流れが雄大で、音が心地よくて、色はカラフルで、とてもよかった。鉱物の関係で川底はオレンジ色のところが多かった。石を触ってみると、手にオレンジ色がついた。時間が遅くなっているため若干夕日っぽい色合いになっているので、川の色とマッチしていた。

・「学生時代ジュンとこんなに仲良くなると思っていなったよ」と言ったら、ジュンが「私も学生時代ジュンとこんなに仲良くしてくれると思ってなかったよ」と言っていて、そこは「学生時代ユウとこんなに仲良くなると思ってなかったよ」でいいのにそう言わないところがジュンらしくて面白かった

・ジュンは今回で3回目の硫黄岳で、前2回は雪山シーズンで来ており、なんなら雪山デビューは硫黄岳だったらしく、ジュンの思い出の山だった。どこもかしこも雪山の時とは形が違くなっているので、ジュンも新鮮に楽しんでいる感じがした。

・木漏れ日の入ってこない道に出てくるととても暗いんだけど、暗い道に入るたびに「両神山みたいだな」と思ってしまい、私が両神山のことを「ただひたすらに暗い山」としかとらえていないことを再認識した。景色とかなんも覚えてないけどとにかく暗かった。

・川の色が登っていくに従って変わっていっていたこと。オレンジの川の暖色がだんだん強くなり、赤、赤茶、茶色と変化していっていて面白かった。

・そんなこんなで全然疲れもせずに赤岳鉱泉についたこと。テン場をこんな近くでみるのが初めてだったんだけど、カラフルでかわいかった。可愛いテントたちを撮りたかったんだけどジュンが画角にいて邪魔だったので「そこどいて」と言ったんだけど、今まで写真に写って欲しい指示はあったけどどいて欲しい指示は初めてだったので、ジュンが拗ねてておもろかった。
ついた時間は16時すぎ。時間のせいだと思うけど、初めてのテン場は妙な静けさで、大声で喋ったらいけない図書館みたいな雰囲気で、みんなでこの山の空気を守ってる感じがして神聖な場所な感じがした。

・受付に行く時に、やたらみんなからの視線を感じたし、特にテラスで休憩していた男の人2人組がめっちゃくちゃジュンのことを目で追っていたのでそれをジュンに伝えたら「この時間に着いちゃったからだ…恥ずかしい…」と言っていたんだけど、私は呑気なので「え〜、ジュンが可愛かったからガン見しちゃったんだよ〜💓」と言っていて、楽観的女すぎた。その後、談話室でたまったまそのときの2人組と話すことになって仲良くなったんだけど、「ザック山道ですよね?もう1人(私)のザックもアトリエブルーですよね?すぐわかったし、かっこよくてすごい見ちゃいました」と言われ、めちゃくちゃザック確認していただけやないかーい!!!となった。

・赤岳鉱泉、私が定義している山小屋のイメージから、だいぶ綺麗だったこと。山小屋って何かしらを我慢しながら滞在するイメージだったんだけど、全然快適に過ごせるじゃない、と思った。山小屋のディティール1つ1つが手作りな感じがした。赤岳鉱泉にジュンの知り合いが働いていて、2人が久々の再会を喜んでいて、よかった。

・初めてのテント張り!ジュンが持ってきてくれたテントを全く主体性なく言われるがまま張った。かなりスムーズにできたが、きっとこれはジュンが本職だったからスルーンとできているんだろうな〜(鼻ホジホジ)と思った。ジュンにポールをここまで持って来ることを任せてもらっていたんだけど、ここに来るまで何回も「ポール持った?」と確認されていて、その度に「持ったよーん(軽)」と言っていたんだけど、ポール忘れって結構あるあるミスなことを教えてもらったし、実際にテント組み立ててみたらめっちゃくちゃ重要なパーツだったから、へへーんとなった。(単純の極み)
テント張りは楽しかった(私が何もしなくてもするする立っていくから)。完成したジュンのテントめちゃ可愛かったし、ジュンのザックの中にこんなのが入っていたと思うと四次元ポケットみたいで楽しいなと思った。私の小林幸子と寝袋も無事テント内に敷かれたけど、どう見ても明らかに私の方が快適な寝床になっていたので「ジュン…君ってやつは…🥺」となった。ジュンに何か指示をされてテントの中に入ったんだけど、その際に靴を脱がなかったのでジュンに「テントに土足で入る人初めて見た」と言われた。(ごめん)

・ついてすぐに夕飯だったこと!この日のメニューはステーキで、ステーキがいいなと思っていたので嬉しかった。ご飯おかわりしたら、お腹いっぱいになった。ステーキは自分で焼くんだけど、ひっくり返さなきゃいけなくて、私がひっくり返すセンスが無さすぎて肉がめちゃくちゃに暴れており、悲しかった。

・私たちと同じテーブルに可愛いカップルが座っていたんだけど、私がトイレに行っている間にジュンが話しかけたれたらしく、めちゃくちゃ褒められたと言っていた。「お姉さんたちがテン場に現れた時カッコ良すぎてオーラありすぎてめちゃくちゃ目立ってました。隣のテントだったので、話しかけたいなーどうしよと思ってたら席も隣だったので、話しかけちゃいました」みたいな内容だったらしく、嬉しすぎ!?となった。私いないとこで話しててずるい。お姉さんに言われたことがうちらの中でヒットしすぎて、今年の我々の目標が「オーラをつける」になった。
ジュンの提案でCOEDOビールを持参していたんだけど、これがもうめっっちゃよくて、大して歩いていないのにビールで流し込むご飯がめっちゃくちゃ美味しかったこと。コエドビールは水場のところでしっかり冷えていて、気持ちよかった。ご飯食べる時って黙々と食べた方が美味しいし楽しいって最近思う。食リポとかいらん。動画的には必要なんだけど。

・ご飯後、テントに戻っておつまみ持って談話室に行ったこと。さっき声かけてくれたお姉さんたちがいてまた話ができた。2人がとても絵になっていたから、写真を撮らせてもらった。山にいると絵になる人すごくたくさん見るから、実際に写真撮らせてもらえて嬉しかった。

・談話室のところ、Wi-Fi繋げられてどんだけ便利やねんと思った。でもおかげで知り合った方々とSNS交換できて嬉しかった。今回山では読書するつもりでKindleで本を購入していたけど、そこまでは叶わなかった。談話室で話しかけてくれた男性2人、(カッキーさんとヒデさん)と話したのが、とても楽しかった。ヒデさんは税理士さんらしい。YAMAP交換しましょうと言ったら、みんなYAMAPよりインスタをあげているらしく、今時みんなインスタなのかーと思った。その後さっきのカップルも合流して話して最高の夜だった。ヒデさんが私たちに飲み物をご馳走してくれることになり、さっき売店で見ていいなーと言っていた地ビールを買ってもらった。2つ合わせると八ヶ岳の山容が見えるデザインだった。

・ジュンが「今回で3回目の硫黄岳なんです」と言ったら、2人に「えっ、そんなに若いのに?だってまだ10代でしょ?」と史上最強に若く見られており、「えっと、一応来年で30です…」と言ったのも面白かった。ジュンが今までの登山や仕事での経験を2人に語ったら2人ともすごく驚いていて、「じゃああなたが1番すごいじゃない」と言っていて、私からしたらジュンが経験豊富で頼れるのはもはや当たり前のことなんだけど、「やっぱジュンってすごいのか」と再認識した。

・ヒデさんに、「今まで登った中で1番最高だった経験は?」と聞いたら、尾瀬で、何かの流星群が来る日にたまたまテン泊した時に見た空が忘れられない、と話してくれて、実際に見たわけでもないのにその景色が頭から離れなくなってしまった。林の端から林の端へ、一本の線で繋がるように流星が見えるらしい。そんなことってある?人生で1番の絶景に、私もいつか出会いたい、と強く思った。

・夜に食堂へ行ったら赤岳鉱泉のスタッフさんたちが夕飯を食べていて、それが骨付き肉だったので山賊っぽくてかっこよかった。

・21時にテントに戻ってもそもそと着替え、就寝した。寒かったけど、インナーシュラフと寝袋にくるまったら暖かかった。インナーシュラフのこと、なんだこのペラペラな布と思って舐め散らかしてテキトーにくるまっていたんだけど、ジュンに注意されてちゃんと使ったらめちゃくちゃ暖かくてごめんと思った。まじ道具ってすげえ。頭の上のところに水場があるので、雨の日みたいに頭の上で水の音がずっとしていて、それがあたりの静けさを際立てている感じがした。修学旅行の夜みたいなテンションになって動画撮ったら盛れていたので「盛れてる!」と言ったら声がデカくてジュンに怒られた。

・ジュンは私がきちんと寝られるか心配していたけど、しっかり眠くなってさっさと入眠したこと。なんならイビキでジュンの睡眠の邪魔をするまでした。

・翌朝5時に起きる予定だったのが、自然と5時前に目が覚めたこと。ひんやりした空気が気持ちよかった。

・歯磨きしてテント内でご飯を食べて、テントに荷物を置いて出発した。テント内でアルファ米とスープを作ったら、蒸気でテント内が暖かくなって嬉しくなった。アルファ米は、前回食べた時すごくお腹いっぱいになってしまったと記憶していたけど、今回は全然足らなくて食後にすぐ柿の種食べた。化粧は大きい鏡がないから、長年の勘を頼りにやった。

・朝日の木漏れ日が綺麗だったこと。雪がちょろちょろ残っていたんだけど、途中から登山道に雪の道が出現して、しかもそれが龍の背中みたいに一本の道になっていて不思議だった。踏み固められすぎて、木道みたいにカチカチになっていた。

・今回の動画どんなふうにまとめる?という話から、ジュンが「1日目、2日目にしたらどう?」と言ってくれたんだけど、行動時間ほぼ下山になるというだけでなんも考えず「2日目そんな動画にするところあるかな?」と言ったんだけど、ジュンは驚きながら「え!?ここから稜線出るし、ここからが本番だよ!?」と言っていて、そりゃそうだと思った。実際2日目を終えて動画にするところしかなかったから、この時の自分アホすぎると思っている。

・林の中からガサガサと音が聞こえて、何者かが地面を掘り返しているのを確認し、完全に何かしらの小動物がいる!となったんだけど姿は見えなくて、「何かな?リスかな?鳥かな?リスだったらいいな」と言っていたんだけど待っても全然見えないから痺れを切らしたジュンが「地面だしじゃあリスってことで」と立ち去った瞬間鳥が出てきて「あ、鳥だった」と言ったら「鳥かーい!!!」とツッコんでくれた流れ完璧なお笑いすぎた。

・天気良すぎて、ほんとーーーに雲が一つもなかったこと。八ヶ岳ブルーすぎた。

・途中道がひらけて、八ヶ岳の山肌が目の前にバーーーンと現れて圧巻だった。天気もいいし気候もいいし、風もないし、最高の条件すぎてジュンに「ねえ最近何かいいことした!?」と詰め寄ってしまうほどだった。綺麗すぎて、「もうここまでで十分です」と言った。綺麗すぎて。

・最後の登りを終えた時の雄大さったら。360°良い天気。360°絶景。万華鏡の中の世界みたいだった。ジュンも言っていたけど、自分がここにいると信じられないくらい綺麗で、絶景がものすごく遠くまで続いていて、言葉にならなかった。いつも綺麗な景色を見ると「写真を撮りたい」と思うんだけど、このスケールは画角に収まらないと感じたのか、写真を撮ることを忘れてしまった。涙も出た。山を始めてよかった、と思った。ジュンと一生親友でいられるような気がした。

・ジュンが描いたイラストのステッカーに雪の硫黄岳の景色があるんだけど、見比べなくても着いた瞬間「ここだ」ってわかった。絵で伝えることができる力ってすごい。私は絵でしか見たことないけど、冬の硫黄岳とは全然色が違くて、黄色と緑が美しかった。

・ところどころ雪が残っているのはこの時期ならではなのかな?と思った。画角的に雪と空の青しか見えないところがあって、その時に空がもんのすごく青く見えたので、やっぱり色のコントラストってそれぞれを際立たせるな、と思った。濃い色の山肌が見えているところにポツポツと白があるのが、絵画的でカッコよかった。

・山に泊まってから山に登ると、山にも普通に夜が来て、朝が来て、時間の流れがあるんだ、ここで過ごすものたち(動物や植物)の生活があるんだってことに気づいて、ハッとする。私たちの山ではない。動物や植物たちの山なんだ、と思う。下界と同じ時間が流れているというのが不思議。どっちの方が時間の流れが遅いとか早いとか、そういうことではなくて、ただ別の次元で時間が流れているような感じがする。なんだろうねこの感覚。

・山頂付近を歩きながら、今まで登ったいろんな山のことを思い出していた。ジュンが「わかめごはんみたい」と言っていた林は根子岳に似ていた。鉱物を含んだ土の色は安達太良山みたいだった。山頂の平和な雰囲気は磐梯山だった。360°のパノラマは那須岳を思い出した。そして、どこから見てもかっこいい山の姿は鳥海山のようだった。今まで登ったいろんな山たちが私の中でファイリングされていて、記憶に深く残っているということが、この日引き出されて、今までの登山の記憶がぶわーっと蘇った。この1年、いろんな旅をしてきた。

・山頂まで行くと、どこもかしこも休憩している人が絵になりすぎていたこと。写真を撮ってあげたいんだけど、知らない人とってもしょうがないし、ジュンをあっちこっちに立たせて撮影会をした。ただ私たちの格好が真っ黒で色がなかったので全然映えていなくて、スタイル良いモノクロのジュンよりお腹の出ているカラフルなおじさんの方が映えていて、驚愕した。山での格好に色は必要だ。今後は色のアイテムを集めようね、と誓った。

・山頂、風がなくて気持ちが良すぎて、15分間しっかり昼寝したこと。しっかり寝過ぎてイビキ描いてたらしい。イビキかいてんのは我ながらやばい。山頂に1時間滞在していた。

・爆裂火口があったこと。いけるところギリギリまで行ってみた。そしたら山頂の裏側みたいなのが見えて、「裏側もかっこいいんかい」となった。

・テン場に着いて、テントを回収して撤退した。テントよ、ありがとう。

・下山中手拭いが落ちていて、ジュンがそれを木にかけていたんだけど、その後すれ違った男の人に「どこかに緑の手拭い落ちてなかったですか?」と聞かれてアレのことだ!!!となった。ジュンナイスだし、手ぬぐいひとつ落として諦めずにきちんと探しに戻るの、物を大事にする素敵な人だなと思った。ジュンは手拭い拾った時濡れていたから「うわっ」と言っていたけど。

・慣れない靴だったので下山中に足が痛くなってしまい、悲しかった。紐を緩めたりキツくしたり色々試したけど変なとこが当たって結局痛くなってしまって、歩くのしんどい…となってしまった。頑張って登山道は抜けて、じゃり道の一本道まで来たんだけど、そこからまだまだ先が長いからしんどいな…と思ってたら後ろから車が通りかかって「車いいなぁーーー乗せてほしいぃ」など(小声で)言っていたら、まさかの止まって下さって「よかったら下まで乗っていきます?」とご夫婦が言ってくれて、「いいんですかーーーーーー😭✨」となった。車の中で最低限の世間話はしたけど、ご主人が寡黙な渋い方で、こちらに根掘り葉掘り聞いてくるわけでもなく、ただ八ヶ岳山荘まで送ってくれた。ほんと救われた。練馬ナンバーのかわいい赤い車だった。またどこかで会えたら。
そのご夫婦はもう何回も硫黄岳来ているらしいんだけど、こんなに天気がいいのは初めて、と言っていてより嬉しくなった。ジュンは今回で3回目の硫黄岳だけど、今までで1番楽しかったとも言っていて、また嬉しくなった。
ジュンは車を停め得る1番上の駐車場に停めればよかったね…ごめん…と私の足を心配して謝ってくれたけど、上まで行ってたら行ってたでじゃり道が凄すぎるから「うわーここだったら歩けるし下に停めて歩けばよかったねごめん😭」と言ってそうだから大丈夫だよ、と言った。

・行きの時に会話した八ヶ岳山荘のかわいいお姉さんにまた会って、駐車券1枚で2人分コーヒー飲めますよと教えてもらい、2日分のコーヒーを持参していた水筒に入れて持ち帰った。水筒には1日目のコーヒーの残りが入っていたので水で濯ぎたくて、ジュンと駐車場のところで水筒をじゃぼじゃぼとしていて、水を捨てるときに私が「ほーら雑草たち、水だぞー」と言ったのをジュンが真似して「ほーら」と水を捨てたら水筒の蓋まで捨てていて、くだらないけど笑った。

・山小屋で褒められたり、ビールご馳走してもらえたり、車で送ってもらったり、人との繋がりとか出合いに触れる機会が今回は多かった。車に乗ったときにたまたま流れたのが「優しさに包まれたなら」で、今回の旅のテーマソングみたいだった。

・硫黄岳のバッチが買えなかったのは悲しい。いつかどこかで購入したい

・ジュンと30歳になった時に、「30歳からも人生楽しんでいこうぜ」という希望を込めてこれをやろう、っていうことを1つ決めたこと。何を決めたかは秘密です。

・すごく最高な2日間だったから、車の中でジュンと振り返りをしていて、今までのJP登山ランキング更新された?など聞かれたけど、ここまで思い返して2位かな、と思う。今まで生きてきた中で1番いいGWだったな、とジュンに伝えた。それから、こうやってジュンと山に行くことで青春を取り戻している感じが、私はしていて。バレーボールを辞めた時から私のキラキラした青春は止まってしまって、そこから不遇の時代に入るのだけど、その大学時代燻っていたぶんの青春を今全力で取り戻している気がする。その2つをジュンに伝えたら、忘れっぽいジュンがこれは忘れたくないと思ったみたいでTwitterにメモしていて、なんかいいなと思った。

・登っている途中で、ジュンと夢の共有をしたこと。私はしばらく前から、「人生の目標(夢)は本を出すこと」と言っていて、それは絵本でも、小説でもエッセイ集でも漫画でも写真集でも画集でもなんでもいいと思っていたんだけど、なんとなく方向性が決まってきている。自分の山行を一遍としたエッセイ集を出すこと。山女日記のように「硫黄岳」といったかたちでタイトルをつけ、自分の思い出深い山行をエッセイとしてまとめるのだ。登山には物語がある。毎回毎回登るたびに何かを感じ、「旅」として心の中に残る。私はちゃんとした勉強をしているわけじゃないのでちゃんとした文章は書けないと思っているんだけど、ちゃんとしていない自分の文章を愛していて、形にしてこの世に残したいと思っている。それを手に取ってくれる人が1人でも増えて欲しいから、今発信力を得るためにYouTubeをはじめ色々活動している。中3で教員を目指すと決めた時「まあ教員くらいなら私ならなれるだろ」と思ってなることにしていて、私の人生ずっとそんな感じで、そんな風に「夢」とか「憧れ」とかから逃げ続けてきた私にとって、こうやって胸を張って「これが夢なんだ」と言えるものに出会えていることが、これだけで涙出るくらい嬉しいことなんだけど、ジュンと登山をしているおかげでそれが見つけられて、それが言えて、それに向かって努力できている。今回の山行はジュンにお礼を言う機会が多かったけど、「ありがとう」だけじゃ伝えきれないほど、人生をかけて私がジュンにどれだけ感謝しているのか、自分の感情を歪みなくまるっとそのまま伝えたい。(ので今これを書いている。)ジュンは私の夢を「いいね、素敵だね」とすごく応援してくれていて、「ジュンの夢は?私ばかりでいいの?」と聞いたら、「ユウの本の挿絵をかく」と言ってくれてすごく嬉しかった。ジュンの夢は日本百名山を制覇することらしく、そんなん私の夢の実現と並行して進めていけることじゃない、と思って、2人で違う視点の夢から同じ行動を続けていける?ってことだし、すごく嬉しいと思った。お互いの夢を叶えることがお互いの夢の実現につながる関係。なんだ。私たち。このことは今までジュンと話しているだけで特に発信はしてこなかったんだけど、自分の口でちゃんと語って、きちんと発信した方がいいな、と思った。口に出すことで実現することってあると思うし、協力してくれる人も増えると思う。と言うことで、フォロワー2000人記念の動画の時に、その話をしようかなと思う。
にしても週1動画投稿を始めてから、動画編集をする以外の時間が取れない。今からでも短編を1本仕上げてNoteでもなんでも後悔するのがいいんだと思うんだけど、その時間は全然ないね。まあYouTubeの方が手っ取り早く人に見てもらえるし、今年はフォロワーを伸ばす1年ってことで、余裕のある時間でぼちぼち執筆活動をしていこう。その時の材料、自分メモとして、こちらのYAMAPを活用しています。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?