榛名山 / 2025年山開き
2025年の登山びらき!年末に私がインフルエンザになったせいで、山納めも山開きも予定通りできなかった。年末年始は毎年実家に帰って家族でテレビを見ながら年越しをするんだけど、今年はそれもできないから紅白も年越しご飯も食べられず、新年を迎えた感覚が全くなかった。初日の出は、東京の自宅の目の前の公園越しに朝日が出てくるのを家の中から数分眺めただけ。インスタを見ると、みんな登納めやら初日の出やら年越し登山やらやっていた。でも私は山でも街でもちゃんと年越しも新年らしいこともできていないから、すごく気持ちが冷める感覚があった。山に登ることも、3年間一生懸命やっていた創作活動も、なんの意味があるんだっけ?って思っちゃってた。頑張りたいことを頑張り続けるためには、それを頑張ることが自分にとって重要なことなんだ、ってある種盲目的にならないといけないと思うんだけど、「そっちじゃない」着眼点を持っちゃって、自分が一番言われたくないこと、頭の中で自分自身が言っている感覚、かな。
とにかく山に行かないと、終われないし始まらない。そのことだけはわかっていた。
ありちゃんたちに声をかけたのは、本当に急遽だった。私たちが登る山の候補が決まったのが直前だったから、群馬の山に行くことになりそう、だったらありちゃんたちも一緒に登れないかな、ってことでお声かけ。直前だからダメもとだったのに、2人ともきてくれることになって、とっても嬉しかった。2人が群馬に引っ越しをして、距離的に予定を合わせるハードルが低くなったことの恩恵を早速受けられ、とても嬉しい気持ちになった。
登る山は、元々群馬に引っ越してきたら一緒に行きたいねと言っていた榛名山にすんなり決定。有言実行、うれしい。
この日は、私が年末に使う予定で母に借りていたアイゼンを、母が使うため早朝に返却しないといけないというイベントが発生していた。なので、実家の寄居に一度寄らないといけなかったのだけど、母が山に出発する前、指定された時間は5時だった。はえー。東京を3時半に出ることになった。当然ジュンも付き合わせることになる。大変申し訳ない。
ということで、私は2時半に起きないといけなくなったのだけど、土日の間に公開する予定の動画編集が終わらず、寝るのが1時半になってしまった。インフルで体力が落ちていることに加えて、1ヶ月ぶりの山なのに、睡眠不足確定。本当に今年は大人としてこういうことはしないぞと思っていたのに、一発目からこれかい。もう今年もこういうところは直せないような気がした。
アラームをセットして、スマホを胸に抱きしめて、1時間後に起きられなかったらどうしよう、と半べそかきながら就寝した。
起きたのは2時45分。くそ寒かったし、くそ眠かった。でも起きないと、5時までに母にアイゼンを返せなかったら絶対怒られてしまう。無理だ。眠すぎるし、寒すぎる。こんなに寒いのに、外出してわざわざ寒いところに歩きに行くの、絶対に変だ。ていうか3時は夜だ。絶対におかしい。
1週間布団の中でぬくぬく過ごした私には、3時に山に向けて外出することの心理的ハードルが非常に上がっていた。絶対に誰も悪くないのに、何かに対してぷりぷり怒りながら準備して、家を出た。車に乗り込んだら、エンジンをつけた時に「道間違いは無駄なエネルギー消費につながります。」ってナビの女性に言われて「当たり前だろ。じゃあどうしたらいいんだよ。」って思った。心に余裕がない。
ジュンの家には3時40分に到着。この10分前後の遅刻を今年は無くしたかったのに、そこもまたいつも通り。
ジュンは車に入って「あけましておめでとう」と言った。そうか、あけましておめでとうか。やっぱり全然年越しした感覚ない。私って不幸だな…と思いながら、寒くて眠くて上がらないテンションのまま夜の東京を走らせた。ジュンの姪っ子のエピソードを聞いてたら、だんだん車内があったまってきて、明るい気持ちにもなった。
寄居にて、無事にアイゼンを母に返す。5時ジャストの到着だったが、母はパジャマ姿で歯磨きをしていて「ちょうどだったね」と言われたから、遅れる前提で時間を伝えられていたことに気づいて、複雑な気持ちになった。でも30年間も私の母やってるだけあって、絶対にそうするのがベストと私でもわかる。
寄居を出てもまだまだ夜だった。ジュンが握ってきてくれたおにぎりを食べながら、群馬に向かう。おにぎりはごま油と昆布と胡麻のおにぎりで、取り出した瞬間にめちゃくちゃいい匂いがして、急に食欲が湧いた。ごま油の香りってすごい。ジュンが握ってきてくれたおにぎり、2個を遠慮することなくたいらげた。
4時5時台の高速は、流石に空いていた。今日は超大型連休の最終日だから、流石に帰りは道も混むのかな。順調に群馬に到着し、まだまだ時間があったのでコンビニで仮眠をとることにした。30分後にアラームをかけて、就寝。しっかりアラームの音で目覚めたので、仮眠と思えない熟睡をかましていたことが起きた瞬間に理解できた。ということは、また寝起きの不機嫌の再来。寒すぎて眠すぎて、これから山に登ることが無理すぎるなと思った。眠ったと時には暗かったはずだけど、起きた時にはしっかり外が明るくなっていたので、車中泊したみたいな気分(それは言い過ぎ)。
ゆるゆると化粧をして、追加の朝ごはんと行動食をコンビニで調達。久しぶりだったから、何を買ったらいいかわからなくて、無駄に時間がかかってしまった。最近リッチなポッキーにハマっているので、買ってみた。
ジュンがなかなか帰ってこないなと思ったら、シーフード春雨ヌードルにお湯を入れて登場した。袋をもらっていないから両手が塞がりまくっていて、食べ物をいっぱい持っているせいでドアを開ける時にカルピスをおっことしていて、間抜けだった。
「榛名湖に行くにはチェーン必須」と道に書いてあり、「そうだったっけ?」と思いながら、道の様子を慎重に確認しながら向かったけど、今日は運よくなのか道は問題ないようだった。この時期の榛名で道凍っているの見たことなかったけど、確かにそこそこ標高あるし、当然そういう日もあるんだね。ラッキー。
メロディーラインの「静かな湖畔の森の影から♩」を聞きたくて、2分くらい窓を開けていたけど、車の中が冷えて不機嫌になった。この調子で本当に山登れるか?
駐車場には、ありちゃんたちが先についていて、準備をしているところだった。車の外に出ているだけでも立派に見える。
窓を開けて挨拶したものの、例によって外に出る勇気が出なかったため、靴紐を縛るなどできる限りの準備を運転席から手の届く範囲で行った。横着の極み。ジュンも準備ができたので、「よし行くよ、エンジン消すよ」と満を持してエアコンのスイッチを切った。もう逃げられない。外に出ないと。
とまあこんな具合で、山に登る資格などないほどうだうだやっていたのだけど、車から降りてありちゃんとリョータくんに挨拶したら、会えてうれしい気持ちで本当に元気が出てきたから不思議だ。彼女らの持つ陽のパワーって本当にすごいんだよな。助手席側にいたジュンは「やっと出てきたなー!」って言われたらしい。
ありちゃんたちは、体操を終えたところだった。前回、鳳来寺山に登ったときも2人で並んで体操をしていた。登山の丁寧に1日を始めようとしているところに、本当に人柄が出ていて恥ずかしくすらなる。暮らしも創作も、本当に丁寧に向き合っている2人なんだろうな。
最近ジムに行ったから胸筋がきついかもしれない、というそんなわけないありちゃんの近況報告を受けながらザックを背負って登山を開始した。ありちゃんは、群馬に来る前から榛名山を知っていたみたいで、群馬に来たら登りたいと思っていた山の一つだったんだそうだ。私は母たちと何回も榛名山に来ているし、寄居出身だから群馬なら私の方が詳しいぜ、案内したいぜと思っていたけど、ありちゃんは引っ越してから1ヶ月で私なんかより全然群馬のことをたくさん調べて、たくさん愛しているのが伝わってきた。榛名山も、紙の地図を印刷して持ってきていて、遠足みたいで可愛かった。ところどころ、注釈が書いてあった。
今日は、榛名富士から最初に登る。8時ごろ登山をスタートした。
榛名富士の入り口のところに、大きな落ち葉が池のようにたくさん集まっているところがあった。そこに霜が降りていて茶色い落ち葉が透明な鱗で覆われていて、めちゃくちゃ綺麗だった。ただの枯葉なんだけど、私たちには宝物がたくさん落ちているように見えていた。葉っぱだけでなく、木の枝にも同じように鱗がついていて、リョータくんはそっちの木の方を手にとって持ち上げていて、やっぱ男子って剣とかの方が好きだよなと思った。ありちゃんは今日カメラを持ってきてくれていたのだけど、落ち葉ではしゃぐ私たちを被写体にしながら、「今日はカメラから火が出るぜ」って言っていて、めちゃくちゃセンスいいコメントで好きだった。私が葉っぱを持ってニコニコしていることろを、リョータくんがさっきの枝を上に掲げて枝を揺らして鱗を落とし、落ちてきたキラキラの中で写真をありちゃんが撮る、っていうふうに協力して撮影してくれていて、七五三みたいな気持ちになった。
まだ歩き始めて1分も経っていないから、体があったまっているわけでもないのに、こうやってなんでもない景色で元気になれるんだなーって思ったし、それを同じテンションで共有できるお友達ができたんだってことも、とても嬉しかった。
ピークとも言えるほどの盛り上がりを登山口で見せ、若干燃え尽きながら登りが始まる。自然に感動するフェーズを一旦終えてしまっていたので、登りだした時には、世間話を始めていた。群馬に引っ越してきてどうか、とか。兄弟の話、とか。インフルエンザが大変だった、とか。猫を飼いたいんだ、とか。誰が何を喋ったかもあんまり覚えていないんだけど、とにかく覚えているのは、会話の流れも話題も、全部友達同士だなって思ったこと。間が全く気にならないし、誰と誰が喋っててもいいし、冗談も言えるし。そんで何話したか覚えてないっていうのも、友達同士のそれだし。
そんで特にジュンなんだけど、ジュンって気を許せていない人に対して背筋が伸びた感じで接するところがあって。仲良くなればなるほど、甘えん坊になるというか、ふにゃふにゃになる。呂律が回らなかったり、ゴニョゴニョ喋ったり、人見知りしてる人みたいなリアクションが出てくる。今日ジュンがそれになっていたから、ジュンが2人に気を許せたんだなーって思って、それもとても嬉しかった。私ももちろん、ずっとリラックスして会話をしていた。
榛名富士を登りながら。久しぶりの登山だったので、体力・筋力面が心配だったけど、あまり苦しさを感じなかったので嬉しかった。ジュンも言っていたけど、山に入っていくことで淀んでいたものが流れていくよね、という感覚。1ヶ月沈殿していたものが、一歩一歩標高を上げていくごとに、冷たい空気にどんどん削ぎ落とされていくのがわかった。だから苦しいとか疲れるとかがあんまりなくて、ただ「山に帰って来たんだな」って思うことができた。榛名富士の登りって、正直何があるわけでもないんだよね。たまに振り返ると榛名湖からだいぶ離れたなー登ったなーって思うくらいだけど、それも裸になった木の林の間から見えるだけだから、展望がいいとは言えないし。
霜がいろんなところに生えているのは少し楽しいけど、登りの最中に注目するほどのポイントは感じない。でもすごく気持ちよくて、冷えたカルピスが喉を通る感覚が心地よく流れて、だんだんと内側から暖かくなっていくのは、体だけじゃない気がした。
登りながら、私の後ろにいたありちゃんがザックの中身に注目してくれた。メッシュの中に色々入るのが羨ましい、と。ありちゃんのザックは7年?使っているらしく、メッシュの中に夢をたくさん詰め込んで歩くのがやりたいそうだ。一つのザックを7年も使い続けることができるありちゃんって素敵だなと思ったけど、今のザックがついに壊れた時にどんなものを買うのか気になるな。メッシュの中に著書を入れて、宣伝しながら歩いたらいい。
ありちゃんは私たちの持ち物を「2人はおしゃれだから」とすごく褒めてくれる。私はシャツを褒められて、とても嬉しかった。実は私が着ていたこのシャツは、山を始めたばかりの頃ジュンとジュンの知り合いのおしゃれ女子2人と一緒に登った時、みんなが服を褒め合うターンで私だけ何も褒められなかったというトラウマのあるシャツだった。私はあの時のことを根に持っているので、今日ありちゃんたちが褒めてくれてとっても嬉しかった。あの時の私に伝えたい。
榛名富士のゴンドラ乗り場に到着した。冬でも動いているゴンドラは、9時営業開始らしく、山頂はとても静かだった。テーブルとベンチに霜が降りていて、板チョコに粉砂糖がかかったみたいで可愛かった。
休憩中、ありちゃんが五円チョコをくれて、冬の寒さでパキパキになったおみくじつき五円チョコを食べた。ジュンは紅茶を持ってきてくれていたので、それを私の熱湯入りの水筒に入れた。下山する頃にはお茶が出ているかな。
ありちゃんは、お笑い好きの私と話を合わせるために「M1を見てユウちゃんと話せるようにしてきたん!」と言って、真空ジェシカの2本目のネタを披露してくれて可愛かった。そのシーンをチョイスするんだと思うとおもしろかわいい。
全員M1を視聴済みなんだということが確認できたので、そこからは私が入れていたスイッチを切って(言うためのスイッチを入れたのではなく、言わないようにスイッチを入れた、がポイント)、思いついた時に思いついたM1のネタを喋りだしたら、リョータくんに「M1のネタだけで会話しようとしている?」とつっこまれた。わかる人がいると嬉しいんだもん。
榛名富士の山頂展望台は、記憶の中よりもずっとずっと遠くまで見えてなんだか嬉しかった。すごく天気がいいから、富士山までくっきり見えた。そういえばまだお正月なので、富士山が見られたことはとても嬉しい。奥に見える浅間山はやっぱり真っ白で、ものすごい存在感だった。秩父の山も見えるし、東京の市街地まで見える。スカイツリーは結局どれかわからなかったけど、スカイツリーなんか東京に住んでればびっくりするくらいいつでも見えんだから、「まあスカイツリーはいいよ見えなくて」と言った。
浅間山とかで感動した後だと、妙義山が想像以上に近くてちっちゃくて、なんか規模がしょぼくてショックだった。難易度とは関係ないんだけどね。
ありちゃんは山の近くに住めていること、窓から山が見える景色があることがとても嬉しいらしく、群馬の山の名前をたくさん覚えたんだと張り切っていた。東京に住んでいると、住んでいる土地を愛するとかそういう感覚に触れる機会がとても減る。便利なことが正義。「駅前にミスドある?」っていうのが基準になる中で(それも偏見)生きているから、ありちゃんの土地を思う心に透き通った輝きを感じちゃう。群馬のことをたくさん知るために、資料館とか図書館とかに通っているみたい。土地と自然を愛せるありちゃんが、県民の郷土愛が強い群馬にやってきたこと。素晴らしいマッチング。らしさ、ってはまると愛すら感じるよな。
4人で写真を撮ろうと意気込んで三脚を用意するありちゃんの方を振り返ったら、ちょっと薄着のリョータくんに胸筋が装着されていることに気がついた。筋トレの成果出てるじゃん!と。筋トレって性格と人生を明るくするよね。「やっぱお風呂上がりに体見てポーズ決めたりすんの?」とかなんやらかんやらといじっていたら、「そんなこと言われるために筋肉つけたわけやない!」とつっこまれて嬉しかった。(日々ジュンと一緒にいるからツッコんでくれる人の存在がありがたい)
みんな初詣はしたの?というトークテーマで、ジュンが「8回した〜」と言ったらリョータくんが「え、なんで?スピなの?」って言ってんの面白かった。(スピリチュアル好きなの?の意)
実際は川越の七福神巡りをしたから年始5日にして初詣の回数荒稼ぎしているだけなんだけども。私はしてなかったから今日できたらいいな、と言っていたら、神様がいっぱい祀られているところを示す看板が現れた。ジュンが「スピってくれば?」というのでお参りすることにした。お参りのこと「スピる」っていうのやめい。
「石長姫大神・榛名富士大神・保食大神・饒速日大神」って書いてあって、神様が祀られた石碑が大小4つ並んでたから、私だけ手を合わせておいた。そしたらありを先生が「ホショクダイジンか〜」とボケでもなんでもないタイミングで謎読み間違えを爆発させてて大笑いした。正しくは「うけもちのおおかみ」ね。まあ読めないけども。
山頂の神社でもお参りをした。奥まで行くと、真っ白になった谷川岳が綺麗に見えた。ありちゃんが友達に群馬に行くと言ったら、谷川岳のことを「谷様」と言われた話、好きだな。
榛名山の標高が意外と高いことにめちゃくちゃびっくりした。そうか、麓の時点で標高1000mあるのか。そりゃ寒いわけだわ。
行きとは別のルートで下山して、湖の辺りを歩いて次の山へ。途中でさっきパックを入れた紅茶の水筒を開けてみたら、フルーツのいい匂いが香って嬉しかった。冬にあったかいお茶はいいですね。下山しながら、誰がブルベだイエベだ、それぞれのイメージカラーはなんだ、という話をした。ジュンが「リョータくんは緑のイメージ!」と言ったら「それさっき緑の服着てたからじゃない」と論破されていたし、「私はグレー寄りの少し暗めの白のイメージだなー!」と言いながら振り返ったら、グレー寄りの少し暗めの白のシャツを着ていて、2人してなんの説得力も得られなかった。リョータくんが下山しながら「それにしてもまあ…仲良くなったよなぁ。こんなガワのガワの話してんだから」と言っていたのを、白だ緑だ言ってて一度聞き逃したけど、ありちゃんが「リョータくん今いいこと言ってたよ!!!」と会話を止めてくれたので、無事もう一回言わせることができた。
ありちゃんが「下山したら、以前ヒルナンデスで観た伊香保温泉い行きたいんだ、2人の時間が許すなら」と提案してくれたので、「許す!」と言った。なので途中から下山活動のことに思考を持って行かれてしまって、そうするとどうしてもお腹も空いてしまう。榛名富士を登った後、烏帽子岳とか掃部ヶ岳とか色々登りながら一周するつもりだったけど、すっかり下山活動に気を取られ、「もうそんな色々登らなくて良くない?」モードになってしまった。なので、個人的に一番の見どころである硯岩にのぼって、それ以外は湖の周りの平地を一周することになった。やっぱいつでも下山できちゃう山ではついつい楽な方に流れてしまいますね。リョータくんは嬉しそうで、ありちゃんは若干残念そうだったかな。いつでも来られるから、また行ってみておくれ。
フランス料理屋さんかな?セゾンドはるなのところから湖に降りられたので、そこで休憩をすることにした。ジュンが持ってきた堅揚げポテトを「今日は鯛だし味にしました。なんてったってめで鯛から!!!」と取り出したので、みんなで拍手した。鯛出汁味の堅揚げポテト美味しかったなー。3人で並んでポテチ食べてたら、リョータくんがとってもいい写真を撮ってくれて、嬉しかった。
赤城山の大沼、2月には全部凍るかな?って話をしてたら、凍った湖が見たくなって、今目の前にある湖に近づいてみたら、端っこの方は薄く氷が張っていて、めちゃくちゃテンションが上がった。上に乗るとパリパリ割れるのも楽しいし、氷の下に入った空気の玉をポワポワ動かすのも楽しい。ありちゃんが割れた氷を持ち上げたら、それが想像以上に部厚くて大きくて、ジュンとリョータくんが座っているところまで持って行って、コンクリ壁に叩きつけて割った。ほんとガラスと何も変わらない見た目に背徳感が半端なくて、おっきい氷を拾ってはコンクリンに叩きつけて割って遊んだ。その後も、氷をどこまで遠くに飛ばせるか試したり、ありちゃんは自然の中から遊びを見つける天才だなと思った。ジュンは手が冷たくなっちゃうよ、とずっと私に注意をしていたけど、その後ちゃんと手が冷たくてたまらなくなってしまった。反省はしているが、後悔はしていない。
烏帽子岳などはスルーして、硯岩に向かった。意外と急登で、なかなか疲れた。テンション上がって誤魔化していたけどやっぱりまだ当然本調子じゃないよなと思った。途中、ジュンがたべっ子どうぶつグミをくれたんだけど、ありちゃんが柄を見ずにパクリと食べていて、「意外に柄を気にしないんだね」と言われていた。
硯岩に向かう道は、初めて通った道だったと思う。伐採された木がたくさん置かれている場所があって、その並べ方がなかなか芸術的で面白かったから、そんなに着目するところでもなかったように思うけど、結構4人であーだこーだ言ってた気がする。そういう、しゃべってもしゃべらなくてもいいようなことをダラダラ話せる関係なのが、嬉しいな。
私高校時代、友達とこういう話ばっかりしていた気がするんだけど、大学生になってみたらそういう話が友達とできなくなって落ち込んだのをすごく覚えている。大学生ってさ、部活とか席が近いとかで自然に仲良くなるっていうのがなくて、「この人と仲良くなりたいな」って人を自分で選んで仲良くなりにいかないといけなかったんだけど。それでファッションが近いとかで仲良くなった子達が、なんか気が合わなくて。私が「こういう話」をすると盛り上がらなくて、いつもネイルとか髪色とかの話で、超つまんなくてさ。変わったやつだなーみたいに思われてたと思うんだよね。
楽しくなくて、大学もつまんなくてさ、友達になったからって、誰とでも自分の話したいこと話せるわけじゃないんだなーって思ったんだ。みたいなこと思い出して、だから同じことに興味が湧いたりとか、同じことで笑えたりできる友達がいることが、すごく嬉しいんだぁ。
硯岩からの景色は、もう何回目かわからないけど、それでもすごく感動した。さっき登った榛名富士が正面に見えて、湖の氷が張っているところとそうじゃないところの光の反射の仕方が違くて、上から見えるとそれがくっきりわかるのが面白かった。体を乗り出して、そのまま下に落ちていけるくらい開放感がある。人生ゲームの家みたいなホテルが、上から見ると余計にそれに見えて、可愛んだ。みんなでがけに座って写真を撮ったけど、リョータくんは端っこまでは来なかった。
以前お母さんと一緒にきた時に、怖いからそこには立たないでって言われた岩の端っこがあるんだけど、「親に言われたから立てなかった」っていう記憶だけやたら残ってて、反抗の心で立つことにした。すごく気持ちよかったけど、お母さんにだめって言われたからこその登ってみたさだったなと思う。みんなハラハラした顔で私のことを見守っていた。
榛名は山歩きJPを始める前、ジュンとお気楽隊と一緒にきていたのだけど、ジュンがその時のことを思い出して「あの時はここでこうした」っていうのをたくさん語っていて、ジュンの記憶がそんなに鮮明に残っていることに驚いた。私は覚えているけど、ジュンはそういうの覚えておくの苦手だから。JPで動画にするから一度登った山は基本登らない3年間だったけど、もしかして私と一緒に登って記録が残ることで、ジュンの記憶はとても保たれているんじゃないかという仮説を考えて、私のやっている記録がとても意味のあることに思えた。本当にジュンの備忘録になっているんだなー。
下山はあっという間。降りたところで「ロマンス亭」っていうご飯屋さんがあって、わかさぎのフライが美味しそうでみんなで吸い込まれていった。私とありちゃんは舞茸の天ぷら丼を食べた。ジュンからわかさぎを数匹もらって食べたけど、スナック菓子みたいにふわふわサクサクしていてめちゃくちゃ美味しかった。
そこからは、ほぼ反対側まで歩かないといけなかったけど、平地だから余裕だぜ。ありちゃんがトイレに寄っている間に、みんなで凍った湖に木の枝を落として遊んだ。全然割れないし、遠くまで滑っていくのがなんとも面白い。トイレから出てきた時に、私たちがいないからありちゃんが若干焦っていて、可愛かった。
ありちゃんは水筒にココアを入れてきていたんだけど、ありちゃんがそれを飲んでいたらリョータくんが「一口ちょうだい」と言ってありちゃんに「あなた同じもの持ってるでしょ。朝私が入れてあげたんだから」と言われてんのが、めちゃくちゃ可愛かったな。
平地を歩いても体は全然温まらない。ちゃんと冷えた体で、温泉を心待ちにすることができた。駐車場に戻ってきたら、馬が駐車場に繋がれているのに2人が驚いていた。私たちは、私が以前榛名に来た時に馬に乗って一周した話をジュンにしていたから、榛名に馬がいることは知っていたので「うまだー」みたいなリアクションをしていたら「なんでそんなに驚いてないの?」と言われて面白かった。
「わかさぎを勝手にとったら罰金20万円」って書いてある看板があって、へーと言いながら川をのぞいたら、死ぬほどワカサギがうじょうじょいて、確かに取りたくなるわ!!!と思った。あの看板めちゃくちゃ必要なんだな。
伊香保温泉の、石段の湯にはいった。ありちゃんがお店の人に温泉の歴史を聞いていて、さすがだなー。お店の人も質問してもらえてすごく嬉しそうだったし、ほんと人に愛される力のある人だよな。出てすぐのところに玉こんにゃくが売っていたので、ほかほかした体でハフハフ食べた。そのまま裏路地を探検したりしながら365段の階段を登り、山頂の神社で参拝をして帰路についた。
帰る時、遠くからきているからと私たちを送り出してくれる2人がいつも温かい。車が見えなくなるまで、2人そろって手を振ってくれる。心の優しい人たち。帰りはジュンが運転してくれた。レッドブルを飲んだのに30分爆睡をかましてしまい、申し訳なかったな。帰りの車でラジオを録りながら、今年の目標とか具体的に話した。ジュンは、私といると最強になれる、と以前言ってくれたけど、それは私も同じ。私の苦手なことを補ってくれるから、っていうそういうスキル的な面だけじゃなくて、ジュンといると私は活動的になれて、ジュンといなかったら出会えなかったような素敵な人たちとお友達になれている。人生がどんどん豊かになるよ。ありちゃんリョータくんと、これからもたくさん遊びたいな。
やっと2025年が始まった。今年もいい年になりそうだ。