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至仏山 - 冬の名残を歩く / 0428

今日の良

・久しぶりに4人での登山!今私は遅刻癖を治すために、何事においても遅刻したらジュンに500円払うキャンペーン中なので、ジュン宅に5時集合も絶対に遅れないように頑張って準備したが、忘れ物ピックアップのために5分遅れてしまい、ちゃんと500円支払った。不測の事態が起こった時のために、10分バッファを持って計画をしておくべきだなと思ったし、世の中の大人は多分みんなそうして生きているはずなので、今更そんなことを考えていることが恥ずかしくなった。

・よっぴが久しぶりに山に来てくれることになって、とても嬉しかった。早起きできるか心配しながら前日1時ごろ就寝した。朝、やっぱりきつそうで、一生懸命起こしたんだけど、私が化粧をしている時に起き上がったであろうよっぴから「あー…山かぁ…」という声が聞こえて、つらそうでかわいそうだった。(後から聞いたら、ほとんど寝ていないでオール状態だったらしい)
よっぴ山の服の種類弱者だからコーディネートのが1パターンしかなくて、チルタリスの帽子を被ろうとしていたので「チルタリス暑いから、こっちにしなよ。そんなの被ったら熱中症になっちゃう」とEYLを貸してあげたら、お気に入りのチルタリスを取り上げられて、若干拗ねていた。

・前日にジュンと会った時にジュンの家の近くのコンビニで見た「シーフードヌードルバターコーン味」が美味しそ〜と思っていたら、今日もまた同じコンビニに寄ったために購入できて嬉しかった。4人ともカップヌードルをセレクトしたが、4人とも違う味だった。

・睡眠時間が短かったので眠くて本調子になれず、行きの車でよっぴと運転手交代した。SAに寄って後部座席に「交代するね」といったら、後部座席の直人くんもドアを開けて交代の準備に備えていて、可愛かった。(後ろの2人は交代する必要ないんだよ)

・助手席ですやすや寝て、起きたら高速降りたところだったのだけど、よっぴが「てかさ〜!GWみんなでビーニーとかカラオケとかしようよ」と2人を遊びに誘っているタイミングだったので、2人と話せて楽しかったんだなと思った。起きてから「何話してたの?」と聞いたら「えっとね〜、窓から手を出すとおっぱいを触ってるのと同じ感覚なんだ、って話と、手を波みたいに動かすと飛行機みたいになるんだって話」って言っていて、全く話題にも上がってないめちゃくちゃくだらないことを言う、というボケかと思い「またまた〜、本当は何話したの〜」と言ったけど、後からジュンから「その二つの話ほんとにしてたよ」と言われた。ボケじゃないんかい。
(よっぴ的には「いろいろ話した中で1番くだらないことを報告する」というボケではあったのだと思うけど、実際にその会話していたとなると予想をうわまわるくだらなさでおもろい)

・群馬はまだまだ桜が咲いていて、まだまだ春なことに驚いた。空の色と木々の色と、全体的に景色の色合いが春の淡さだった。

・インター降りたくらいからとてもあったかくて、直人くんが「チェンスパいらなくね」と言ったらジュンが「いる!!!」と鼻の穴膨らませて言う降りがおもろかった。(後部座席なので見えてないけど、多分鼻の穴膨らんでた)「暑くね?チェンスパ重くね?捨てる?」「いる!!!」の反射神経好き。

・第一駐車場がいっぱいで、たくさん登山客が来ているようだった。とんでもなくいい天気だもんね、こんな日、ハイカーだったら家にいられないよね。

・駐車場に車を置いた後、バスで30分上まで上がった。小さなバスにぎゅうぎゅうになって運ばれた。みんな荷物が大きいから、大人たちがきゅっと小さくなって揺られていて、なんか可愛かった。

・登山口からめっちゃくちゃ雪の上歩いたので、めちゃくちゃチェンスパ必要だった。

・フィルムやってた頃の方がカメラ楽しかったな〜ってところから、もう少し丁寧に写真を撮ろうと心に誓った。別に失敗してもいいから、でバシャバシャ撮ってたけど、結果的にその時切り取りたいと思った瞬間がどこだったのか後から見てもわからなくなっちゃうから、フィルム時代のようにちゃんと被写体に指示出して写真撮ろうと思う。と言うのを意識したら、ここ最近で1番写真良かった気がするな。

・想像以上に温かく、そして想像以上に雪山だった。残雪期の山って初めてで、濃いグリーンと雪と、今日はものすごい青空のコントラストが素晴らしかった。ここまで雪がある山に入ると、木にも少なからず雪がついているものだったけど、今日は木の上の雪はぜーんぶ溶け切ってて、下は冬なのに上が春の景色なのがすごく不思議に思えた。冬って、木が凍ってとにかくひたすら我慢しているように見えるんだよね。今日見た木たちは、冬の頃よりも元気に見えて、でも足元は雪で。木は上しか見てなくて、まだ足元に冬が残っていることに、気づいていないのかなと思った。前しか見ない系の性格なのかもね。

・時計回りで回るのが、残雪期の2週間限定のルートらしい。そんなのみんな歩きたいよね。

・冬山の雪とも、スキー場の雪とも違った質の雪の上をひたすら歩いた、大きい粒がシャバシャバしている感じ。古い雪なので、全体的に汚れていて、真っ白って感じじゃないんだけど、山の景色の中だと圧倒的に白だった。これから目指す山頂がずっと右手側に見えていて、山頂も白かった。硫黄岳を思い出した。

・よぴと直人くん、2人ともアースカラーの落ち着いた色の服を着ているので、2人で並んで歩いていると兄弟みたいでめちゃくちゃ可愛かった。よぴがおととい後頭部刈り上げたばかりなので帽子をかぶると坊主みたいで、ジュンに「潔い後頭部だね」と褒められて喜んでいた。一方でお兄ちゃんの方の直人くんの後頭部はめちゃくちゃ髪の毛がはみ出していて、反抗的な後頭部だった。
私らが動画撮ってる間に男子2人がサクサク先に行っていたんだけど、その時にドラゴンボールとかワンピースとかハンターハンターの話してて、話題が男の子すぎてとても可愛い。よっぴ同い年のお友達できて良かったね、って気持ちになる。(キルア、ゴンと友達になれて良かったねと全く同じ気持ち)

・今日はスノボ・スキーを担いで上がっている人がとても多かったと思う。林を抜けて至仏山の全貌がパァーっと見えたところで、斜面を滑り降りている人影がいたらしく、どこだあそこだとみんなで騒いでいた。結局私は見つけることができず、みんなが騒いでいるのを聞いていただけなので、今でも60%くらいあれは嘘だったんじゃないかと思っている。

・家族に至仏山に行く、と伝えたら父さんが「背負って登ったよ」と言っていて、私の中にもその記憶があったつもりだったんだけど、今日見た残雪の至仏山は記憶の景色と似ても似つかなくて、勝手に身近な山だと思っていたのが、雪で厚塗り化粧して別人になっているような不思議な感覚だった。

・空の青がもう本当に青すぎて!!!でも、春の空なので、真冬よりも水色に近づいていた。空のいろで、ちゃんと季節がわかる。

・雪山って好きなんだけど、冬だから厚着しなきゃいけないところが嫌だったのに、今日は薄着で雪山にいられるっていうのが新感覚すぎて、すごく贅沢をしている気持ちだった。

・映えさせるために、ジョジョ立ちして撮ろ〜と、思いつきではなくわざわざ予約してまでジョジョ立ちを直人くんに撮らせたのに、撮れた写真のコレジャナイ感が凄まじく、とても不愉快だった。何もかもがダサい…

・よっぴが雪に寝転がってチルしててとても良かった。すごく気持ちがいい、と言っていて、とてもとても嬉しかった。今日天気とかすべて最高すぎて、登ったら絶対「よっぴも連れてきてあげたかったな」って思ってたと思うから、この場にいて、同じ景色を一緒に見られていることが、何よりも嬉しい。山の高さとか、空の広さとか、景色から感じるその季節の彩度とか、そういう言葉では説明できない風景を、同じところで見られているのが幸せ。山は言葉を喋らないけれど、ここにいるから感じる共通言語があって、この体験を通して少しずつ形成される価値観がある。そういう瞬間を何度ともにできるかが、そのまんま絆になるんだと思うんだ。

・私らが動画撮る時、ひたすら気配を消して待機する、が直人くんの板に染み付来すぎていて、動画撮ってる最中警備員みたいにしゃんと立って気配を消しており、プロだった。よっぴは何回も動画撮ってるときに喋ってしまっていて、JP男同行者としてまだまだだった。

・山頂に雪が積もっている山とそうでない山とで、エリアがはっきり分かれていて、それがわかるのも全部それらを上から見ているからで、すごい全能感だ。高いっていいんだよ、高いって。

・ジュンがアジア代表になるための写真撮影会をしたのとても良かった。めちゃくちゃそれっぽい顔しながら、それっぽいポーズを探すの楽しかった。初めは「ピンクかぁ…」という感じだったのに、ちゃんと着こなしておりさすがだった。あざとポーズを探すために、こんな雄大な景色の前で小さく縮こまってる瞬間の写真おもろい。

・山頂手前で本当に本当に景色が素晴らしくて…久しぶりに、こんな「山!!!」って感じの景色見たよ。これが山なんだよ。男子2人がユーチューブ始める時のサムネになりそうな写真撮れた。よっぴが「海泳ぎUKだっけ?」って言ってたの、地味におもろい。

・山頂はずっと人が多かったので、その手前でお昼を食べた。今日は私がジェットボイル持ってきて、お湯を沸かしてあげたんだ!!ものすごくモタモタ準備していたら、直人くんに「すごく手際が悪い」と言われ、この状況にタイトルつけて回収してくれてありがたかった。カップラーメン美味しい。でも次からはトムヤムクンにしようと思う。私は山に持っていく用の行動食が溜まりすぎており、(マナバーとか高いやつ)食べるの勿体無くて必ず持ち帰ってきているが、今日もそうなった。山頂で写真だけ撮って、綺麗にしまって持ち帰った。荷物見直そ。
フライドチキン、私ちゃんと人数分持ってきてたから、直人くんだけ2袋食べてておもろかった。

・よっぴがチェンスパつけるたびに靴下が上手く履けなくてぐずる赤ちゃんになってた。

・下山超すごかった。尾瀬ヶ原の景色がすんごい。空飛んでるくらい広い。んで、足元の雪がシャバシャバで歩きづらいんだけど、すごい滑るので、これを利用してみんなヒップソリして帰るわけ。なにそれそんなの楽しすぎじゃん。
大人がみ〜んなヒップソリで全力で遊んでて、でっかいかき氷の滑り台、降りてる感じなの。絵本で見たじゃん、昔そういうの。すっごい良くない?全力で滑って、お尻痛くなって、岩に突っ込みそうになって危ない〜!って言って、でもみんな笑ってんの。今日この日の山に、山の楽しいの、全部が詰まっている感じがした。山って、全部かえしてくれる。心を、全部、元の状態に。子供に、とはあえて言わないの。子供に戻れるんじゃなくて、日常の蟠り、遠慮とか、周りの目とか、人間関係とかの守るべきもの、いろんなもの全部、元の状態にかえしてくれるんだよね。それが良くて。全部リセットしてくれて。自分だけじゃなく、あそこにいた人たちみんなそうで。それがなんかすごく、すごく良かった。
最近さ、ULイベントに来る人たち、SNSの山好きの集い、日に日に強くなる何かの違和感、なんなんだろって思ってて。ジュンとは「マウント取ってる感じがして嫌なのかね〜」とコメントしていたけど。ほんと、なんかその答えがあそこにある気がしてて。山って、昔からずっとただそこに「あるもの」だから。そこに私らが入って、勝手に登ったり滑ったり泊まったりしてるだけだから。ULがどうとか、ファッションがどうとか、そういうことじゃないんだよ。山に詳しい方がえらいとか、行ける山域多いとえらいとか、そんなこと知ったこっちゃないわけ。ただ山が好きで、ただ山にいたい。それだけなんだよ。私は山の、そういうところが好き。
(でもこれは概念的な話で、実際は山の知識を入れることはすごく大事だし、でもそれは自分のためにやることだよね、って話。ここ数年ジュンのおかげで行けるところ見られる景色がどんどん増えてて、ほんとありがとうなんだよ)

よっぴが、尻セードで滑ってて、ボブスレーみたいになってんのおもろいし、滑り台ふわって乗りこなして、着地の時ぱってそのまま立ち上がってこっちむいてへへんってドヤ顔すんの。可愛くてしょうがない。転びそうになってそれ回避するたびにこっち見てドヤ顔なの。ちっちゃい子みたい。
雪の中でくるくる回ってる姿が無邪気で、とてもかわいかった。
滑り台するのも楽しいし、お尻つきたくなくて足だけでずずずって滑るのも楽しい。基本下に下に滑っていくから、普通に歩くよりも当然スピードでて、動く歩道を歩いているみたいな感覚になるの、楽しかったな。転んでも全然痛くないから、思い切り動ける。

白い雪の上に、泥の色がついて汚れているんだけど、日に当たってそれがピンク色に見えて、雪にマーブル模様ができているようで可愛く見えた。
下の方に行くと、だんだんと雪が溶け出して流れて小川のようになっており、それが私たちが歩く雪の下を流れているもんだから、すごく不思議な感じがする。一歩踏み外したら水にドボンだし、そこらじゅうに踏み抜いた後の穴があって、見えない落とし穴を避けながら歩いている感じ。水の音っていいよね。
尾瀬ヶ原に降りたところで、よっぴが「俺湿原って初めてきた」と言っていて、透き通って流れる水を今にも飲んでしまいそうなくらいはしゃいでいた。

ジュンたちから大きく離されてしまって、やっと山小屋のところで追いついた。その時点で16時で、16時半最終のバスに間に合わないよね?となって、「私先いってバス止めてくる」と走り出すジュンがまじでかっこよかった。私ら3人も、後から一生懸命走って、トレランっていうか持久走で。景色はめちゃくちゃ綺麗なんだけど、それをゆっくり眺める余裕もなく、なるべく急いで、でも普通に疲れてるからめちゃくちゃ遅くて。
途中、水芭蕉がたくさん咲いているところがあって、ここはリベンジしたいなと思った。
バス停に着いたらジュンがタクシーを手配してれていた。
私は走りながら、ジュンが落ち込んでないといいな(もちろんジュンが悪いわけじゃないんだけど、ジュンってそういう人だから)、と思っていたんだけど、タクシーのとこで再開したジュンはつるんとした笑顔で、「ごめんねぇ〜!」って言ってて、「下まで走ろうと思ったんだけど、鍵ないからさ〜!でもめっちゃ楽しかった!!」って言ってて、なんかそれが、はちゃめちゃによかった。直人くん、走って顔真っ赤にしていて(私と同様に)、「今日の山は天国から地獄だな」と言ったりしてつらそうだったけど、ゴールした時ジュンに、まず最初に駆け寄って、頑張ってくれてありがとって感じに肩ポンポンってしてて、ほんと2人の関係のそういうところが大好き。
よっぴがこれで山を嫌いにならないか心配だったけど、みんなでよぴ大丈夫?と言ってたら「みんなおれのこと舐めすぎ!!全然平気だから!!!」と男の子炸裂コメントしてて、とってもとっても良だった。
私も、バスに間に合うのかな、間に合わなかったらどうしようとすごく不安だったけど、振り返ってみると、とてもとても楽しかった。家族で行った白馬岳を思い出す。こんなに焦っているのに、ずっと景色がものすごく綺麗なのもなんか面白いよね。とにかく、今日のこと一生わすれないと思うんだ。

家帰って、よっぴと手分けして洗濯して靴洗って片付けした。山の後家でご飯食べるのもいいね。次から真似してみようと思うよ。


と、気持ちよく締めくくりたいのだけど、私がシリセードでちゃんとスマホ落っことし、その後帽子落っことし、隣にいたグループに「あの子帽子取りにこの坂登らなきゃなのかわいそ〜クスクス」と隠キャ学生みたいな気持ち味わったこと書かないと詐欺だと思うから、書いとく。



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