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BNPLカオスマップ作成の裏側、カオスマップを作成するときに考えたこと -前編-

こんにちは!株式会社ネットプロテクションズ(以下NP)PRチームインターン生のななこです。

NPは3月27日に、世界のBNPL(Buy Now Pay Later)サービスをまとめたカオスマップを作成し、公開しました。(https://corp.netprotections.com/news/press/202003270001

今回この記事では、カオスマップの作成過程や各プロセスの中で考えたことの紹介を通して、カオスマップ作成のメリットやノウハウをお伝え出来ればと思います。

なぜNPがカオスマップを作成するのか

皆さんはカオスマップというものをご存知でしょうか。カオスマップとは、特定の業界のサービスや企業をカテゴライズして関係性を表した業界地図のことです。下記画像は国内FinTech (フィンテック)サービスをまとめたカオスマップです。

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参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000045021.html

このカオスマップでは日々増え続けているFinTech(フィンテック)サービスを11のカテゴリに分けて並べることで、同じFinTech(フィンテック)サービスでもサービス内容は異なることを示しています。

このように、カオスマップ作成は業界内サービスの整理が行われ、業界・サービスのことを広く知ってもらえる機会創出になります。そんな業界地図をなぜ事業会社であるNPが作成するのか。それは、上記の理由に加え、カオスマップ作成は自社サービスの認知度向上、ひいては自社サービスを選んでいただくきっかけ作りになると考えているからです。

カオスマップを作成するメリットとして以下4点が挙げられます。

①乱立する業界・サービスを整理することができる
②カオスマップが世の中に出ることで、話題性がある業界として注目されやすくなる
③業界・各サービスの特徴が視覚的に理解できる
④整理の仕方を工夫すれば、自社の特徴をカオスマップ上で表現することができる

調査機関ではなく、NPが一事業者としてカオスマップの作成をする大きな目的が④です。では「自社の特徴を表現できる」というのはどういうことなのでしょう。過去にNPが作成したカオスマップで解説すると、「国内フィンテックBtoB決済代行サービス」のカオスマップでは、NPのBtoBサービスである「NP掛け払い」の“請求業務のすべてを代行する”というユニークさを活かすため「請求書決済にかかる業務のうちどの工程を代行するか」という分類軸を設定しカオスマップを作成しました。

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(「国内フィンテックBtoB決済代行サービス」カオスマッププレスリリースはこちら:https://np-kakebarai.com/news/n1856/

このようにカオスマップの作成はただの業界分類にとどまらず、自社のブランディングにもつながるマーケティング施策です。


与件整理・目的の確認

今回のカオスマップ作成のきっかけは、NPが提供している会員制カードレススマホ決済「atone」のPR担当社員の一言でした。さっそくメンバーを集め、情報収集等の作業を始める前に、作成の目的等の与件整理を行いました。

■作成の目的
今回カオスマップを作成する大きな目的として、
①BNPLサービス市場は国内外で盛り上がっている市場である。
②NP後払いはBNPL市場において強みのあるサービスである。
の2つが挙げられます。またBNPLサービスは国内外で盛り上がっていることを伝えるため、国内だけでなく国外のサービスもスコープに入ることになります。

■そもそもBNPLの定義とは
BNPLサービスとはBuy Now Pay Later(今買って後で支払う)を頭文字に取った、日本では一般的に「後払い決済」として認知されているサービスですが、これより詳細の定義は明記されていません。そのため、この定義では「後払い」となるクレジットカード決済やローン、BtoBの掛け払い(請求書払い)サービスも広義の意味ではBNPLサービスとして含まれてしまいます。この定義のままカオスマップの作成を進めると、取り扱うサービス量が膨大で情報過多になる、あるいはNP提供サービスの特徴を十分に表現出来ないため、今回のカオスマップにおけるBNPLサービスの定義は、
「toCで、クレジットカード等の従来型の信用情報を使用せず、独自の与信技術でユーザーに対して後払いサービスを提供している新興サービス群」
と定めました。そのため、今回はNPのtoC向けサービスである「NP後払い」と「atone」が本カオスマップのスコープに入ります。

■分類軸の検討
この分類軸とは、業界やサービスを整理するための基準になるものです。自社の特徴が伝わるカオスマップを作成するためには、この分類軸の選定が重要になります。この分類軸によってもちろん見た目も変わりますが、伝えられる内容も変わってくるため、カオスマップ作成の目的合わせて検討する必要があります。

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まず今回スコープ内に入る「NP後払い」と「atone」が魅力的に見えそうな軸の候補を出していきます。例えば「NP後払い」の強みである「後払い決済のパイオニア」という特徴を表現できる「サービス提供開始時期」、他社比較した時に強みとなる「利用者数」、NPの強みでありユニークさである「与信精度の高さ・こだわり」等です。この方法で分類軸の候補を考えることで、メッセージ性を持った分類軸の検討をすることが可能になります。その他、自社特徴に偏りすぎないようにフラットな視点で分類軸候補を出して検討しました。その結果「サービス提供開始時期」という分類軸は「NP後払い」最大の特徴を伝えられるため、これはマストで入れる方向に決まりました。それ以外の分類軸については、他社が公表していない情報(「利用者数」「与信精度の高さ」等)を必要とする軸は選択肢から外して、マップを作成しながら決めていくことにしました。


方向性の検討とマップ作成着手

BNPL市場に関する情報収集をするなかで、ふたつの大きなトピックが見えてきました。
・NP後払いは日本BNPLサービス(後払い決済)業界のパイオニアである
・様々なタイプのサービスが登場している程BNPLサービスは世界で盛り上がってきている

上記2つの要素はNPの決済サービスを訴求する上で重要だと考え、「日本のサービスのみ」と「世界のBNPLサービス」の2種類のカオスマップを作成して見ることにしました。


■BNPLカオスマップ 国内ver
1つ目の分類軸はもちろん「サービス提供開始時期」に決定しましたが、ただサービス開始の時系列順に並べるだけでは新しい情報とはなり得ないので、もう一つの分類軸を選出することにしました。「世界でBNPLサービスが盛り上がっている」との相関を鑑み、日本でも様々な場面でBNPLサービス(後払い決済)が使用されているということを伝えるために、各BNPLサービスの「サービス提供範囲」をもう一つの分類軸として設定しました。「サービス提供範囲」とは各BNPLサービスがEC全般・旅行業界・医療業界等のどの業界にサービスを提供しているかを示しています。そして、仮作成したものがこちらです。

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■BNPLカオスマップ 海外ver
実は海外verの作成にとてもてこずりました。国内verのカオスマップでは、NPとして言いたいこと(「NP後払いは後払い決済のパイオニア」)がありましたが、国外verのカオスマップでは中々しっくりくるメッセージが決まらないでいました。情報収集をしていく中で、海外のBNPLサービスは日本のBNPLサービスに比べて請求額を支払うタイミングを複数選択肢から選べるものが多くありました。この「請求額の支払いタイミング」を軸にすることで、「海外では多様なタイプのサービスが存在する程BNPL業界は盛り上がっている」ことを伝えられると考え、一旦カオスマップを作成してみることになりました。下の画像が上記検討を反映して作成したカオスマップのラフ画です。読者が見やすいように配慮して地域ごとに分けてまとめています。

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方向転換と確定、アウトプットイメージの検討

2種類のカオスマップのイメージが出来てきて、悪くはないけれどもまだもっと良いものが作れそうという感覚がありました。ここまでの情報収集等を通して、「NP後払い」や日本の後払い決済サービスのモデルは、クレジットカード文化の海外において昔からあまり存在していないことに気づきました。そこでサービスを個々に調べてみると、なんと「NP後払い」が世界の中でも初めてサービスを提供開始したBNPLサービスだったことが分かりました。そのため、「サービス提供開始時期」を分類軸に一つのカオスマップに統合する方向に変更しました。まずは、「サービス提供開始時期」と「地域(大陸)」で分けてイメージを考えてみました。下記画像がイメージのラフ画です。初期のイメージ図とは大きく変わりましたね。

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同心円状に時系列で各サービスを並べることで、現在に近づくに連れBNPLサービスが増えている・盛り上がってきている様を表現しています。しかしこれだけだと、少し物足りない印象がありました。そこで、世界にはBNPLサービスといっても様々な種類があり多様化しているということも一緒に伝えられれば、よりBNPL市場の広まりを表現できると考えました。そこで、初期の海外verで軸になっていた「請求額の支払いタイミング」と新たに「請求額の最終的な支払い方法」を候補に、どちらが読者にBNPLサービスの多様性が伝わるか、カオスマップとして綺麗に見えるのかを何パターンか検討しました。

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そうして最終的には「サービス提供開始時期」「請求額の最終支払い方法」「地域」を分類軸とし、「NP後払いは世界でもBNPLサービスのパイオニアである」「世界中にはユーザーのニーズに合わせた多様なBNPLサービスが存在していて、業界的にも盛り上がっている」「atoneはユーザーニーズに柔軟に対応可能なBNPLサービスである」というメインメッセージを持ったカオスマップにすることが決定しました。下記画像が、カオスマップの方向性が決定した時のアウトプットイメージ図です。

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今回はここまで!次回はデザイン検討~完成~配信までの過程についてお伝えしようと思います。お楽しみに!


プレスリリースURLはこちら:https://corp.netprotections.com/news/press/202003270001


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