セージの耳打ち#259 メンタルはどこまで弱体化?
このあいだ、とある人気イラストレーターの旅エッセイを読みました。
ブックレビューで「頼まれてもいないのに全国に出かけていって、好き勝手に現地をディスってる」と書いてる人がいた本なので、「どんな内容なんだろうか?」とドキドキしていたんですが、現物はそんなひどいシロモノではありませんでした。
せいぜい「ホテルの大食堂の刺し身がカピカピ状態だった。謎の煮物があったんで『なんっですか?』と質問してもちゃんと答えてもらえなかった」程度のもので、誰にでもありうる程度の「ムッとしたこと」を正直に書いているだけ。
これはつまり「本の書き手がイジワル」なんじゃなく、レビューの書き手が「ホメること以外は書いちゃダメ」と思い込んでいる人なんだな、と私は結論づけました。
そして「その人は『自分を全肯定する言葉』以外は全部悪口だと受け取るんだろうな」とも。
なんらかの理由でメンタルが弱体化したんだろうけど、世の中に「自分を全肯定してくれる人」なんてまずいません。
もしいたら、それはたぶん「詐欺師」で、何らかの魂胆でヨイショしてるんだと思います。
だから、あのレビューを書いた人は毎日、「自分は周囲のみんなからイジメられてるんだ」と思い続けてるんでしょうね。
そして、それはかなり辛いことだろうと思います。
現代はちょっとしたことで火花が散ってしまう一触即発時代ですが、国民のメンタル弱体化がこのまま際限なく続けば、今よりもヤバい事態になりそう。
図太すぎるのも嫌ですが、ちょっとぐらいは図太いほうが生きやすかろうと、昭和青春世代としてはつい思ってしまうのです。
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