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セージの耳打ち#231 「65点」がなぜ好かれるのかわかった日

私の小学生の頃、松本ちえこというアイドル歌手が「恋人試験」という歌をヒットさせてました。
自分に関する問題を恋人志願者に出し、その点数によって受け入れるかどうか決めるという、よく考えたらかなりタカビーな内容です。

そのサビの部分が「0点なんかじゃ許さない 100点取る人大嫌い 知っているのにわざと間違える65点の人が好き」というものでした。

この心理が当時はわからなかった。
「100点だったら申し分ないじゃん! なんで65点が一番いいのさ!?」としか思えなかったんです。

しかし時を経て、それなりに恋愛の場数を踏んだ結果、ようやく意味がわかりました。
「100点取る男」というのは「俺はおまえのことは何だって知ってるんだぜ!」と鼻にかけるイヤな奴なんですね。
逆に「65点の男」というのは「へー、君ってそういう面もあるんだ。意外だなー。知らなかったよ」と「あえて新鮮さを楽しもうとする粋さ」がある。
そりゃ確かに「好き」になりますよ。

人間て、一定の謙虚さがないとダメだと思うんです。
陰謀論にはまって周囲を愚民視するような人間は「自分は頭がイイから何でもわかってる」と自惚れてますが、ああいうタイプはたぶんモテないでしょうね。

やはり人間、「知っているのにわざと間違える65点の人」でありたいもんです。

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