#31 嫁入りダンスとバズーカ砲
今はもうないんですが、新宿で私が住んでいたマンションの近くに「日の出」という、素敵な町中華があったんですよ。
忙しかった時期時には週5ペースで通っていたし、友達が来るとほぼ例外なくそこへ連れて行ってました。
その店の「料理以外の名物」が床置き型の大型クーラーでした。
大型と言ってもピンキリですが、その店のクーラーは「嫁入りダンス」くらいあったんです。
そこから吐き出される冷気は「バズーカ砲」クラスのパワーがあって、マジで「ドカン、ドカン」と擬音を付けたい感じでした。
夏場に運悪く、クーラーから最も近い席に着こうものなら、「食いきる前に凍死するんじゃないか?」という不安に駆られましたよ。
今は私も新宿を離れたし、そもそも店も閉店してるわけですが、時たまあの「暴力的な涼しさ」が懐かしくなったりします。
ああした「過剰サービス」って、やはり「昭和期の名残」なんじゃないですかね。
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