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#86 アニメが「ポップカルチャー」になった頃

70年代までのアニメは「まんが映画/テレビまんが」と呼ばれ、世間の常識では「観るのは小学生まで」とされていました。
だからハタチ過ぎてもまだ観ている人間は「異常者」扱いされて、肩身の狭い思いをしていたんです。

70年代も終わりに近づくと、マンガの中に「アニメネタ」を盛り込む作家なんかもチラホラ登場しはじめてましたが、世間一般的にはまだまだ異端視されていた。
しかし、80年代に入って「お笑いニューウェーブ」と呼ばれる流れが生まれたところで、そんな状況が一変したんです。

「とんねるず」や「山田邦子」など「アニメと親和性の高い世代の若手芸人」たちが、演目の中に「懐かしのアニメネタ」を盛り込みだしたことで、それまでは「イイ歳してテレビまんが観てる奴なんて変態だぜ」とオタク蔑視をしていた人間たちの考えを変え始めたのでした。

とんねるずはコントの中に「花のピュンピュン丸」とか「魔法使いサリー」なんかの小ネタを取り入れてたし、山田邦子は「科学忍者隊ガッチャマン」の主題歌パロディのフリップネタとかをやりだした。
ガッチャマン主題歌のサビの部分「♪地球はひとつ」に、パックリ割れた地球のイラストフリップを合わせて「♪割れたらふたつ」とやるのね。

「いま一番ナウい」とされている芸人たちが、ずっと「ダサイものの筆頭」とされていたアニメをネタにしだしたことで、「・・・あれ? ひょっとしたらアニメってナウいのかも・・・?」と世間の評価に変化が生じ始めました。
まぁ世間なんていーかげんなものですからね。

そこから流れが変わり出し、「アニメ=ポップカルチャー」みたいな扱い方をする媒体も現れました。
・・・その後、元号が昭和から平成に移るタイミングで起きた不幸な出来事によって「オタク=犯罪者予備軍」という偏見が広まり、再び「アニメファン冬の時代」が到来するわけですが・・・それについてはまた別の機会に。

とりあえず、アニメが「ポップカルチャー」の仲間入りをした頃があった事実だけは憶えといてください。

アニメカルチャー


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フジミ・セージ
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