【ネトゲ依存】Raise your voice!

健やかに悲惨なネトゲ廃人の妻、申見アキです。
大好きなミュージカル、シスターアクトの歌をタイトルにしてみた。
今日は辛かったならきちんと声をあげよう、と思った切欠の話。身の回りに何かに異常にのめり込んでる人がいるなら、一度読んでほしい。

※特定の方を中傷したり糾弾する意図はありません。あくまでも私個人の経験と意見です。これを以った個人への攻撃はおやめください。


私が服用しているうつ病の薬は、睡眠を促し、食欲を増進させる効果がある。ゆえに先の年末年始も、夫が年越しの瞬間もスマホを握っているのを見たくなくて、私は逃げるように23時にはベッドに入った。
そうした1月のある夜。いつも通り子供を寝かしつける為に、オルゴール音楽を流そうとYouTubeを開くと、あるYouTuberカップルの破局を知らせる動画が、急上昇動画として目に入った。

おすすめ動画にもよく登るポピュラーなチャンネルだったし、かと言って特に自分から見に行った事はなかったが、可愛らしいデート動画やメイク動画を仲良くアップしてるのは知っていた。ゆえに素人の私でも「えっ?この2人が別れちゃったの?どうして?」と驚くような一報だった。

子供がぐっすり眠ったのを確認し、半ば野次馬根性で動画を見に行く。
ひと月ほどチャンネルを更新しなかった事についての謝罪から始まり、自分たちの関係が終了する事を告げた。
「別れるのは浮気ではなく、価値観の違いから」
「これからはそれぞれの個別チャンネルで頑張っていく」と、なるべくファンを傷つけないように、やんわり、そして淡々と語っていた。

価値観。
どこまでも優しく、また都合の良い言葉でもある。
お互いの意見を擦り合わせるためにどれほど片方が努力しても、もう一方にその気が無ければ水泡に帰す。
やるせない現実だ。

再生しながらも更新されゆく、阿鼻叫喚のコメント欄をしまい、関連動画を見に行く。
そうしてすぐに出てきたのが「ゲーム依存の彼氏に…」という、よくあるドッキリ動画のサムネイルだった。

胸がざわっとした。
嫌な時ほど女の勘は働く。
それを見ただけで、突如デジャヴの右ストレートを食らった。
……見知った大好きな顔が、コントローラーを握ってる間は、スマホを横に持ってゲームしてる時は、目が虚ろになる。プレイしながら舌打ちしたり、何処の馬の骨とも知れぬ異性プレイヤーがボイスチャットで喋るのでイヤホンは必須。蔓延る下心剥き出しのプレイヤー。個別でやり取りをし、私が指摘する度に遅くなる帰宅時間。心ここに在らずとなった大切な人に、徐々に私がオワコンかのように扱われ、やがてシャットアウトされていく………

そんな身に覚えのありすぎる、彼女の叫びがサムネイルだけで画面を通して聞こえてきた気がしたのだ。

ああ、これドッキリじゃない、
この子、本気で訴えてたんだ!!
考えを擦り合わせるチャンスだったんだ!!



ゲーム、ギャンブル、性、リアリティを含んだ誘惑は確かに飽食するほどある。
しかし、一度立ち止まって考えて欲しい。
ただでさえ限られている、子供と過ごせる時間や家族や両親が喜ぶ事に使えるはずだったお金や社会、精神的信用を、浪費してはいないか。
家族や大切な人が、なぜそばにいるのかを忘れ、
それらを蔑ろにしている人はいないか。


弱ったなら弱ったと、助かりたいと言っていい。
育ちが違うから意見を擦り合わせたいと言っていい。
国語や現代文の授業を寝過ごしてきたなら、今からでも本や活字を読んで、自分の言葉をきちんと捉えて研げ。
でなければ本当に誰にも本心を届けられない。

みんな、お芝居の父親役や母親役や子役ではない。
いつぞや流行したドラマの、光のお父さん ではない。
私たちはノンフィクション。
正真正銘、自分たちの子供のお父さんであり、お母さんなんだ。

自分の為に、そして同じ思いをしてる人の為にも、

ネトゲ未亡人の旗を掲げて、声を張り上げる。

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